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ライターレポート:GP北九州スタンダード本戦 安田真幸 
 
text by Masayuki Yasuda 

 こんにちは!

 グランプリに参加された方はどんな結果でしたでしょうか?

 参加されなかった方も、ニコニコ生放送や参加者の生の声を聞きながら楽しまれたのではないでしょうか?





 私はというと、結果から言えば会場の熱気と共に燃え尽きました・・・



 ですが、デッキを選んでそれを調整した過程に後悔はありません。

 もちろんグランプリを終えてからまだまだ改良点は見つかったのですが、それは結果論ですし負け犬の遠吠えですね。

 しかし常に改善点を探す姿勢に間違いはないと思いますので、次への反省点として生かしていきましょう(前向き)







 さて、特にドラマティックな展開も無く、淡々と勝った負けたと述べるレポートに需要は少ないかと思います。
その辺は、リュウジやりょーちんに任せましょう。

 私は本戦までどのような調整を行ったのか、その過程に重点を置いたレポートに仕上げてみました。



 ・・・決して試合内容をあまり覚えていないとかじゃないですからね!!!







 今回、本格的にデッキの決定をしたのは、GPから遡る事一週間前(遅っ!)


 いや、正確にはM14が発表されてすぐに「ジャンド」「トリコロール」「オーラバント」「赤単タッチ緑」「アリストクラッツ」といったデッキをそれぞれ試したのですが、M14の影響を受けた目新しいデッキタイプは見当たりませんでした。

 その為とりあえず新しいアーキタイプが開発されてメタが回転するまで待とう、というスタンスでいたのです。


 GP北九州までには世界選手権と海外グランプリ、二度のPTQを挟むので、おおよそのデッキはそこで固まるだろうという想定でした。
 そして数週間後「キブラーグルール」というデッキタイプが誕生し結果を残し出した為、本番のメタ予想とデッキ選択を開始します。





 普段からデッキをシェアしている友人の力を借り、メタ上にあるおおよそのデッキとのスパーリングを行いました。

 先ほど挙げたデッキに加えて「ゴルガリコントロール」「青白コントロール」といった具合です。


・まずはメインボードの先手後手で10本勝負を行い、その勝率を出す。

・ここである程度までデッキを絞り込み、サイド後の改善も無いだろうと予想されるデッキを消去。

・残ったデッキに一般的なサイドボードを施し、さらにスパーリング。

・数通りのサイドボーディングとインアウトの調整を行い、それぞれの勝率を出す。




 分担作業で二週間ほど掛けて、少しずつデッキの取捨選択を行います。

 その結果、ほんの少しですが、頭一つ抜けていたのが「グルール」と「ジャンド」でした。

 この時点でGP北九州の一週間前。


 本戦の最大勢力もおそらくこの二つになるだろうという仮定の元、ここから最終調整を行います。


  最初の決断は、自分がこのメタデッキを使用するのか、それともこの二つに強いデッキを選ぶのか、という事です。

 これはすぐに「このメタデッキを使用する」という結論に落ち着きました。

 その最大の理由は、現スタンダードが以前に比べても雑多すぎる環境であるということ。
現環境はかなり多くのデッキが存在し、それぞれが高いレベルの完成度に仕上がっています。
どのデッキを使っても一定の数字は出ていたので、特定のデッキをメタる必要は無いと考えていました。

 それゆえ、テストプレイで一番良い数字が出たデッキを使用するのが最善手であるという結論になりました。


  次の決断が、「グルール」と「ジャンド」どちらを使用するのか、という事。

 これは正直、どちらでも良いと思っていました。
数字は出ているので、後は使ってみて自分のプレイスタイルに合う方でいいんじゃないかという結論です。

 私は分担作業での調整担当がジャンドだったので、引き続き使用することに決めました。
プレイ経験が長い方を選ぶことで、プレイやサイドボーディングのミスが減るだろう、と考えたからです。


 なお友人も一人はジャンド、一人はグルールへと、自分のプレイスタイルに合わせて選択を散らせていました。


 そして最後に、デッキの課題点を洗い出し、大会に参加して実戦での微調整を行います。


 最も大きな課題は、《燃え立つ大地/Burning Earth》をどうするのか?ということです。



 その回答として導き出したのが、


直接対処
手札破壊で対処
対処され辛い生物を投入



 ①は単純な対処法、一般的には《ゴルガリの魔除け/Golgari Charm》が取られます。対コントロールの《拘留の宝球/Detention Sphere》やアリストクラッツ系への回答にもなる為、1枚以上採用することは確定していました。
 ただし対グルールに於いて燃え立つ大地以外のカードに弱く、裏目る場面も多くありました。

 ②は同型や対コントロールで明確に強いカードなので採用することは確定していました。しかし対グルールに於いてはグルール側のサイドボーディングにこのカードの強さが左右される為、最後まで悩んだサイドプランでもあります。
 グルール側がサイド後に《紅蓮の達人チャンドラ/Chandra, Pyromaster》を搭載して、中速コントロールの様な動きを取るプランならばいいのですが、ビートダウン+燃え立つ大地のプランを残していると裏目になる可能性が高い、リスキーなサイドボーディングでした。



 ③は《吸血鬼の夜鷲/Vampire Nighthawk》、或いは《解放の樹/Tree of Redemption》。



 《夜鷲》は様々なビートダウンに対しクロックにもブロッカーにもなり、ライフも得られるのでサイド候補としては最も有力でした。《解放の樹》は地上のクロックを全て止め、燃え立つ大地が出てもそこから2回程度のアクション増を計れる為、その差で勝ちきるプランとして有力でした。



