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by Yuuki Ichikawa
0.導入
ご無沙汰しております、瀬畑です。今回は5月16日から3日間開催されました、”プロツアーニクスへの旅”に向けての調整録を綴ろうと思います。よろしくお願いします。
1.第一印象
プロツアー開催の約一ヶ月前、テーロスブロックの最終エキスパンションとなる”ニクスへの旅”のフルスポイラーが発表されました。
そのときの印象として、
・《払拭の光/Banishing Light》・・・汎用性の高い追放除去、様々なデッキの屋台骨に
・《脳蛆/Brain Maggot》、《節くれの傷皮持ち/Gnarled
Scarhide》、《饗宴の主/Master of the
Feast》、《信者の沈黙/Silence the Believers》・・・前環境ではTier2に甘んじていた黒単を強化するわかりやすいカード達
・《大歓楽の幻霊/Eidolon of the Great
Revel》、《モーギスの軍用犬/Mogis's Warhound》、《予言の炎語り/Prophetic
Flamespeaker》・・・赤単アグロも成立するか?
・《開花の幻霊/Eidolon of Blossoms》・・・返しに除去されないとアドバンテージを生み出し続ける《エルフの幻想家/Elvish
Visionary》が弱いわけがない!前環境ではトップメタだった緑白黒リアニメイトに組み込むのが一番?
・《クルフィックスの洞察力/Kruphix's Insight》、《ニクスの織り手/Nyx
Weaver》、《苦悶の神、ファリカ/Pharika,
God of Affliction》・・・前述した緑白黒リアニメイトがわかりやすく強化!
・《英雄の導師、アジャニ/Ajani, Mentor of
Heroes》・・・強そうだけどどんなデッキに入るんだろう
・《マナの合流点/Mana Confluence》・・・これで2色ビートはばっちり!
と、こんな感じでした。緑白黒リアニメイトが一番有力で、黒単がそれに次いで、赤単と青白英雄もある程度いるかなあといったところ。
正直緑白黒リアニメイトのような動きがもっさりしていて、場に干渉しないデッキは好みではなく、こればっかりな環境だったら嫌だなあ。と、フルスポイラーを見て少しゲンナリ。
2.ところが
関東でプロツアーの権利を持っている日本人プレイヤーたちで集まり、テストプレイをしてみたら。私の想像とは違いました。
赤単、青単、青白英雄などのアグロデッキのスピードに付いていけず、また黒軸デッキのハンデスで要所を抜かれるとデッキとしての動きが出来ない緑白黒リアニメイトは環境から淘汰されるだろうという結果に。
対青白英雄
対黒系
3.アグロデッキを模索
と、言うことで赤単青単黒単などの単色のアグロデッキと青白英雄の構成を模索することに。赤単系は《予言の炎語り/Prophetic
Flamespeaker》をマナカーブのトップに置いた環境でも一番前のめりな構成に。
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・赤単サンプルリスト |
20land
20《山/Mountain》
28creature
4《アクロスの十字軍/Akroan Crusader》
4《サテュロスの重装歩兵/Satyr Hoplite》
4《火飲みのサテュロス/Firedrinker Satyr》
2《ニクス生まれのお調子者/Nyxborn Rollicker》
4《大歓楽の幻霊/Eidolon of the Great
Revel》
4《モーギスの軍用犬/Mogis's Warhound》
4《予言の炎語り/Prophetic Flamespeaker》
2《常炎の幻霊/Everflame Eidolon》
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12spell
4《タイタンの力/Titan's Strength》
4《稲妻の一撃/Lightning Strike》
4《ドラゴンのマントル/Dragon Mantle》 |
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青単は環境に信心を稼げるカードが少ない為、《海の神、タッサ/Thassa,
God of the Sea》を抜いてその枠に《解消/Dissolve》を。スタンダードの青単信心のサイド後のような構成に。
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・青単サンプルリスト |
23land
21《島/Island》
2《ニクスの祭殿、ニクソス/Nykthos, Shrine
to Nyx》
25creature
4《トリトンの岸忍び/Triton Shorestalker》
