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高暢秀『モダンシーズンに向けたデッキのおさらい』 
 
こんにちは、高暢秀です。どうぞよろしくお願いします。

今回の記事はモダンについて。


モダンは次のPTQシーズンや8月に行われるGP神戸のフォーマットでもあるため各地でも人気の高いフォーマットとなっている。そんなモダンだがその膨大なカードプールが人気の秘訣だ。かつてのパワーカード達をつめこんだデッキを作るもよし、いくつものエキスパンションを超えたカード同士で生まれる新しいコンボデッキを作るもよし、いつかのスタンダードで存在したデッキをアップデートするもよし。

この様にさまざまなデッキの可能性を示してくれるのがこのモダンなのだ。筆者も大好きだったフェアリーをもう一度プレイできて本当に楽しい。(成績については聞かないでほしい・・・本当に最近のカードは強い・・・)

そんなモダンだがいろんなデッキがあれどやはりそこにメタゲームは存在する。デッキを作るからには勝ちたいと思う人がたくさんいると思われるのでそんな人のためにメタ内の主要デッキのおさらいとそれらのデッキに対する有効な対策カードを紹介していこう。


・モダン四天王
筆者が個人的にモダンの中でもとりわけ強力だと感じている4つのデッキがある。まずはそれらから紹介していこう。


1.双子
双子デッキとは《欠片の双子》と《やっかい児》もしくは《詐欺師の総督》のコンボを含んだデッキを指す。
双子デッキといっても純正の青赤バージョン、タルモゴイフなどを加えたタルモツインなどがある。まずは純正の青赤バージョンから。
sample deck
land
5《島/Island》
2《山/Mountain》
2《蒸気孔/Steam Vents》
1《踏み鳴らされる地/Stomping Ground》
3《霧深い雨林/Misty Rainforest》
4《沸騰する小湖/Scalding Tarn》
4《硫黄の滝/Sulfur Falls》
1《僻地の灯台/Desolate Lighthouse》
1《地盤の際/Tectonic Edge》

creature
4《瞬唱の魔道士/Snapcaster Mage》
1《呪文滑り/Spellskite》
3《詐欺師の総督/Deceiver Exarch》
3《やっかい児/Pestermite》
2《ヴェンディリオン三人衆/Vendilion Clique》
1《鏡割りのキキジキ/Kiki-Jiki, Mirror Breaker》

spell
4《稲妻/Lightning Bolt》
4《血清の幻視/Serum Visions》
1《払拭/Dispel》
1《呪文嵌め/Spell Snare》
1《ギタクシア派の調査/Gitaxian Probe》
3《差し戻し/Remand》
1《イゼットの魔除け/Izzet Charm》
2《電解/Electrolyze》
2《謎めいた命令/Cryptic Command》
4《欠片の双子/Splinter Twin》
15sideboard
3《古えの遺恨/Ancient Grudge》
2《渋面の溶岩使い/Grim Lavamancer》
2《炎の斬りつけ/Flame Slash》
2《血染めの月/Blood Moon》
2《大祖始の遺産/Relic of Progenitus》
2《殴打頭蓋/Batterskull》
1《払拭/Dispel》
1《不忠の糸/Threads of Disloyalty》
少し前までは双子デッキはまれに《ヴェンディリオン三人衆》で勝つこともあるが基本的には双子コンボを決めて勝利するデッキだった。しかし今ではクリーチャーを多めに採用し《謎めいた命令》や《稲妻》、《瞬唱の魔道士》などを採用したクロックパーミッション風のデッキに仕上がってる。

