さよならエクテン~Past
in Flame~
7月16日夏、公式フォーマットからExtendedの卒業が発表された。
始まりはレガシーフォーマットの先駆けとして、最終的には大幅なカードプールの縮小を経て、モダンにその役割のバトンタッチを果たした後である。
何故この今更な話題を取り上げようと思ったのか?
それは、私とBIGMAGICを繋いだのがこのフォーマットだからである。
BMと私を繋いだ思い出のデッキを振り返ろう。
時は遡り、2007年12月。
私がMTGを始めて一年弱、少しずつではあるが友人も増え試合にも勝てるようになり、MTGがどんどん楽しくなってきた頃、年度末に開催されるFinalsというイベントの招待権利を獲得できた。
そのフォーマットは、スタンダードとエクテンの複合フォーマット。
経験も知識も、ましてやデッキを考えたことも組んだこともないフォーマット。右も左もわからない私が助けを求めたのが、GP京都のディーラーブースとして出店していたBM(当時の店名はカードショップDEN)だった。
ここで先日リミテッド記事を掲載した八尾さんと、今も良くしていただいているスタッフさんに出会い、彼らが組み上げた非常に面白いデッキをシェアしてもらい、Finals本戦でオリジナリティ溢れるデッキとしてフィーチャーされたのだ。
残念ながらFilals2007のホームページは削除されてしまった様なので、その思い出のデッキ「GO!八尾ドラゴン」を紹介しておきたい。
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Deck
Name:GO!八尾ドラゴン(Extended
ONS~LRW) |
19land
4《血染めのぬかるみ/Bloodstained
Mire》
3《汚染された三角州/Polluted Delta》
4《血の墓所/Blood Crypt》
1《草むした墓/Overgrown Tomb》
1《蒸気孔/Steam Vents》
1《踏み鳴らされる地/Stomping Ground》
1《硫黄泉/Sulfurous Springs》
1《偶像の石塚/Graven Cairns》
1《湿った墓/Watery Grave》
1《沼/Swamp》
1《山/Mountain》
11creature
3《朽ちゆくインプ/Putrid
Imp》
2《憤怒/Anger》
2《帰ってきた刃の翼/Bladewing the
Risen》
2《ドラゴンの暴君/Dragon Tyrant》
1《ニコル・ボーラス/Nicol Bolas》
1《ボガーダンのヘルカイト/Bogardan
Hellkite》
30spell
4《金属モックス/Chrome Mox》
4《強迫/Duress》
4《陰謀団式療法/Cabal Therapy》
4《御霊の復讐/Goryo's Vengeance》
1《生/死/Life/Death》
3《生き埋め/Buried Alive》
3《汚れた契約/Tainted Pact》
4《燃え立つ願い/Burning Wish》
1《引き裂かれた記憶/Shred Memory》
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15sideboard
4《紅蓮地獄/Pyroclasm》
3《トーモッドの墓所/Tormod's Crypt》
2《真髄の針/Pithing Needle》
1《生/死/Life/Death》
1《生き埋め/Buried Alive》
1《外殻貫通/Hull Breach》
1《滅び/Damnation》
1《破壊放題/Shattering Spree》
1《すべてを護るもの、母聖樹/Boseiju,
Who Shelters All》
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《生き埋め/Buried Alive》て、釣る。
捨てて、釣る。
解説、以上!!!
違う、使い方なんかじゃないんです。
このデッキには漢の浪漫が詰まっているんです。
先手2Tにニコルシュートを歴伝デッキに決めたり
後手3ターン目にZooのサバンナライオン、闇の腹心、渋面の溶岩使い×2ってブン回りを《ボガーダンのヘルカイト/Bogardan
Hellkite》で焼殺したり
残りライフ2対20から一撃で20点削ったり
これら全て、本戦にて決めたコンボです。
このデッキを貸して回してみた人全員に「きもちいい・・・」と言わしめた、その爽快感。
でっかいドラゴンで一撃必殺する様は、マジックを始めた頃の、そう例えば甲鱗のワームで相手を殴り殺したあの頃のときめき感を思い出させてくれた・・・
あの頃の思いを忘れた貴方に、是非お勧めしたい。それがこのデッキ、「GO!八尾ドラゴン」・・・
さてここからが今回の本題
覇気を身に纏え~Mental
Miss Step~
今回は構築記事とは一風違ったお話。
マジックにおける精神論について考察をしてみよう。
(*ここから先には論理的で無い内容が多数含まれています。ご理解のある方のみ閲覧ください)
マジックは対人と勝ち負けを競う、対戦競技である。
もちろんメタゲームの予想やデッキ選択と構築力、そして最善手を選び続けるプレイングという、本当の実力が試される部分が多い。
しかし対人ゲームである以上、そこには互いの思惑が交錯し、思わぬ事態が起こることもある。
時には相手のブラフに惑わされることもある。
大きい舞台ならばプレッシャーもかかるし緊張もするだろう。
人間である以上、ミスも必ずしてしまう。ミスの無い人間など存在しないのだ。
これら負の要素が起こったとき、人は「相手の気に飲み込まれてしまった」「今日は何かに憑かれている」「風水が・・・」「反対側に座っていればな・・・」などと、おおよそ論理的でない方向へ結論を持っていきがちだ。
また逆も言える。トップデッキの連発で勝った後、デッキ相性が良い相手に当たり続けた後、とかく強気になりがちだ。
「今日は勝ってるから」「俺なら大丈夫だろう」。誰もが一度は思ったことがあるのではないだろうか?
