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リュウジのバーン道場 第2回 グルールアグロ 
 
text by Ryuji Murae

 こんにちは。とうとう基本セット2014(以下M14)が発売されてしまいました。
グランプリ北九州まであと一カ月もありません。デッキどうしよう。グルールでいいや。

 というわけで二回目となる今回のテーマは「グルールアグロ」です。
 グルールアグロが登場したのは、「ギルド門侵犯」発売直後。スタンダード環境にグルールというギルドが帰ってきたのとほぼ同時でした。
トーナメント:Magic A.D. Open Series Arnhem(The Netherlands) 2013/02/09
順位:3位
Player:Bart van Etten
Deck Name:
Deck Designer:
20land
12 《山/Mountain》
4 《根縛りの岩山/Rootbound Crag》
4 《踏み鳴らされる地/Stomping Ground》

28creature
4 《流城の貴族/Stromkirk Noble》
4 《火打ち蹄の猪/Flinthoof Boar》
4 《灰の盲信者/Ash Zealot》
4 《ラクドスの哄笑者/Rakdos Cackler》
4 《ボロスの反攻者/Boros Reckoner》
4 《地獄乗り/Hellrider》
4 《炎樹族の使者/Burning-Tree Emissary》

12spell
4 《灼熱の槍/Searing Spear》
4 《火柱/Pillar of Flame》
4 《怨恨/Rancor》
15sideboard
3 《無謀な浮浪者/Reckless Waif》
2 《頭蓋割り/Skullcrack》
3 《ミジウムの迫撃砲/Mizzium Mortars》
2 《反逆の印/Mark of Mutiny》
1 《炬火の炎/Flames of the Firebrand》
1 《裏切りの血/Traitorous Blood》
3 《火山の力/Volcanic Strength》
・グルールギルドの参入
 《踏み鳴らされる地/Stomping Ground》、そして《炎樹族の使者/Burning-Tree Emissary》の登場により安定したマナベースを確保し、それまで居場所のなかった《火打ち蹄の猪/Flinthoof Boar》が脚光を浴びました。
 《ゴーア族の暴行者/Ghor-Clan Rampager》が採用されていない以外は現在とほぼ変わりません。


 この時期の他のリストを調べると、《ゴーア族の暴行者/Ghor-Clan Rampager》はほぼ採用されていませんでした。
 グルールアグロの象徴とも言えるこのカードが何故採用されていなかったのか。新環境直後で研究が進んでいなかったということが第一ですが、やはり僕を含めた多くの人が湧血のデメリットを恐れていたのではないかと思います。《途方もない力/Colossal Might》がスタンダード環境で通用するのか?と言われればなんとも言えません。でもこいつだけスペックおかしいですよね。

 強いものは強い。一旦強さが広まってしまえば、その後はグルールアグロの必須パーツとしてその地位を揺るぎないものにしてしまいました。

トーナメント:ワールドマジックカップ2013大阪予選 2013/04/20
順位:3位
Player:Murae Ryuji
Deck Name:
Deck Designer:
21land
11 《山/Mountain》
4 《踏み鳴らされる地/Stomping Ground》
4 《根縛りの岩山/Rootbound Crag》
2 《寺院の庭/Temple Garden》

30creature
4 《ボロスの反攻者/Boros Reckoner》
4 《ラクドスの哄笑者/Rakdos Cackler》
4 《流城の貴族/Stromkirk Noble》
4 《ゴーア族の暴行者/Ghor-Clan Rampager》
4 《炎樹族の使者/Burning-Tree Emissary》
4 《火打ち蹄の猪/Flinthoof Boar》
3 《地獄乗り/Hellrider》
2 《稲妻のやっかいもの/Lightning Mauler》
1 《紅蓮心の狼/Pyreheart Wolf》

9spell

4 《灼熱の槍/Searing Spear》
3 《火柱/Pillar of Flame》
2 《硫黄の流弾/Brimstone Volley》
15sideboard
3 《頭蓋割り/Skullcrack》
3 《火山の力/Volcanic Strength》
2 《ミジウムの迫撃砲/Mizzium Mortars》
2 《巨大化/Giant Growth》
2 《ドムリ・ラーデ/Domri Rade》
2 《電謀/Electrickery》
1 《裏切りの血/Traitorous Blood》
 デッキによっては《怨恨/Rancor》が入っていたり、追加の火力で《硫黄の流弾/Brimstone Volley》が入っていたりしますが、この頃になると研究が進んで、デッキの基本的な部分はかなり完成されたように見えます。