4《惑乱のセイレーン/Hypnotic Siren》
4《ダクラの神秘家/Dakra Mystic》
4《蒸気の精/Vaporkin》
2《前兆語り/Omenspeaker》
4《波使い/Master of Waves》
3《予知するスフィンクス/Prognostic Sphinx》
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12spell
3《凱旋の間/Hall of Triumph》
4《解消/Dissolve》
2《難局/Hour of Need》
3《タッサの二叉槍/Bident of Thassa》
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黒単は《節くれの傷皮持ち/Gnarled Scarhide》などを入れた軽い構成も考えましたが、《脳蛆/Brain
Maggot》を入れたミッドレンジな構成の方が良いのではないかという判断。 |
・黒単サンプルリスト |
24land
24《沼/Swamp》
24creature
4《苦痛の予見者/Pain Seer》
4《脳蛆/Brain Maggot》
4《責め苦の伝令/Herald of Torment》
4《饗宴の主/Master of the Feast》
4《押し潰すヒル/Squelching Leeches》
4《アスフォデルの灰色商人/Gray Merchant
of Asphodel》
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12spell
4《思考囲い/Thoughtseize》
4《胆汁病/Bile Blight》
4《英雄の破滅/Hero's Downfall》 |
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青白英雄は《マナの合流点/Mana Confluence》でマナベースを強固に、《密集軍の指揮者/Phalanx
Leader》と《船団の出航/Launch the Fleet》でロングゲームも見れる構成。
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・青白英雄サンプルリスト |
22land
10《平地/Plains》
4《島/Island》
4《マナの合流点/Mana Confluence》
4《啓蒙の神殿/Temple of Enlightenment》
18creature
4《恩寵の重装歩兵/Favored Hoplite》
3《戦識の重装歩兵/Battlewise Hoplite》
4《イロアスの英雄/Hero of Iroas》
4《密集軍の指揮者/Phalanx Leader》
3《威名の英雄/Fabled Hero》
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20spell
4《神々の思し召し/Gods Willing》
4《液態化/Aqueous Form》
4《船団の出航/Launch the Fleet》
2《アジャニの存在/Ajani's Presence》
4《タッサの試練/Ordeal of Thassa》
2《層雲歩み/Stratus Walk》 |
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と、様々なアグロデッキを模索していたのですが・・・・。
4.優良除去と緑の”あの”コンビを前に挫折
赤単、青単はメインは圧倒的な勝率を誇りましたが、サイド後コントロールデッキなどが入れてくる全体除去、《悲哀まみれ/Drown
in Sorrow》、《神々の憤怒/Anger of
the Gods》を乗り越えれず挫折。
黒単は点で攻めるデッキなので全体除去は前述のデッキほどキツくはありませんが、逆に単体除去の《英雄の破滅/Hero's
Downfall》、《信者の沈黙/Silence the
Believers》、《払拭の光/Banishing
Light》などが脅威となります、サイド後は《闇の裏切り/Dark
Betrayal》を投入されたり。
単色デッキに共通して言えることですが、限定構築とカードプールが狭い環境では、デッキが単色だとサイドボードの選択肢があまりに乏しく、デッキの弱点をわかっていながら、それを改善する術がありません。
青白英雄もハンドによりますが、全体除去、単体除去ともにキツく、また環境に《信者の沈黙/Silence
the Believers》、《払拭の光/Banishing
Light》などのリムーブ除去が増えたことによって、デッキの《神々の思し召し/Gods
Willing》に対しての依存度が上がってしまいました。《アジャニの存在/Ajani's
Presence》の加入によって除去耐性が上がると踏んでいましたが、それは違いました。
