そもそもこのプロモアーカイブを始めた経緯を、改めて振り返ってみたい。突然で申し訳ないが、付き合ってほしい。
僕はマジックに関わる仕事をするようになって、最初に困り、それからしばらく困り続けたのが、プロモカードの存在だ。これは一体何のプロモなのか?まずそこがわからなければ、ソート(整理)することも管理することも出来ない。何よりも、マジックが好きで人一倍マジックのことを調べたりしているのに、まだ知らないものがあるのは悔しいことこの上なかった。悔しさは人を動かす。
僕は日本国内でまだプロモカードが詳細と画像で載せられているデータベースを見たことがなかった。それがあればこんな思いもしなかったのに!ないのなら…自分で作ってしまおう。ついでにプロモの勉強・復習も出来るし、その副産物がどこかの誰かの小さな疑問を解消するものになってくれれば、これほどの喜びもないだろう…という訳で当コラムを始めたのだった。
特に勉強不足だった頃の僕を苦しめたのが、今一つ何かよくわからなかった「WPNゲートウェイ」というものだった。これの詳細は以前のもの(リンク)を確認してもらいたい。今回もこの地味だが確実に存在するキラリと光る連中を紹介したいと思う。
2009
マリーシの双子爪
前回は「コンフラックス」時に配布されたプロモまでを紹介した。今回は2009年中盤、「アラーラ再誕」のプロモから紹介して行こう。セットを代表するギミックである、混成マルチカラーのアンコモンがプロモに抜擢されている。
ボーラスの奴隷
前回までと同様、WPNゲートウェイは1セットにつき2枚のプロモが登場している。こちらは《マリーシの双子爪》とは対極のカラーの混成マルチカラーの1枚が選ばれている。
精神の制御
時代も流れ、基本セットも生まれ変わった。「M10」からも勿論プロモが登場した。こちらは、製品版のインパクト満点なグロテスクなイラストから一転、ステンドグラス調の鮮やかなイラストとなった《精神の制御》だ。
墓場からの復活
《精神の制御》とは逆に、製品版よりもインパクト満点グロテスクな1枚になったのがこの《墓場からの復活》だ。このプロモシリーズは2枚の退避を見比べるのも楽しい。
コーの決闘者
ここからは「ゼンディカー」シーズン、選ばれたのはゼンディカーで復活した種族、コーからこの1枚。このカードのような渋いデッキの核になるタイプのカードのプロモというのは、デッキビルダーにとっては嬉しいものである。
吸血鬼の夜鷲
「ゼンディカー」を代表するアンコモンと言えば?これだろう。それがしっかりとプロモになっているのは嬉しい。製品版よりもワイルドな雰囲気の漂う1枚に仕上がっている。
2010
コーの火歩き
この時期、何度このプロモを出されて苦しんだことか…「ゼンディカー」と同じくコー族の強力なアンコモン・サイド要員が「ワールドウェイク」より登場だ。
皮背のベイロス
同じく「ワールドウェイク」から、シンプルなクリーチャーがプロモに。個人的には製品版よりこちらのベイロスがカワイイので好きなのである。
吸心
このタイミングでこの「オンスロート」のカードが謎のプロモ化…何故か?これは恐らく、この時期に流行りが1つのピークを迎えていた「EDH(エルダードラゴンハイランダー)」を意識したものだろう。EDHで定番の1枚であるこのカードをプロモとして配布したのは、翌年に発売される「統率者」への伏線だったのかもしれないね。これからもこういった謎のプロモには要注目だ。
ウラモグの道滅ぼし
満を持して掟破りの第3大型セット「エルドラージ覚醒」が登場。そこからプロモとなったのは、3大エルドラージの1体であるウラモグの系譜のこの1枚。コミックでジェイスが対峙したエルドラージとよく似た、危険な雰囲気の漂う1枚となっている。
魔術の呪い
えー。このカードははっきり言って弱い。確かに全てのプレイヤーに影響を及ぼすので、先の《吸心》のようにEDHを意識したものかもしれない。それでも弱い、弱いが…だからこそ、このカードがプロモになるにはここしかない!ということでゲートウェイに抜擢されたのではないだろうか。いずれにせよ、コンプリート狙いのコレクターには集めなければならない1枚である。
今回の紹介で「初めて見た」というプロモも少なからずあったことだろう。店舗で配布しているものにも関わらず、知らないカードがある。これにイベントや褒賞やゲームやコミックが絡んでくるともう…頑張って紹介して行きます。ということで、また次回!
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