では、ビートで勝つのとコンボを決めて勝つのではどっちが多いだろうか。筆者が使用した感想では意外かもしれないがビートで勝つことのほうが多かった。

これはビートの要素を取り入れた分相手の妨害カードに対する防御カードを減らしたため安全にコンボを決めに行くことが難しくなったからだ。そうは言っても《ヴェンディリオン三人衆》で前方確認からコンボを決めたり、相手がこちらのクロックに対処するために隙を見せた瞬間に決めに行くこともできるため相対したときは非常に対処しづらいデッキになっている。このビートプランの要素をより強めたのがタルモツインだ。
sample deck
land
2《島/Island》
1《山/Mountain》
1《森/Forest》
3《蒸気孔/Steam Vents》
2《硫黄の滝/Sulfur Falls》
1《繁殖池/Breeding Pool》
2《内陸の湾港/Hinterland Harbor》
1《踏み鳴らされる地/Stomping Ground》
4《沸騰する小湖/Scalding Tarn》
4《霧深い雨林/Misty Rainforest》

creature
4《タルモゴイフ/Tarmogoyf》
2《漁る軟泥/Scavenging Ooze》
4《瞬唱の魔道士/Snapcaster Mage》
3《詐欺師の総督/Deceiver Exarch》
3《やっかい児/Pestermite》

spell
2《ギタクシア派の調査/Gitaxian Probe》
4《稲妻/Lightning Bolt》
4《血清の幻視/Serum Visions》
2《炎の斬りつけ/Flame Slash》
4《差し戻し/Remand》
1《電解/Electrolyze》
4《欠片の双子/Splinter Twin》
2《謎めいた命令/Cryptic Command》
15sideboard
1《漁る軟泥/Scavenging Ooze》
1《呪文滑り/Spellskite》
1《払拭/Dispel》
1《自然の要求/Nature's Claim》
1《焼却/Combust》
1《否認/Negate》
1《対抗変転/Counterflux》
1《四肢切断/Dismember》
1《仕組まれた爆薬/Engineered Explosives》
1《饗宴と飢餓の剣/Sword of Feast and Famine》
1《殴打頭蓋/Batterskull》
2《古えの遺恨/Ancient Grudge》
2《神々の憤怒/Anger of the Gods》
緑を加えたことで(純正青赤の方もサイドボードの《古えの遺恨》のために若干緑を含んでいる。)優秀なビートダウンカードである《タルモゴイフ》、《漁る軟泥》を手に入れた。

こうなるとコンボで勝つことはより一層減る。それどころかサイドボード後ではコンボパーツをサイドアウトしてしまうことすらある。

では、こんな双子デッキに対する有効な対策カードを紹介していこう。



《焼却》
コンボパーツのうちの《やっかい児》、《詐欺師の総督》を確実に処理しようというのだ。様々な除去が環境には存在するがその中でも《焼却》の優れている点は確実性にある。カウンターに邪魔されないのももちろんだが双子デッキは《呪文滑り》を採用していることが多くこれを用いて除去から守っている。

多くの除去は《呪文滑り》で邪魔されてしまうが《焼却》は邪魔されない点が優れている。


《倦怠の宝珠》
双子コンボを妨害できるだけでなく《瞬唱の魔道士》、《ヴェンディリオン三人衆》の能力まで妨害できる優秀なカード。また各種除去と違って構える必要がない点も優れている。

ただ効果が自軍にも及ぶためそこには注意が必要だ。







2. ストーム

モダン四天王2つ目のデッキはまたもや青赤のデッキだがストームだ。ストームは昔からたくさんのカードを禁止カードに指定されながらもしぶとく残っているデッキだ。
sample deck
land
3《島/Island》
1《山/Mountain》
3《蒸気孔/Steam Vents》
3《シヴの浅瀬/Shivan Reef》
4《沸騰する小湖/Scalding Tarn》
2《霧深い雨林/Misty Rainforest》