・ドラゴンの迷路に迷い込む
 迷路から出てきたのは鹿、らせん、そして新しくなった外套でした。


 一方のグルールが得たものは・・・ほぼありませんでした。

 新規で目に付いたものはいくつかあったのですが、既存のものと役割が被っているカードが多く、他のデッキのように明確にデッキを強化するようなカードに恵まれませんでした。

 デッキとしての完成度が高く、明確な勝ちパターンを持ってはいますが、デッキとしての強さは相対的に下がった印象でした。

 そんなことを考えていたときに現れたのがこれです。
トーナメント:GP Miami(United States of America) 2013/06/29-30
順位:7位
Player:Christoffer Larsen
Deck Name:
Deck Designer:
22land
12 《山/Mountain》
4 《根縛りの岩山/Rootbound Crag》
4 《踏み鳴らされる地/Stomping Ground》
2 《寺院の庭/Temple Garden》

28creature
4 《ボロスの反攻者/Boros Reckoner》
4 《炎樹族の使者/Burning-Tree Emissary》
4 《火打ち蹄の猪/Flinthoof Boar》
4 《ゴーア族の暴行者/Ghor-Clan Rampager》
4 《地獄乗り/Hellrider》
4 《ラクドスの哄笑者/Rakdos Cackler》
4 《流城の貴族/Stromkirk Noble》

10spell
3 《向こう見ずな技術/Madcap Skills》
3 《火柱/Pillar of Flame》
4 《灼熱の槍/Searing Spear》
15sideboard
2 《冒涜の行動/Blasphemous Act》
1 《ドムリ・ラーデ/Domri Rade》
4 《ミジウムの迫撃砲/Mizzium Mortars》
3 《頭蓋割り/Skullcrack》
2 《雷口のヘルカイト/Thundermaw Hellkite》
3 《火山の力/Volcanic Strength》
・《向こう見ずな技術/Madcap Skills》を考える
 リミテッドでの強さは折り紙つきですが、構築となるとどうなのか。

 結論としては強かったです。これ使った人すげーなというのが素直な感想です。

 除去された時のアド損よりも速いターンでのダメージ効率を追求したいい例です。

 考え方としては湧血も一緒ですが、相手が2T目に《復活の声/Voice of Resurgence》を立たせてきた返しなんかはテンポやダメージ効率を考えてもこっちの方が格段に強い動きです。

 たまにそのまま勝てる《溶岩の撃ち込み/Lava Spike》という感覚で使ってもいいかもしれません。 ブロッカーをまとめて吹き飛ばせる湧血や《ボロスの反攻者/Boros Reckoner》とも相性がよく、消耗戦の後に適当につけても弱くないです。

 スタンダードでは《嵐血の狂戦士/Stormblood Berserker》から続くブロック制限能力は相変わらず強力でした。

 なんだかんだでメタデッキ随一の安定感を誇り、速度も申し分ないこのデッキ。結構な頻度で入賞する姿を目にしました。新環境ではどうなるのでしょうか。



・M14後のグルール
 まず僕がM14のリストを見た感想は、デッキや環境を根幹から変えてしまうようなカードは少ないということでした。

 《漁る軟泥/Scavenging Ooze》や《生命散らしのゾンビ/Lifebane Zombie》のせいでリアニメイトはかなり厳しくなったという印象ですが、基本的には既存のデッキを強化するカードが多いという印象です。

 そのなかで新しくグルールに採用できそうなカード候補として目についたのは

《燃え立つ大地/Burning Earth》
《チャンドラのフェニックス/Chandra’s Phoenix》
《漁る軟泥/Scavenging Ooze》
《ショック/Shock》