 まず一週間前の8/16、BIGMAGIC日本橋店でのFNMに参加しデッキの挙動が問題無い事を確認。

 友人とサイドボードを数枚変えたジャンドで参加し、お互い2-0して最終戦で当たったのでその日は終了。



 同週末8/18、若猫杯という有志の大会にまたも数枚違いのジャンドで参加。6回戦後のシングルエリミネーションという申し分ない規模大会でした。

 デッキの調整もうまく出来ており、友人と共に順調にシングルエリミネーションを突破。

 しかし友人は準々決勝、私自身は惜しくも決勝で負けました。



 この大会結果でデッキの完成度に自信を持てたので、そのまま本戦まで駆け抜けることに決意しました。

Deck Name:Metabolic Jund
25land
4《血の墓所/Blood Crypt》
4《草むした墓/Overgrown Tomb》
4《踏み鳴らされる地/Stomping Ground》
4《根縛りの岩山/Rootbound Crag》
3《竜髑髏の山頂/Dragonskull Summit》
2《森林の墓地/Woodland Cemetery》
2《ケッシグの狼の地/Kessig Wolf Run》
1《魂の洞窟/Cavern of Souls》
1《沼/Swamp》

14creature
3《漁る軟泥/Scavenging Ooze》
4《高原の狩りの達人/Huntmaster of the Fells》
3《オリヴィア・ヴォルダーレン/Olivia Voldaren》
4《スラーグ牙/Thragtusk》

21spell
2《ヴェールのリリアナ/Liliana of the Veil》
1《情け知らずのガラク/Garruk Relentless》
2《原初の狩人、ガラク/Garruk, Primal Hunter》
2《悲劇的な過ち/Tragic Slip》
4《遥か見/Farseek》
1《戦慄掘り/Dreadbore》
2《破滅の刃/Doom Blade》
2《化膿/Putrefy》
3《忌むべき者のかがり火/Bonfire of the Damned》
2《ラクドスの復活/Rakdos’s Return》
15sideboard
3《火柱/Pillar of Flame》
2《強迫/Duress》
2《ゴルガリの魔除け/Golgari Charm》
2《吸血鬼の夜鷲/Vampire Nighthawk》
2《地下世界の人脈/Underworld Connections》
1《ヴェールのリリアナ/Liliana of the Veil》
1《オリヴィア・ヴォルダーレン/Olivia Voldaren》
1《雷口のヘルカイト/Thundermaw Hellkite》
1《ラクドスの復活/Rakdos’s Return》
 そして熱気渦巻く本戦
1185人参加のスイスラウンド9回戦+6回戦後、TOP8。

結果は



1回戦 BYE

2回戦 BYE




BYEの間に食事を済ませ、体と心の準備を済ませます。



3回戦 トリコトラフト ○×○


なんと先日の若猫杯でも当たった、見知った友人でした。
和気藹々と、しかし真剣に戦い、勝ちを拾いました。


3-0



4回戦 キブラーグルール ○××

早速仮想敵との対戦です。

初戦は取るものの、サイド後の強迫プランニングがここで裏目に出ます。
サイド後にもビートダウン+燃え立つ大地で蓋をされ、二連続でGAMEを落としてしまいした。



3-1


5回戦 赤黒白コントロール ×○○

オロスカラーの除去コントロールとの対戦です。

GAME1はソリンを対処できず、ライフが果てしなく遠くなったので投了。
サイド後はこちらの《ラクドスの復活/Rakdos’s Return》が相手の手札とPWをなぎ払って勝ち。

コントロール同型における《ラクドスの復活/Rakdos’s Return》は勝負を決める一枚になるので、打つタイミングが非常に難しいです。



4-1








6回戦 白青ビートダウン ×○×

1〜3マナの人間・兵士・騎士クリーチャーで押してくるデッキです。

GAME1は除去が間に合わず負け。

GAME2はかがり火でなぎ払って勝ち。

GAME3はかがり火2発に《精霊への挑戦/Brave the Elements》を合わせられて負けました。

決して苦手なマッチアップでない分、負けたのが悔しかったです。
しかしそれもマジック!



4-2





7回戦 黒緑赤ビートダウン ○○

GAME1、2共に全ての生物をシャットダウンしました。

除去コントロールの本領をここで発揮ですね、中速ビートダウン相手には無類の強さを誇るのがジャンドというデッキです。



5-2





8回戦 キブラーグルール ○××

ここが正念場。

初戦は取るものの、サイド後GAME2に燃え立つ大地を2枚、GAME3に3枚重ね張りされ、完全に圧殺されてしまいました。

ここで二日目進出は目無しとなりました。

マッチが終わって「バーニングアースで俺の北九州もバーニングっ・・!」とつまらないこと考えながらしばらく放心状態でした。



5-3





9回戦 居住バント ○○

MOのプレミアイベントでTrioskこと市川が使用していた「The Sun」というデッキですね。

《オリヴィア・ヴォルダーレン/Olivia Voldaren》が全てをなぎ払って勝ちました。



6-3





************





終わった瞬間は調整不足だった自分を呪いましたが、それは既に過ぎ去った過去。反省はしても後悔はしない、切り替えが大事というのが自分のモットーです。

小倉の夜街で旨い焼肉を食べ、翌日のレガシー選手権へ向けて覇気を補給します。


しかし翌日、3戦連続でコンボ(ベルチャー、ベルチャー、グリセルストーム)を踏んで合計10ターンも掛からず泡を吹いて倒れた奴が居たとか居なかったとか・・・
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