creature
4《ゴブリンの電術師/Goblin Electromancer》

spell
3《信仰無き物あさり/Faithless Looting》
3《捨て身の狂乱/Desperate Ravings》
3《炎の中の過去/Past in Flames》
3《ぶどう弾/Grapeshot》
4《発熱の儀式/Pyretic Ritual》
4《捨て身の儀式/Desperate Ritual》
4《血清の幻視/Serum Visions》
4《手練/Sleight of Hand》
4《ギタクシア派の調査/Gitaxian Probe》
4《魔力変/Manamorphose》
4《紅蓮術士の昇天/Pyromancer Ascension》
15sideboard
2《残響する真実/Echoing Truth》
3《巣穴からの総出/Empty the Warrens》
2《防御の光網/Defense Grid》
4《稲妻/Lightning Bolt》
2《白鳥の歌/Swan Song》
2《粉砕の嵐/Shatterstorm》
《発熱の儀式》、《捨て身の儀式》を用いてマナブーストしてドローがドローを呼び《炎の中の過去》で再利用。最後はすさまじい数のストームの《ぶどう弾》でフィニッシュ。

デッキの多くがドローカードで構成されているため安定性は抜群。ストームは大雑把に言うとこのような動きをするがこのデッキのキーカードは3つある。

それは《紅蓮術師の昇天》、《ゴブリンの電術師》、《炎の中の過去》である。このデッキのマナブーストは基本的に1マナしか増えない2種類の儀式だけである。したがって、マナがすぐに足りなくなる。

それを補うためマナブースト自体をコピーしてしまう《紅蓮術師の昇天》、唱えるためのコストを下げて総マナコストの軽減を目指す《ゴブリンの電術師》。

そうやって増やしたマナだけではドローが続かずに止まってしまうのだがそれを再利用する《炎の中の過去》。これらのカード無しでこのデッキが勝利することはほとんどない。

だから、このデッキを対策するときはこのキーカードをつぶしにいくのがいい。その中でも優秀なのは《突然の衰微》と《大祖始の遺産》そして最終兵器として《エーテル宣誓会の法学者》がある。





《突然の衰微》
このカードはキーカードのうち《紅蓮術師の昇天》と《ゴブリンの電術師》の両方に対処できるのが強みだ。これら無しでは中々コンボがつながらないためストームは手を焼くことになる。


《大祖始の遺産》
墓地を攻められると《紅蓮術師の昇天》と《炎の中の過去》が機能しなくなる。様々な墓地対策のなかでもこまめに墓地を掃除しつついざとなればすべてを吹き飛ばせてキャントリップもついているこのカードが使いやすい。

こう見るとメインは強いデッキだがサイド後は対策が容易でもろく感じてしまうかもしれない。しかし、ストーム側も《巣穴からの総出》を用意するなどして別のルートを用意してきたりもするので安心しきってはいけない。
その別ルートさえ完封しきるのが《エーテル宣誓会の法学者》である。


《エーテル宣誓会の法学者》
ストームの特性上このカードがあるとデッキが機能しなくなる。そのためストーム側もこのカードに対する対応策(ほとんどの場合は《残響する真実》)をさがさなければならないがその探す過程すらも邪魔するという素晴らしいカード。
ただストーム専用のサイドカードとなってしまうのでメタにストームが多いと感じた時以外は採用しづらい。逆にこのカードが流行るようならストームを使うことはお勧めしない。







3.親和
モダン四天王3つ目のデッキは親和だ。

親和というのはかつてのミラディンブロックの覇者でありスタンダードにおいて久しぶりに大量の禁止カードを生み出す原因となったデッキである。このモダンにおいてもたくさんのカードが禁止されているが旧ミラディンブロックとミラディンの傷痕ブロックの合作により今なおトップメタとして生き続けている。
sample deck
land
1《山/Mountain》
3《空僻地/Glimmervoid》
4《ダークスティールの城塞/Darksteel Citadel》
4《ちらつき蛾の生息地/Blinkmoth Nexus》
4《墨蛾の生息地/Inkmoth Nexus》

creature
4《メムナイト/Memnite》
4《羽ばたき飛行機械/Ornithopter》
4《信号の邪魔者/Signal Pest》
4《大霊堂のスカージ/Vault Skirge》
4《鋼の監視者/Steel Overseer》
4《電結の荒廃者/Arcbound Ravager》
4《刻まれた勇者/Etched Champion》