以上の4枚です。




《燃え立つ大地/Burning Earth》
 ラヴニカブロックを否定するかのようなカード。苦手とする青白系のコントロール相手には劇的に効きます。

 出す前にある程度場を作る必要はあるので過信は禁物ですが、多色デッキが数多く存在する現在の環境ではすんなりサイドボードに採用できるかと思います。



《チャンドラのフェニックス/Chandra’s Phoenix》
  1年ぶりに帰ってきました。個人的には大好きな1枚。

 《稲妻/Lightning Bolt》、《焼尽の猛火/Searing Blaze》、《電弧の痕跡/Arc Trail》、《はらわた撃ち/Gut Shot》といった相棒となる火力が強すぎた当時の環境で猛威を奮いました。今思えば《コーの火歩き/Kor Firewalker》がいたのも納得です。

 正直現在の火力呪文は少し物足りないのが実情です。そもそもグルールは火力呪文をあまり採用していません。グルールに居場所はないのでしょうか。

 3マナ2/2・飛行・速攻と、基本的なスペックは満たしているので、決して居場所がないわけではありません。
 どちらもコントロールに強く相性もいいので、頭蓋割りなんかと一緒に使ってもいいです。

 サイド後の消耗戦にとても強く、同系でも反攻者のにらみ合いをすっ飛ばしていけるのは評価ポイント。
 《火柱/Pillar of Flame》で除去されると辛いとかいう意見もありますが、正直他のクリーチャーに使われても変わらないです。残ればラッキーくらいで。

 《漁る軟泥/Scavenging Ooze》は食べられる前に頑張って燃やしましょう。



《漁る軟泥/Scavenging Ooze》

単体で強いカード。ただ、グルールの強い動きにはなにも関わってきません。

 緑を使うなら候補にあげるべきカードだとは思いますが、問題は緑マナの供給源。
軟泥を採用すると以前よりも少し緑マナを要求されるようになるので、下手にいじると序盤数ターンの動きを阻害し、グルールの強い動きを潰してしまうことになりかねません。

 しかし強いのも事実。リアニメイトや瞬唱の魔道士を使うデッキの墓地掃除、アグロデッキとのマッチではその成長のしやすさも脅威になります。地味に湧血とも相性がいいです。

 前述の理由により無条件で4枚積む!ともいえませんが、使って損はありません。大いに検討の余地がある強力なカードです。



《ショック/Shock》
 これだけまだ試していませんが、コンバットトリックで使用できることと、当たり前ですが《復活の声/Voice of Resurgence》と《絡み根の霊/Strangleroot Geist》以外を焼く場合は《火柱/Pillar of Flame》より強いです。

 赤1マナが警戒されにくい現状、相手の不意を突くアクセントとして数枚採用してもおもしろいかもしれません。《チャンドラのフェニックス/Chandra’s Phoenix》との相性も良いですね。

 まだ研究中ではありますが、これまでの実績からいってGP北九州では確実に意識すべきデッキの一つで、僕の使用候補筆頭でもあるデッキです。この記事を書くにあたって試したリストを載せて終わりにします。

 それではまた次回!今度もほとんど赤かった!
サンプルリスト:グルールアグロ
21land
11《山/Mountain》
4《根縛りの岩山/Rootbound Crag》
4《踏み鳴らされる地/Stomping Ground》
2《寺院の庭/Temple Garden》

30creature
4《ゴーア族の暴行者/Ghor-Clan Rampager》
4《ボロスの反攻者/Boros Reckoner》
4《炎樹族の使者/Burning-Tree Emissary》
4《ラクドスの哄笑者/Rakdos Cackler》
4《流城の貴族/Stromkirk Noble》
4《火打ち蹄の猪/Flinthoof Boar》
3《地獄乗り/Hellrider》
2《チャンドラのフェニックス/Chandra's Phoenix》
1《漁る軟泥/Scavenging Ooze》

9spell
3《灼熱の槍/Searing Spear》
4《火柱/Pillar of Flame》
2《向こう見ずな技術/Madcap Skills》
15sideboard
1《チャンドラのフェニックス/Chandra's Phoenix》
4《ミジウムの迫撃砲/Mizzium Mortars》
3《火山の力/Volcanic Strength》
3《ドムリ・ラーデ/Domri Rade》
2《頭蓋割り/Skullcrack》
2《燃え立つ大地/Burning Earth》
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