text by Yoshihara Tomoki
みなさん、お久しぶりです。
最近の暑さにやられ気味のよっしーこと吉原です。
近頃のMTG業界では、世界選手権があったばかりでスタンにモダン、リミテッドが熱くなっていますが、レガシーも負けていられません!
ということで、今回はプレイングの追及(後編)、前回と2回に渡りお送りする記事となっています。よければぜひ前回の記事と合わせて読んでみてくださいね!
★《精神を刻む者、ジェイス/Jace,
the Mind Sculptor》
さて、後編での最初の1枚は青好きなら1度は使った事があるのではないでしょうか?
歴代のプレインズ・ウォーカーの中でも最強と名高いこの1枚です。
まずは何故か4つ持っているその能力を見ていきましょう。
【+2】:プレイヤー1人を対象とし、そのプレイヤーのライブラリーの一番上のカードを見る。あなたはそのカードをそのプレイヤーのライブラリーの一番下に置いてもよい。
【±0】:カードを3枚引き、その後あなたの手札にあるカードを2枚、あなたのライブラリーの一番上に望む順番で置く。
【-1】:クリーチャー1体を対象とし、それをオーナーの手札に戻す。
【-12】:プレイヤー1人を対象とする。そのプレイヤーのライブラリーのカードをすべて追放し、その後そのプレイヤーは自分の手札を自分のライブラリーに加えて切り直す。
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アドバンテージ・自衛・フィニッシュと全てを1枚でこなしてしまうと言っていい能力ですね。
ですが強いカードだからこそ、細かいプレイングを知ればより強いカードとしてゲームを勝ちやすくさせてくれます。
では、どこに気をつけてプレイしていけば良いのでしょうか?
特に重要な部分について追求していきたいと思います。
①まずは維持をさせる事が大事!
プレインズ・ウォーカーはジェイスに限らず、場に長持ちをさせる事が基本となります。
4つの能力があるからこそ、その能力の選択によって長持ちするか否かが決まると言ってよいでしょう。
まず注目したいのが、初期忠誠値が3だということ。
これはレガシー環境ならダメージですぐに落ちてしまう値ですね。
例えば《稲妻/Lightning Bolt》や《ヴェンディリオン三人衆/Vendilion
Clique》を構えられている場合、すぐに落されてしまいます。
なので、最低でもこの2枚をケアして+2能力を使えば、すぐに落ちるというのは回避できますね。
また、±0の能力は基本的には前回の記事にある《渦巻く知識/Brainstorm》を見ていただけたらと思います。
この能力のおかげで除去や壁となるクリーチャーを引き込むことができます。
これは後述するバウンス能力と同様に自衛手段としても非常に強力な能力となっています。
わかりやすい自衛手段は-1のバウンス能力ですね。
ここで注意しなければならないのが、このバウンスは自分のクリーチャーも戻せるという事です。
何かしらのCIP能力を有したクリーチャー、例えば《瞬唱の魔道士/Snapcaster
Mage》等をバウンスすれば、墓地のカードを使い回し完全に相手のクリーチャーを除去するなんて事も可能なのです。
②勝つために
盤面が膠着したとき、+2能力を使えばいいのか±0を使えばいいのかを悩む人も多いと思います。
筆者の個人的な意見としては、基本的には±0を延々と使いアドバンテージを稼ぐ方が勝利に近いプレイだと思っています。
もちろん、極端にデッキの勝ち手段が薄かったりした場合には、その限りではありませんが。
例えばBUGといったカラーのデッキならどんどんアドバンテージを稼ぎ、《タルモゴイフ/Tarmogoyf》などの優秀なクロックをどんどん展開しつつ、妨害手段も手に入れる事が可能な±0を使うほどに勝ちが近づくでしょう。
また、ルール改定によってお互いの場にジェイスが存在することが可能になりました。
そのため、遅れてジェイスを着地させられた時に、直接的なハンドアドバンテージを稼げる±0の能力を多く使っている方が解決策を見つけやすくなるのです。
○よっしーのワンポイントアドバイス
手札に《渦まく知識/Brainstorm》があり、ジェイスが着地している状態。
青を使っている方はよくある光景ではないでしょうか?
この時、ジェイスの能力ではなく先に《渦まく知識/Brainstorm》をプレイする事をオススメします。これは他の能力、つまり選択肢を多く残せるプレイをするといった意味を持ちます。
先に《渦まく知識/Brainstorm》をプレイし、除去を見つけたのでジェイスで自分の瞬唱をバウンスして、より磐石にしよう!