これらは総じて『ティルト』と呼ばれる。
ではどのようにすれば、このティルトから遠ざかれるのか?
先に簡単な結論を申し上げると、それが私の言う“覇気”を身に付けることである。
まず、こんなシチュエーションから想像してみてほしい。
Q:グランプリで開幕から3連勝!次の対戦相手はBYE明けの有名プロプレイヤーでした。しかもフィーチャーテーブルに呼ばれて公式カバレッジに載るそうです。今の心境は?
A1:よっしゃ、しばいたる!
A2:カバレッジとか心臓バクバクやで、プロ相手やし負けそう…
さて、皆さんはどちらだろうか。
私は実際のグランプリで、似た状況が二度起こり、二度とも後者の立場だった。
一度目はグランプリ京都2007。初めて参加したグランプリで、ブログで見つけた有名なプロプレイヤーのデッキをコピーして臨んだ。
しかし初心者ながらにあれよあれよと三連勝、そしてその4回戦、偶然にもデッキをコピーさせていただいたプロ本人に当たったのだ。
その時の緊張感と「勝てるわけないよ」という根拠の無い絶望感は今でも覚えている。
二度目はグランプリ横浜2009、直前GPTで幸運にも3BYEを手に入れた私は、試合開始を心待ちにしていた。
そしてペアリングの発表、対戦相手は超有名プロプレイヤー。しかも無情に告げられるフィーチャーマッチの通告。
対戦中のことはほとんど覚えていない。
ただとんでもないミスをして負けたということ、「あんなに心臓バクバクした試合は初めて」という記憶だけだ。
もしこのとき私がA1の心情で臨めていたら、どうなっていただろう?少しは違う結果になっていたと、そう思わずにはいられない。
さて、このシチュエーション、キーワードは『平常心』と『自信』である。
・平常心であること
常に正しい判断を行う、これは試合において最も基本的な事であり、最も難しいことでもある。その大前提となるのが冷静さであり平常心。
例えば先ほどのような慣れない舞台に立った時、大事な判断の場面で大きなミスをしてしまった時、この緊張感や焦燥感によって平常心から大きくブレた感情が自分を支配してしまうだろう。典型的な「負のティルト」に巻き込まれた状態だ。
このブレを少しでも早く減らす為に、或いはブレそのものを小さくする為に必要なものが『自信』だ。
・ 自信を持つこと
グランプリやプロツアー予選、或いは身近な大会に向けて、皆さんは練習を積み重ねているだろう。練習を積むことは正しいプレイを身に付けるという面でも大事だが、自分の判断に自信を持たせるという側面もある。
ある局面におけるその判断が正しかったかそうでなかったか、それは結果論だが、自信を持って指した一手ならば、例え裏目に陥ったとしてもその結果に自分自身が納得できるだろう。納得できれば焦燥感に駆られることも無いし、冷静さを欠くことも無い。
・ あなたは自分のデッキに自信がありますか?
・ あなたは自分のプレイングに自信がありますか?
誰も見ていないので心の中で叫んでみて欲しい。
あると叫んだ方は、非常に良い心構えである。是非これからもその自信を持ち続けていただきたい。
一方無いと答えた方は、試合前のから負のティルトに陥ってる可能性がある。
自信を伴わないプレイングは試合中に迷いを呼び、迷いが一貫性の無いプレイを呼び、一貫性の無さがミスプレイを呼び、ミスプレイがさらなる自信喪失へと繋がる。
負のスパイラルを断ち切ろう! 根拠が無くてもいい(あればなお良いが)、迷いのない自信を持ったプレイングを行うのだ。
ミスに気付いたら、反省する前に開き直って次の最善手を考える。
(試合後指摘されたミスは謙虚に受け止めましょう。)
後悔するのは負けてからでいいのだ。
マジックは人と人が戦うゲーム。
誰だって緊張するし、ミスもする。雰囲気に飲まれる事もあれば、冷静な判断が出来ないこともある。
それはプロ棋士でも、プロ野球選手であろうと、同じことだ。
纏めてみよう
『自信』がある、それだけで
・冷静になれる
・状況判断の正確さが増す
・正しいプレイが行える
・ミスの早期発見に繋がる
・リカバリーが早くなる
・相手に飲まれない
・むしろ相手が飲まれてくれるかもしれない
こんなメリットが出てくる。
それらの自信を絶対的なものにする自己暗示。
それが私の言う“覇気”なのだ。
つまり覇気とは心の在り方。
決して驕らず、相手を威圧することなく、されど自信を持ち、良い悪いあらゆる状況を受け入れる心の準備をする。
を身に付けるために、
まずは感謝を込めて一万ドロー!
そして感謝の一万回マリガンだ!
最後に、この名言を贈ろう
「負けると思ったら負ける 自分を信じることから始めるんだ!」
By Str●et Figth●r IV リ●ウ
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