また、プロツアーの結果を見た方はもうご存知かと思いますが、この環境でトップクラスのカードパワーの《森の女人像/Sylvan
Caryatid》《クルフィックスの狩猟者/Courser
of Kruphix》コンビがナチュラルにアグロ耐性となっていることに気づき、緑軸のミッドレンジデッキに有利がつかないとなると、アグロデッキを選択する理由は私には見つかりませんでした。
5.緑軸ミッドレンジの模索
ここまでのまとめ
○除去が強い
○《森の女人像/Sylvan Caryatid》と《クルフィックスの狩猟者/Courser
of Kruphix》デッキが環境の主軸となる。
この時点でおよそプロツアーから約10日前程度、そろそろデッキを決めたいところです。
週末にBigMagicOpenのPTQに参加しに行くと、権利持ちの松原君と中島君が緑白黒のデッキを回していました。前述のリアニメイトデッキとは違い、《開花の幻霊/Eidolon
of Blossoms》を軸にしたミッドレンジデッキをテストプレイしていて、非常に良い感触を持ちました。
特に《破滅喚起の巨人/Doomwake Giant》は《太陽の勇者、エルズペス/Elspeth,
Sun's Champion》に対してアンチカードとなるだけでなく、《開花の幻霊/Eidolon
of Blossoms》と相性が良く、アグロデッキにも強いなど環境のソリューションとも言うべきカードか?!と一人で大興奮。
その時、二人と話し合い以下の構成に。次の日にある最終の合同練習会に予定の空いている自分が持って行くことになりました。
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・緑白黒”《開花の幻霊/Eidolon
of Blossoms》”ミッドレンジサンプルリスト |
24land
4《疾病の神殿/Temple of Malady》
4《静寂の神殿/Temple of Silence》
4《豊潤の神殿/Temple of Plenty》
6《森/Forest》
6《沼/Swamp》
20creature
4《森の女人像/Sylvan Caryatid》
4《脳蛆/Brain Maggot》
4《クルフィックスの狩猟者/Courser of Kruphix》
4《開花の幻霊/Eidolon of Blossoms》
4《破滅喚起の巨人/Doomwake Giant》
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16spell
4《思考囲い/Thoughtseize》
4《払拭の光/Banishing Light》
2《英雄の破滅/Hero's Downfall》
2《信者の沈黙/Silence the Believers》
4《太陽の勇者、エルズペス/Elspeth, Sun's
Champion》 |
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6.最後の練習会
いよいよフライト4日前の最後の練習会です。ここでデッキを決めないと泥沼、もういよいよ後がありません。
私はここに前述した緑白黒ミッドレンジを持ち込んだわけですが、とある似たようなコンセプトの緑軸ミッドレンジに完膚なきまでに負け、そのデッキを本番で手に取ることを決めます。
プロツアーの結果を知っている方はご存知かも知れません、そう三原氏謹製の”三原ナヤ”です。
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”三原ナヤ” |
24land
4《豊潤の神殿/Temple of Plenty》
4《奔放の神殿/Temple of Abandon》
1《静寂の神殿/Temple of Silence》
3《マナの合流点/Mana Confluence》
8《山/Mountain》
4《森/Forest》
23creature
4《森の女人像/Sylvan Caryatid》
3《旅するサテュロス/Voyaging Satyr》
3《予言の炎語り/Prophetic Flamespeaker》
4《クルフィックスの狩猟者/Courser of Kruphix》
3《都市国家の破壊者/Polis Crusher》
2《世界を喰らう者、ポルクラノス/Polukranos,
World Eater》
4《嵐の息吹のドラゴン/Stormbreath Dragon》
13spell
4《岩への繋ぎ止め/Chained to the Rocks》
2《マグマの噴流/Magma Jet》
2《払拭の光/Banishing Light》
2《英雄の導師、アジャニ/Ajani, Mentor of
Heroes》
3《太陽の勇者、エルズペス/Elspeth, Sun's
Champion》
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15sideboard