といったプレイも可能になるわけです。
★《師範の占い独楽/Sensei's Divining
Top》
2枚目は筆者がもっとも愛して止まないアーティファクト、《師範の占い独楽/Sensei's
Divining Top》です。
CTGのような特定のシナジーを用いたデッキに限らず、BWGカラーのいわゆるジャンクと呼ばれるデッキ、そしてANTのようなコンボデッキにまで採用されたりする強力なアーティファクトです。
このカードが様々なデッキに採用される理由には、その能力に関係があります。
①1マナでライブラリーの上3枚を見て、好きに並べ替える。
この能力はまずシナジーとして《相殺/Counterbalance》や《闇の腹心/Dark
Confidant》と非常に相性が良く、フェッチランドを多用するレガシー環境ではどんどん新しい3枚を見ることができます。
②タップする事で、カードを1枚引いて独楽をライブラリーのトップに置く
この能力があるため独楽を破壊することはほぼ不可能だといってもいいでしょう。
また、ライブラリーの上3枚から好きなカードをいつでも引けるため、事実上手札破壊の威力を軽減した上で手札が3枚多いのと同じだとよく言われています。
さらに、インスタントタイミングで引けるために奇跡カードとも非常に相性がよくなっています。
【ストームとの関係性】
《苦悶の触手/Tendrils of Agony》等のストームを利用したデッキに採用される理由は、手札破壊の威力を弱めるといった部分の他に、独楽が2枚あるだけで容易にストームが稼げるといった点にあります。
場に独楽が2枚出ている状況で、独楽Aのドロー能力を起動すると独楽Aはライブラリーのトップへ行きます。続けて独楽Bのドロー能力を起動すると、独楽Bがライブラリーのトップへ行き、独楽Aをドローする事となります。そして1マナで独楽Aをプレイし、またドロー能力を起動する・・・をやり続けると、1マナでストーム1を稼ぎ続ける事ができるわけですね。
【独楽の除去の仕方】
アドバンテージを失ってでも、独楽を除去したいと思う事も少なくありません。
そんな時は、相手のフェッチランドの起動に合わせて独楽にアーティファクト破壊を打ち込むのが良いでしょう。
相手はおそらく独楽のドローを起動してカードを1枚引きますが、独楽自体はフェッチランドの効果によりライブラリーの彼方へと消えていきます。
○よっしーのワンポイントアドバイス
ここに書くことは独楽を使用する上で重要なプレイングです。
独楽を使用していると、上記のような独楽の除去やサイド後の《クローサの掌握/Krosan
Grip》を考える必要が出てきます。
そのため、マナに余裕があれば必ず独楽の見る能力を起動した上でその能力にレスポンスでフェッチランドを起動することをオススメします。
このプレイをするだけで、独楽を除去された時に非常に有利にゲームを進められます。
独楽自体は破壊されるかライブラリーのどこかへ行ってしまいますが、フェッチランドで新しくなったライブラリートップ3枚の並び替えが出来ます。新しい独楽を見つけたり、必要なカードを積み込む事が可能というわけです。
★《陰謀団式療法/Cabal Therapy》
最後を飾るのは、最も難しい手札破壊といわれているこの1枚です。
他の手札破壊と違い不確定な手札破壊なのですが、使い方によっては同名カードを全て落すため他の手札破壊以上の効果を期待することも可能です。
この手札破壊を使用するデッキは2パターンあります。
①
ANTのようなコンボデッキ
コンボデッキでは、もっとも警戒しなければならない《Force
of Will》等のカウンターを指定しつつ相手の手札を覗け、《ギタクシア派の調査/Gitaxian
Probe》と組み合わせれば《思考囲い/Thoughtseize》以上の活躍を期待することもできます。
②クリーチャー主体のフラッシュバックができるデッキ
このカードの強い所はクリーチャーを生贄に捧げる事で、マナを支払わずにフラッシュバックとしてキャストできる点にあります。
1度目の指定が外れたとしても、例えば生贄に捧げたいクリーチャーを生贄にする事で、ただの手札破壊としてだけでなく強力なシナジーとして使用することも可能です。
【撃たれた時の注意】
プレイの追及の前に、プレイされた時の注意点を1つ。
このカードはあくまでも呪文が通った後で、指定されてから手札を公開するカードです。
今までに指定前に手札を公開したり、指定を聞いてから打ち消そうとしているのを見たことがありますが、損をしたり間違ったプレイなので気をつけましょう。
【知識=セラピーの強さ】
自分が先手1ターン目の時はまったく情報がありませんが、それ以降は何かしらの情報があるのがMTGです。
1ターン目のアクション、置いた土地は何なのか? これだけでもかなりデッキに入っているカードを特定することが可能となっています。
○例えば
対戦相手が青絡みのフェッチランドを置いてターンを返してきたとすれば、高確率で《渦まく知識/Brainstorm》が入っているのではないかという予測が立ちます。
また、相手が《Volcanic Island》から《秘密を掘り下げる者/Delver
of Secrets》をプレイしたならデッキはRUGデルバーかURデルバー、トリコデルバーのおよそ3択まで絞ることが可能ですね。
この予測ができる知識が多ければ多いほど、相手のデッキを特定してセラピーで手札から落せる可能性が増えます。
○よっしーのワンポイントアドバイス
セラピーを使用する時に重要なのは、自分のデッキにとってどのカードを落せば良いのか?
そして、相手のデッキはどんなデッキでどんなカードが入っているのか?
この2点が最も大切だと言えるでしょう。コンボデッキで除去を落す必要はありませんし、カウンターが入ってないデッキならばライフを守れるようにクリーチャーを指定する事が必要になってきます。
レガシーの知識が増えれば増えるほどに強さを増していく手札破壊なので、使う方は是非色んな情報を見てみてくださいね。
まとめ
さて、2回に渡って6枚のカードのプレイングについて書いてきましたが、少しでも皆さんの参考になればと思います。
強力なカード達だからこそ、プレイングで差をつければそれだけゲームが有利になるのがMTGの素晴らしいところですね。
それでは、また次の記事でお会いしましょう!
それまで良いレガシーライフを!
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