spell
4《感電破/Galvanic Blast》
4《オパールのモックス/Mox Opal》
4《バネ葉の太鼓/Springleaf Drum》
4《頭蓋囲い/Cranial Plating》
15sideboard
3《古えの遺恨/Ancient Grudge》
2《倦怠の宝珠/Torpor Orb》
2《墓掘りの檻/Grafdigger's Cage》
2《エーテル宣誓会の法学者/Ethersworn Canonist》
3《血染めの月/Blood Moon》
1《四肢切断/Dismember》
2《呪文滑り/Spellskite》
親和とよばれているこのデッキだが実は親和という能力をもったカードが採用されていることはほとんどなく、むしろ少しまえのスタンダードに存在した《鍛えられた鋼》デッキをアップデートしたものといったほうが近い。

《オパールのモックス》、《バネ葉の太鼓》をもちいて手札のカードをどんどん場に展開し、その圧倒的な展開力を《頭蓋囲い》、《鋼の監視者》、《電結の荒廃者》がバックアップする。もし序盤にもたついてしまったとしても8枚ものミシュラランドやレガシーで猛威をふるっている《真の名の宿敵》を連想させるほどの無敵っぷりをほこる《刻まれた勇者》、そしてあの《稲妻》をも超える1マナで4点火力といっても差し支えない《感電破》が対戦相手を追い詰めるデッキだ。

こう言うと本当に無敵のように感じてしまうがデッキの特性上ほとんどのカードがアーティファクトであるため必然的にアーティファクト破壊に非常に弱い。

その中でもおすすめなのが《古えの遺恨》と《粉砕の嵐》、《汚損破》。直接破壊しないがデッキを機能しなくしてしまう《石のような静寂》。



すべて1枚で複数のアーティファクトを破壊できるカードだ。その中でも軽い《古えの遺恨》が最も使いやすいと思うが他の2枚も打てば相手の場が崩壊するためそのコストに見合った働きは十分得られる





《石のような静寂》
これだけで勝てるわけではないが相手の動きがかなり制限されてしまう。基本的に親和のクリーチャーはバックアップなしではさほど怖くはないためバックアップするカードを対処するのが勝利への近道となる。このカードはそのすべてに対応できる。
またマナ能力もとめてしまうため致命的となることが多い。


また触れておきたいのが《戦争の報い、禍汰奇》についてだ。
このカードも当然親和にとって致命的なカードなのだが親和も《感電破》を積んでいるため確実性の面から他のカードより劣るためおすすめしない。親和専用サイドボードになってしまう点もいただけない。

唯一《出産の殻》デッキでは採用が検討される。1枚だけいれておけばサーチできることが理由だ。



モダン四天王のうち最後をかざるのは《出産の殻》デッキだ。






4.ポッド
ポッドと呼ばれるこのデッキは大きく分けて二つ存在する。
それぞれメリーラポッドとキキポッドと呼ばれることが多いが最近の主流はメリーラポッドだ。
sample deck
land
3《森/Forest》
1《沼/Swamp》
2《草むした墓/Overgrown Tomb》
1《森林の墓地/Woodland Cemetery》
1《寺院の庭/Temple Garden》
3《剃刀境の茂み/Razorverge Thicket》
1《神無き祭殿/Godless Shrine》
4《新緑の地下墓地/Verdant Catacombs》
4《霧深い雨林/Misty Rainforest》
3《ガヴォニーの居住区/Gavony Township》

