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くーやんの店舗スタッフ入門 第1回「フェイクを見極めろ!」 
 
text by Kyohei Kusakabe


 みなさんこんにちは!BIGMAGIC池袋店の副店長にしてBIGMAGICグループのMTGマネージャーを務めております日下部恭平です。
 普段はMagic Onlineを中心にスタンダード、モダン、レガシーと全てのフォーマットをプレイしていて各地のPTQなどにも積極的に参加しています!

 今年のワールドマジックカップに日本代表で出ていたので知ってくれている方もいるかも知れませんが普段からみなさんに「くーやん」と呼ばれておりますのでどこかで見かけたらぜひくーやんと気軽に声をかけて下さいね。

 前置きが少々長くなってしまいましたがここに書くことは所謂「戦略記事」や「デッキの考察記事」ではありません。
そんなものはたくさんいる僕よりも上手い人たちに任せておきましょう!

 ここでは長年MTGに「販売」という皆さんと違った側面で関わってきた僕ならではの知識や裏話なんかを(そんなに大それた話はないですが)書いていこうかなと思います。

というわけでまずはこちらの写真をご覧ください




 さてこの写真を見て何か感じましたか?

 「高額カードのデュアルランドだ!」、「なんだ白枠か~黒枠にしか興味無いんだよな~。」
等々人によって思うことは様々だと思いますが、実はこの写真のいくつかは精巧に作られた「偽物」です。




チェックが入っているカードが偽物です

 どちらが偽物かわかりましたか?
 写真ではかなり分かりにくいですが実物を見ると普段レガシーなどをプレイしていてデュアルランドを実際に手にしている方々は見分けがつく方もいると思います。
 ですが最近始めた方や、まだデュアルランドを持っていない、あるいはこれから手に入れたいと思っている方は本物を見たことがない方もいると思うので見分けるのは困難でしょう。


(編集注:これらの偽物は真偽鑑定用のサンプルとしてのみ保存しています。実際のプレイで使用したり、販売することは出来ません。また、販売や詐欺を目的とした偽造カードの作成、販売は法令で禁止されている行為にあたります)



 ということでまたまた前置きが長くなってしまいましたが記念すべき第一回目はMTGの偽物カードについて初心者の方でも覚えられるような簡単な見分け方を含めて書いていこうと思います。



~第1回「フェイクを見極めろ!」~



■「MTGの偽物カード」ってどのくらいあるの?
 まず最初に日本では偽物の数はかなり少ないです。

 そのほとんどがデュアルランドやパワー9のような高額なものですので、スタンダードなどのカードは恐らく0だと思われます。

 具体的なデータは無いので感覚的な話ではありますが一年に1~2回見かける程度です。

 買い取りに持ってきた方にお話を伺ってみるとそのほとんどがGP会場でトレードしたものやオークションで落札された物です。


 ただし悪意があるか無いかは別にして(無いとは思いますが)、実際に他のお店で販売されているのを見たこともあります。

 中には「とある店で一等のクジで当たったのに・・・」という方もいらっしゃいました。

 けっして多くはないのですが「絶対に安心」とは言い切れないのでやはり簡単な見分け方を知っておくほうが良いですね。

 悲しいことですが市場にごくわずかでも「偽物」が流れてしまっている以上出来る限りの知識は身につけておくべきなのです。




■その1「カードの側面を見てみよう」
 MTGのカードは全てカードの側面が白くカードの真ん中に青い紙がはいっています。

 虫メガネなどで見ると簡単に判別出来るのですがそんなもの持ってないという方のためにより簡単な方法があります。

 まずは適当な未開封パックを開けてみましょう。

 そしてその中の真ん中あたりにデュアルランドを入れて横から見てみましょう。






 本物は全て白いのでどれがデュアルランドか区別できないですが偽物はあきらかに色が黒くまた厚みも他のカードよりも違うことが良く分かります。(上が正規品のみの束、下が偽造品が混ざった束)

 ただし偽物でも本物でもカードの状態が悪いと横が黒くなってしまっている場合があり、この方法では判別が困難な場合があります。




■その2「上下をくっつけてみよう」
 さて実際、既にデュアルランドを持っているけれど手元にあるものが本物かどうか分からないと不安になってしまった方もいるかもしれません。

 そんなすでにデュアルランドをお持ちの方に紹介する方法です。

 簡単に見分けられますがその方法があまりに手荒いためショップやトレード成立前にやるとあまりよろしくないのであくまで「こんな見分け方もある」程度に覚えておいてください。

 ではタイトル通り写真のように曲げてみましょう




*注意:個人で実際にカードを曲げる場合は自己責任でお願いします。

 さて手を放してカードを元に戻してみましょう。お手元のカードはどうなりましたか?

 MTGのカードは非常に柔軟性があるので本物なら元通りになります。

 しかしそれがフェイクだった場合は紙の質や素材が違うので本物と同じ具合に曲げた場合でも写真のように折れ目がついてしまいます。



 偽物だった場合の悲しみは計り知れないでしょう・・・

 先にも述べましたがカードに直接圧をかける方法なので自分のカード以外ではやらないようにしましょう。

 先ほど紹介した側面を見る方法でカードが汚れていてわからないなんて時に有効な方法です。




■ その3「光を当ててみよう」



 MTGのカードは蛍光インクで印刷がなされているようで「ブラックライト」を暗い所で照射するときちんと光ります。

 偽物はあきらかに違う光り方をしたり光らなかったりするのでこの方法でも簡単に見分けがつくでしょう。

 一応アルターネイト4thという特殊なセットだけは光らないのですがデュアルランドやパワー9が収録されていないセットなのであまり気にする必要は無いと思います。

 ここまで書きましたが「ブラックライトなんてもってないよ!」って方が大多数だと思うので光を使ったさらに簡単な方法も紹介しておきます。

 みなさんのすぐ近くにあるであろう携帯電話を使った方法になります。

 恐らくほぼすべての携帯電話にはカメラ機能があり暗闇で撮影する用のライトモードやライトになるアプリなどがあると思います。

 まずはそのモードにします。

 あとはその状態でカードと光っている部分を密着させるだけです。

 本物だと・・・



 このように光はカードを突き抜けて観察することが出来ますね。ついでに真ん中に青い紙があるのも確認できます。

しかし偽物だと・・・




紙質が違うため光はまったく届かない・・・

この方法はスリーブに入った状態でも行えるため非常にお手軽に出来て簡単な方法です。

 以上紹介した3つの方法を使えば白枠デュアルランドは恐らくほぼ100%判別出来ると思われますが、パワー9の場合だとその2とその3の方法では判別がつきにくい「CEフェイク」と言われるようなものもありますので過信は出来ません。

 他にも色々インクの臭いで判別したりなど上級者向けの方法もあります。


 さて長々と紹介してきましたが最後に言えることはもしトレードなどをしていて何か違和感を感じたらやめておくのが一番良いと思います。



 オークションやトレードもいいですがやはり信頼できるショップを見つけてそこで買うのが一番手堅い安全な方法だと思います。


 これからデュアルランドなどに手を出してみようと思っていた方々に少しでも役に立てたら幸いです。


 それでは次回もまたこんな感じで普段みなさんがあまり考えないようなことを記事にしていけたらなと思います。


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