突然だが、マジックの競技人口は年々増えていっているように感じる。トレーディングカードゲーム自体が以前とは比べ物にならない規模で遊ばれるようになった。その結果、トレーディングカードゲームの始祖であるマジックに興味を持つようになる人の数が圧倒的に増えたのだろう。世界のあちこちで大規模なGPが行われ、ついには映画化の話まで出てきたくらいだ。
さて、それら増える一方なプレイヤー達を支えてくれるのがジャッジである。トーナメントの進行になくてはならない存在であるジャッジへの「褒賞」がこれから紹介するプロモ達だ。今回は、ジャッジ褒賞が真に褒賞と呼べるレベルのものであることを実感できる豪華なカードのオンパレードだ。
2009/06/05
樹木茂る山麓
出た、フェッチランド!この「オンスロート」のレア土地、言うまでもないレベルの優良レアカードが新枠のFoilとなってジャッジに配布されたのだ。配布された大会は前回紹介した《もみ消し》と同じくPTホノルルである。ホノルル、豪華すぎるぞ。
吹きさらしの荒野
え?さらにもう1枚?ということでこのプレミアイベントはジャッジにとってもプレミアそのものの大会となった訳だ。さらにはこれらの2枚が登場したことで、このサイクルが全てプロモになることが確定したようなものだ。コレクター達も狂喜乱舞していたのを覚えている。
2009/10/16
適者生存
元はバイオレンス溢れるイラストだった、名カード中の名カード。このプロモでは優しく柔らかい素敵なイラストとして生まれ変わっての登場だ。配布されたのはPTオースティン。
溢れかえる岸辺
さらに、オースティンでもサービスタイムは継続となった。念願の青絡みのフェッチランドの登場である。イラストはそのままでも、新枠Foilとなることで大きくその印象は変わるものだ。
2009/11/19
汚染された三角州
世界選手権2009にて、フェッチの親玉とも言える1枚がその姿を現した。これぞプロモの中のプロモ、プロモの王者と言っても過言ではない。至高の1枚だ。
2009/?
血染めのぬかるみ
紹介は1番最後になったが、このフェッチランドもしっかりとプロモ化されている。問題は配布時期がハッキリしないことだ。筆者の記憶では《汚染された三角州》が最後に出たように覚えている。まあ詳しくはお近くのベテランジャッジに聞いてみよう!
2010/3/20
ファイレクシアン・ドレッドノート
GP横浜がもう4年近くも前の話とは驚きだ。このGPでお披露目となったプロモがこの1マナでパワー12のバケモノ。イラストに変更はなかったが、白銀のボディはインパクト満点だ。
自然の秩序
同GPで配布されたのが、同じくレガシーで活躍する1枚である「ナチュラルオーダー」。こちらもイラストはそのままだが、初のFoil化というのはFoil愛好家にとっては何よりも大きいことなのだ。
2010/06/05
Thawing Glaciers
プロモとは、その実旧カードFoil化計画と言ってしまっても良い。「アライアンス」から時を超えて、新イラスト・新枠・初Foilとなって名カードが帰ってきた。ファンは次に何が来るか?といったことを考えながらワクワク待っているのである。配布開始はGP仙台から。2010年は日本とジャッジ褒賞の縁が強い年だったのだ。
土地税
同じく初お目見えはGP仙台。出た当初は活躍の場があまりなく、地味な印象が強かった。しかし後にレガシーで解禁されると同時に、その価値は跳ね上がることとなった。プロモ化されているカードは解禁されやすい、という一種の「フラグ」として受け止めても良いのだろうか?
2010/09/03
Wheel of Fortune
PTアムステルダムにて配布された1枚。こちらも禁止・制限の代表格といった1枚ではあるが、この頃から流行が本格的になったEDH・統率者戦では現役バリバリの1枚である。勿論初のFoil化であり、今後再録することは有り得ないため、その価値は永久に保証された1枚だと言えるだろう。
不毛の大地
2009年のフェッチランド祭りに比べて少し大人しくなったか?と思われた2010年だが、しっかりと隠し玉が存在していた。ちょうどレガシーブームは全盛期、海外では2000人規模のGPが開かれるほどであった。そこで市場から姿を消しつつあったのがこの《不毛の大地》。より多くの人に行き渡るようにという意図もあったのだろう。プレイヤー褒賞に続いて2度目のプロモ化である。今度は新規イラストに新枠だ。
2010/12/09
変異種
2010年のプロモで焦点となったのは、「再録禁止」との戦いである。2010年、再版ポリシーというものが改定された年である。再録禁止カードは、通常のエキスパンションセットには含まれない形での、Foilでの再版のみはOKというルールがあった。これにより、ジャッジ褒賞となった《ヨーグモスの意志》が存在したわけだが、その「裏ワザ」的ルールの抜け穴はどうなのか?これが進めば再録禁止が形骸化してしまうのではないか?という問題が生じていた。これを打破するため「再録禁止カードは2010年をもって、プロモとしての再版も永久に禁止とし、また完全同型再版も禁止とする」というようにポリシーが改定された。そのため、この年のジャッジ褒賞の中には、再録禁止カードが最後のチャンスを掴んでFoil化されているものもある。この青い悪魔《変異種》も同じであり、おそらくはウィザーズが時代を象徴するこの1枚への思いを込めた上でのプロモなのだろう。2010年を締めくくる、世界選手権で配布されることとなった。
Sinkhole
こちらはうって変って、元再録禁止組で今はフリーの身となっている1枚だ。とは言え、旧時代特有のイカれたカードパワーのため、実質的に再録は永遠にないだろう。最後の再録禁止組とすれ違う形で登場しているのはなかなかに印象的である。
今日の紹介はここまで。今までこのコーナーをやってきて、一番豪華な回であることには間違いない。今後これを超えるオールスター回というのもちょっと考えられないが、それでもトリビアを交えたりして頑張ってやっていきたいと思うので、これからもお付き合いください。というわけで、また来週!
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