creature
4《極楽鳥/Birds of Paradise》
3《貴族の教主/Noble Hierarch》
2《復活の声/Voice of Resurgence》
2《根の壁/Wall of Roots》
4《台所の嫌がらせ屋/Kitchen Finks》
2《残忍なレッドキャップ/Murderous Redcap》
1《臓物の予見者/Viscera Seer》
1《シルヴォクののけ者、メリーラ/Melira, Sylvok Outcast》
1《クァーサルの群れ魔道士/Qasali Pridemage》
1《漁る軟泥/Scavenging Ooze》
1《呪文滑り/Spellskite》
1《永遠の証人/Eternal Witness》
1《オルゾフの司教/Orzhov Pontiff》
1《静寂の守り手、リンヴァーラ/Linvala, Keeper of Silence》
1《イーオスのレインジャー/Ranger of Eos》
1《目覚ましヒバリ/Reveillark》
1《叫び大口/Shriekmaw》

spell
2《突然の衰微/Abrupt Decay》
4《出産の殻/Birthing Pod》
3《召喚の調べ/Chord of Calling》
15sideboard
1《戦争の報い、禍汰奇/Kataki, War's Wage》
1《漁る軟泥/Scavenging Ooze》

1《復活の声/Voice of Resurgence》

1《調和スリヴァー/Harmonic Sliver》

1《罪の収集者/Sin Collector》

1《強情なベイロス/Obstinate Baloth》

1《納墓の総督/Entomber Exarch》

2《殺戮の契約/Slaughter Pact》

4《思考囲い/Thoughtseize》

2《流刑への道/Path to Exile》
《シルヴォクののけ者、メリーラ》と《臓物の予見者》、そして《台所の嫌がらせ屋》もしくは《残忍なレッドキャップ》による無限頑強コンボを搭載したデッキである。

このデッキの最大の売りはその対処のしづらさにある。《出産の殻》があり続ける限りクリーチャーはどんどんと強くなっていくしそれに対処しようと隙を見せるとコンボをいきなり決められるという何ともやりづらいデッキだ。

このデッキの弱点をあげるとするならばサーチしてくることが前提の1枚刺しのカードが多いため動きが少し不安定なところとサーチを多用することから難易度が非常に高い。しかしそれは対処する側にも言えることでどういったカードが採用されているかしっかりと把握していないと思わぬカードで負けてしまう。

このデッキを対策する方法としては《出産の殻》に対するカードとクリーチャー対策カードがある。その中でも《墓掘りの檻》と《神々の憤怒》を紹介しよう。



《墓掘りの檻》
《出産の殻》を止める方法はいくつかあるがそのなかでもこのカードをお勧めする。ポッドデッキは《出産の殻》に依存しているとはいえそれ単体でも優秀なカード群で構成されているため《出産の殻》だけを対策するのではうまくいかない。その点このカードは頑強などにも対応できる素晴らしいカードである。


《神々の憤怒》
マナクリーチャーをまとめて薙ぎ払えるだけでなく本来対処のしづらい頑強もちのクリーチャーや《復活の声》に非常によく効く。
もちろん全体除去だけでなく単体除去なども有効だがさまざまな除去のなかでもこのカードは特別効果的といえる。







5.トリココントロール
四天王以外にも有力なデッキは数多く存在する。
トップバッターはプロツアー神々の軍勢の覇者、トリココントロールである。
sample deck
land
2《島/Island》
1《平地/Plains》
1《山/Mountain》