3《歓楽者ゼナゴス/Xenagos, the Reveler》
2《最悪の恐怖/Worst Fears》
3《狩人狩り/Hunt the Hunter》
1《高木の巨人/Arbor Colossus》
2《破壊的な享楽/Destructive Revelry》
2《マグマのしぶき/Magma Spray》
2《パーフォロスの槌/Hammer of Purphoros》
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このデッキは緑白黒というカラーリングには無い、ゲームを決めれるカードを有しています。
《都市国家の破壊者/Polis Crusher》、《嵐の息吹のドラゴン/Stormbreath
Dragon》のような《払拭の光/Banishing Light》の効かないフィニッシャー群。
《英雄の導師、アジャニ/Ajani, Mentor of
Heroes》のアドバンテージを得る能力もカード単体のパワーが高いナヤが一番輝けるカラーリングでしょう、サイドの《歓楽者ゼナゴス/Xenagos,
the Reveler》も対コントロールに於いて、緑白黒には無い非常に魅力的なカードです。
黒を切ることによるデメリットとして「確定除去の不足」がありますが、それを《岩への繋ぎ止め/Chained
to the Rocks》が補ってくれています。
黒の確定除去に《都市国家の破壊者/Polis Crusher》や《嵐の息吹のドラゴン/Stormbreath
Dragon》は弱いので、このデッキは前述したまとめに反するようにも見えます。
ですが、サイド後は《歓楽者ゼナゴス/Xenagos, the
Reveler》や《パーフォロスの槌/Hammer of
Purphoros》などを投入してトークン戦略に切り替えれたり、《英雄の導師、アジャニ/Ajani,
Mentor of Heroes》や《太陽の勇者、エルズペス/Elspeth,
Sun's Champion》などのプレインズウォーカーが残れば、アドバンテージ面で優位に立てる為、溢れる除去の海を泳ぎ切れると判断しました。
以上の点で練習会に持ち込んだ緑白黒より、三原ナヤの方が優れていると感じた為、私はこれをプロツアーへ持ち込むことを決めたのです。
7.最終調整
練習会も終わってあと3日、あとはナヤを調整するだけです。平日の夜、フライト前の意見交換、フライト中(脳内)、現地についてホテルで意見交換などなど。
最終的なリストは以下になります。
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sample deck |
24land
4《豊潤の神殿/Temple of Plenty》
4《奔放の神殿/Temple of Abandon》
3《マナの合流点/Mana Confluence》
4《森/Forest》
8《山/Mountain》
1《平地/Plains》
21creature
4《森の女人像/Sylvan Caryatid》
4《旅するサテュロス/Voyaging Satyr》
4《クルフィックスの狩猟者/Courser of Kruphix》
4《都市国家の破壊者/Polis Crusher》
1《世界を喰らう者、ポルクラノス/Polukranos,
World Eater》
4《嵐の息吹のドラゴン/Stormbreath Dragon》
15spell
4《岩への繋ぎ止め/Chained to the Rocks》
4《払拭の光/Banishing Light》
1《歓楽者ゼナゴス/Xenagos, the Reveler》
2《英雄の導師、アジャニ/Ajani, Mentor of
Heroes》
4《太陽の勇者、エルズペス/Elspeth, Sun's
Champion》
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15sideboard
4《狩人狩り/Hunt the Hunter》
4《マグマのしぶき/Magma Spray》
2《パーフォロスの槌/Hammer of Purphoros》
3《歓楽者ゼナゴス/Xenagos, the Reveler》
2《鍛冶の神、パーフォロス/Purphoros, God
of the Forge》 |
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◇各パーツの説明
・メインボード
《森の女人像/Sylvan Caryatid》《旅するサテュロス/Voyaging
Satyr》
デッキのエンジンとなるマナクリーチャー群、これらが無ければ始まりません、是非初手に来てほしい。
4:4の8枚フル投入。
《都市国家の破壊者/Polis Crusher》
緑白黒”《開花の幻霊/Eidolon
of Blossoms》”ミッドレンジに対してのキラーカード!