2《神聖なる泉/Hallowed Fountain》

4《天界の列柱/Celestial Colonnade》

2《蒸気孔/Steam Vents》

2《硫黄の滝/Sulfur Falls》

1《聖なる鋳造所/Sacred Foundry》

4《沸騰する小湖/Scalding Tarn》

3《乾燥台地/Arid Mesa》

4《地盤の際/Tectonic Edge》

creature
4《瞬唱の魔道士/Snapcaster Mage》

1《ヴェンディリオン三人衆/Vendilion Clique》

spell
4《稲妻/Lightning Bolt》

3《流刑への道/Path to Exile》

1《呪文嵌め/Spell Snare》

4《稲妻のらせん/Lightning Helix》

4《マナ漏出/Mana Leak》

2《差し戻し/Remand》

3《電解/Electrolyze》

1《神々の憤怒/Anger of the Gods》

3《謎めいた命令/Cryptic Command》

2《スフィンクスの啓示/Sphinx's Revelation》

2《復讐のアジャニ/Ajani Vengeant》
15sideboard
2《斑岩の節/Porphyry Nodes》

2《大祖始の遺産/Relic of Progenitus》

2《石のような静寂/Stony Silence》

1《天界の粛清/Celestial Purge》

1《神々の憤怒/Anger of the Gods》

2《対抗変転/Counterflux》

1《世界のるつぼ/Crucible of Worlds》
2《不忠の糸/Threads of Disloyalty》

1《機を見た援軍/Timely Reinforcements》

1《摩耗/損耗/Wear/Tear》
モダンの中では最も動きが遅いこのデッキ。

序盤はひたすら耐え続けて、中盤以降はそのカードパワーでひっくり返していくという昔ながらのコントロールデッキとなっている。かなりの量の除去が入っているためクリーチャーデッキ全般に強いのが特徴。

勝ち手段としては《瞬唱の魔道士》で火力を使いまわしたり《天界の列柱》での殴りきる。これといって弱点もないのだがこういった受けのデッキはメタゲームに大きく左右されるためなかなかベストな構築をすることが難しい。またコントロールの性質上土地事故にはとても弱くなっている。




対策カードとしてあげられるのは《血染めの月》だ。うまく場にだせれば脱出は相当困難であるため勝利は目前となる。
ただ使用できるデッキが限られていることと当然相手もケアして基本地形をならべてくるのでなかなかイメージ通りにはいかないことも多い。


またトリコ系のデッキには他にもトリコトラフトと呼ばれるデッキタイプも存在するのだがこのデッキについてはより詳しい記事が載る予定なのでそちらを見てほしい。







6.トロン
お次はトロンだ。
トロンというのは《ウルザの塔》、《ウルザの魔力炉》、《ウルザの鉱山》を利用して速いターンに高コストのパワーカードを叩きつけるというなんとも豪快なデッキだ。
sample deck
land
4《ウルザの鉱山/Urza's Mine》

4《ウルザの魔力炉/Urza's Power Plant》

4《ウルザの塔/Urza's Tower》
2《森/Forest》

1《魂の洞窟/Cavern of Souls》

1《ウギンの目/Eye of Ugin》

1《幽霊街/Ghost Quarter》

1《燃え柳の木立ち/Grove of the Burnwillows》

creature
1《無限に廻るもの、ウラモグ/Ulamog, the Infinite Gyre》

2《呪文滑り/Spellskite》

4《ワームとぐろエンジン/Wurmcoil Engine》

2《隔離するタイタン/Sundering Titan》

spell
4《ミシュラのガラクタ/Mishra's Bauble》

4《古きものの活性/Ancient Stirrings》

4《彩色の宝球/Chromatic Sphere》

4《彩色の星/Chromatic Star》

4《探検の地図/Expedition Map》

4《森の占術/Sylvan Scrying》

4《忘却石/Oblivion Stone》

4《解放された者、カーン/Karn Liberated》

1《全ては塵/All Is Dust》
15sideboard
3《自然の要求/Nature's Claim》

3《大祖始の遺産/Relic of Progenitus》

1《汚損破/Vandalblast》

3《防御の光網/Defense Grid》

3《倦怠の宝珠/Torpor Orb》

1《四肢切断/Dismember》

1《隔離するタイタン/Sundering Titan》
最初の3ターンまでにキャントリップやサーチを駆使してウルザランド3種をそろえて、あとは《解放された者、カーン》や《ワームとぐろエンジン》で蹂躙するといったデッキ。

3ターン目に登場する《解放された者、カーン》に真っ向から立ち向かえるデッキはなかなかいない。最近では《隔離されたタイタン》が採用されている事が多いがこれはフェッチとギルドランドで溢れているこのモダン環境では恐ろしい制圧力をもったカードとなる。

中々の速度とパワーを持ったデッキだが相手に干渉しづらい。そのため双子やストーム、高速ビートデッキに相性があまりよくないので最近は少し減った印象を受ける。


それではトロンを対策するにはどうすればよいか。

簡単である。土地を攻めればよいのだ。

《血染めの月》はもちろんのこと、根こそぎ持っていく《塩まき》も致命傷となる。ただし《塩まき》だけで対策とするのはお勧めしない。

《塩まき》を打てるのは4ターン目になるのだがトロンがそろうのは3ターン目、つまり一度相手が膨大なマナを使う機会を得てしまうのだ。そうさせないためにも他の妨害要素と組み合わせて使うことをおすすめする。土地を破壊するならクロックとしても運用できる《大爆発の魔道士》が最も良い。




またデッキの多くがアーティファクトで構成されていることからアーティファクト対策もそれなりに有効である。その中で最も効果的なのは《石のような静寂》だ。

起動型能力を禁止されるとデッキ内が何もしない無駄カードであふれることになる。ウルザランドがそろう前に出せれば勝利したも同然だ。







7.ジャンド

前環境の王者ジャンド。
いくつかの禁止カードがでたがそれでもそのカードパワーは特筆するものがあり、また根強いファンもいるためしっかりと活躍している。
sample deck
land
4《黒割れの崖/Blackcleave Cliffs》

4《怒り狂う山峡/Raging Ravine》

4《新緑の地下墓地/Verdant Catacombs》

2《湿地の干潟/Marsh Flats》

2《沼/Swamp》

2《樹上の村/Treetop Village》

1《血の墓所/Blood Crypt》

1《森/Forest》

1《霧深い雨林/Misty Rainforest》

1《草むした墓/Overgrown Tomb》

1《踏み鳴らされる地/Stomping Ground》

1《黄昏のぬかるみ/Twilight Mire》

creature
4《闇の腹心/Dark Confidant》

4《漁る軟泥/Scavenging Ooze》

4《タルモゴイフ/Tarmogoyf》

2《クルフィックスの狩猟者/Courser of Kruphix》

1《雷口のヘルカイト/Thundermaw Hellkite》

spell
4《稲妻/Lightning Bolt》

4《思考囲い/Thoughtseize》

3《コジレックの審問/Inquisition of Kozilek》

4《突然の衰微/Abrupt Decay》

4《ヴェールのリリアナ/Liliana of the Veil》

2《大渦の脈動/Maelstrom Pulse》
15sideboard
2《墓掘りの檻/Grafdigger's Cage》

2《古えの遺恨/Ancient Grudge》

1《ラクドスの魔除け/Rakdos Charm》

4《大爆発の魔道士/Fulminator Mage》

3《神々の憤怒/Anger of the Gods》

2《台所の嫌がらせ屋/Kitchen Finks》

1《強情なベイロス/Obstinate Baloth》
優秀なカードの塊で構成されたこのデッキ。

《思考囲い》や《コジレックの審問》で相手のプランを崩し、優秀な2マナのクリーチャーやミシュラランドでライフをつめていく。それらを支える万能除去《突然の衰微》や《稲妻》。マナフラッド対策として採用されている《怒り狂う山峡》や《樹上の村》も中盤以降は積極的に攻撃に参加する。

このデッキの弱点は意外なことにカードパワーで押されることである。

ジャンドとはカードパワーの塊というイメージがあるかもしれないがそれはスタンダードのころの話。モダンのジャンドは優秀なカードの集まりだがカードパワーは高くない。1枚で複数枚分の働きをするカードや圧倒的な制圧力を持ったカードはほとんどない。

対策カードとしては《殴打頭蓋》がよく見られる。



まず4/4というサイズが《稲妻》では落ちず、《タルモゴイフ》以外では太刀打ちできない。そして警戒と絆魂がダメージレースすら許さない。仮にトークンが除去されてもマナさえあればまた戻ってくる。

他には一応《血染めの月》が効くがジャンドには《突然の衰微》があるため割られることもよくある。


以上がよく見かけるデッキ達だ。
このほかにも呪禁オーラやマーフォーク、《風景の変容》デッキなどたくさんの優秀なデッキがあるが挙げだすときりがないのでよくみかけるデッキだけに範囲を絞らせてもらった。また機会があれば他のデッキについても紹介してみたい。


最後におまけとしてあまり知られていないがすごい動きをするデッキを紹介しよう。






おまけ1.《精力の護符》デッキ
sample deck
land
4《宝石鉱山/Gemstone Mine》

4《シミックの成長室/Simic Growth Chamber》

3《真鍮の都/City of Brass》

3《グルールの芝地/Gruul Turf》

3《トレイリア西部/Tolaria West》

2《微光地/Glimmerpost》

1《ボロスの駐屯地/Boros Garrison》

1《森/Forest》

1《ゴルガリの腐敗農場/Golgari Rot Farm》

1《セレズニアの聖域/Selesnya Sanctuary》

1《処刑者の要塞/Slayers' Stronghold》

1《軍の要塞、サンホーム/Sunhome, Fortress of the Legion》

1《氷の橋、天戸/Tendo Ice Bridge》

1《ヴェズーヴァ/Vesuva》

creature
4《迷える探求者、梓/Azusa, Lost but Seeking》

3《猿人の指導霊/Simian Spirit Guide》

4《原始のタイタン/Primeval Titan》


spell
4《召喚士の契約/Summoner's Pact》

2《否定の契約/Pact of Negation》

1《殺戮の契約/Slaughter Pact》

4《精力の護符/Amulet of Vigor》

4《血清の幻視/Serum Visions》

4《花盛りの夏/Summer Bloom》

3《集団意識/Hive Mind》
プロツアー神々の軍勢でも少し紹介されていたこのデッキ。
実は2ターンキルの可能性を秘めたすごいデッキなのである。

動きはこうだ。

1ターン目
土地セットから《精力の護符》をプレイ。

2ターン目
《精力の護符》の2枚目をプレイしてから《シミックの成長室》を出す。
《精力の護符》があるためマナをだしてから自信の能力で手札に戻す。
《迷える探求者、梓》をプレイ。

これで《シミックの成長室》を出しては戻すを3回繰り返してその都度マナを出しておく。生まれたマナから《原始のタイタン》を出してその能力で《処刑者の要塞》と《ボロスの駐屯地》をサーチする。

《精力の護符》が2枚あるので《処刑者の要塞》の能力を2回《原始のタイタン》に使える。

ここで《ボロスの駐屯地》が場に残るようにする。

10/6となった《原始のタイタン》でアタックし今度は《軍の要塞、サンホーム》と《ヴェズーヴァ》をサーチする。《ヴェズーヴァ》は《ボロスの駐屯地》のコピーとなって《軍の要塞、サンホーム》の起動コストにあてる。最終的に《原始のタイタン》は10/6の二段攻撃をもったクリーチャーとなって相手を一撃で葬る。

 かなり複雑な動きをするが使っていても非常に楽しいデッキだ。また、《原始のタイタン》で勝利するだけでなく6マナさえあれば《集団意識》で対戦相手に無理やり契約を押しつける勝ち方も狙える。ここで採用される《召喚士の契約》は《原始のタイタン》や《迷える探求者、梓》のサーチにもつかえて非常に便利だ。




こんな素晴らしいデッキなのだが《精力の護符》への依存度が高く、これなしではデッキが動きださないのが欠点だ。



どうだっただろうか?コンボやビート、コントロールが入り乱れるモダン環境。
好きなカードでデッキを組むもよし、勝利を追及してみるもよし。あなたも新しいデッキの可能性を模索してみてはどうだろうか。
 
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