《払拭の光/Banishing Light》も効かないし、こちらも4枚フル投入。単純にトランプルを有しているファッティとして有用な時も多いです。《世界を喰らう者、ポルクラノス/Polukranos,
World Eater》より《都市国家の破壊者/Polis
Crusher》が優先される感じはいかにも限定構築っぽいですね。
《払拭の光/Banishing Light》
丸いカードは正義!ということでこちらも4枚に、アグロの中では筆頭となると予想している青白英雄に対して有効なカード。黒単もエンチャントに全く触れないので確定除去となります。
《歓楽者ゼナゴス/Xenagos, the
Reveler》
こちらはサイドのスロットの問題もあって、メインに1枚押し上げる形に。サイドインすることも多く感じましたし、メインで良いだろうという判断です。(結果的に大正解でした。)
・サイドボード
《狩人狩り/Hunt the Hunter》
ナヤ同型ではこれの枚数によってゲームが決まることも多いです。《嵐の息吹のドラゴン/Stormbreath
Dragon》に触れないで負けるゲーム展開もありますが、それよりも序盤の攻防で如何に先手後手を入れ替えるか、マウントを取るかだとテストプレイで感じました。
《マグマのしぶき/Magma Spray》
メインの軽量除去を減らしてしまったのでサイドにたっぷりと。《山/Mountain》が《岩への繋ぎ止め/Chained
to the Rocks》を入れる関係で8枚も入っているので、アンタップインの赤マナにはあまり困ることは無く、1ターン目から打つことも全然あり得ます。
《鍛冶の神、パーフォロス/Purphoros,
God of the Forge》
サイド後のトークン戦略をバックアップする1枚。
この環境ライフゲイン手段に乏しく、《クルフィックスの狩猟者/Courser
of Kruphix》の1点ゲインくらいしかライフを押し戻す手段がありません。その点を鑑みると《鍛冶の神、パーフォロス/Purphoros,
God of the Forge》の誘発型能力は対コントロール、対ミッドレンジ戦で非常に有用です。また起動型能力とトークン戦略も噛み合っています、今回サイドに取って一番活躍したカードです。
8.本戦
いよいよ本戦です、私もプロツアー3回目の挑戦となりました、そろそろ結果が欲しい所です。因みに今回の目標は今シーズンのプロポイント(9点)と合わせてシルバーレベルになれる25位以内を目標としていました。
なんとプロツアー25位以内特典の”次のプロツアーの権利&往復航空券”とシルバーレベル特典の”持っていないプロツアー権利の獲得”を合わせてそれだけで2回分のプロツアーの権利が取れるのです!お得!しかしここで25位以内に入らないと、私は次のプロツアー”基本セット2015”の権利を持っていないので、ここまで溜めたプロポイントはシーズンをまたいで実質無駄となってしまいます。
伸るか反るか、まさに背水の陣。
9.Day1/ドラフト
まずはドラフトから。ドラフトは練習の時のイメージとして
○赤はJOU、THSともに弱く、またJOUで赤のトップコモンである《マグマのしぶき/Magma
Spray》と《刃牙の猪/Bladetusk Boar》がソートで一緒に出やすいので極力赤は避けたい。
○英雄的は組みづらくなり、また授与カードも減ったので、マナカーブを埋め辛く、安定感も損なった。
○白はJOUのコモンで《オレスコスの速爪/Oreskos
Swiftclaw》、《石識の防衛者/Stonewise
Fortifier》、《警備隊の鷲/Eagle of the
Watch》などのプレイアブルではあるがサインほどではないカードが大量に発生し、それによって白に参入するプレイヤーが多くなる。白の絶対的な強さを考えるとそれの参入者数は割に合わない。
○青は防御的なカードが多くなり、黒と組み合わせると安定した強さ。《印章持ちのヒトデ/Sigiled
Starfish》はJOUのトップコモン!
以上のような感想を持っていました、詰まる所、赤と白は避けて青、黒、次いで緑がやりたいなという印象。
ですが出来たデッキは・・・・
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sample
deck |
17land
17基本地形
13creature
2《渦潮の精霊/Vortex Elemental》
1《前兆語り/Omenspeaker》
1《はじけるトリトン/Crackling Triton》
1《メレティスのダクソス/Daxos of Meletis》
1《つややかな雄鹿/Burnished Hart》
1《惑乱のセイレーン/Hypnotic Siren》
1《潮流の合唱者/Chorus of the Tides》
1《タッサの使者/Thassa's Emissary》
1《急流のナイアード/Whitewater Naiads》
1《受勲したグリフィン/Decorated Griffin》
2《タッサの貪り食い/Thassa's Devourer》
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10spell
1《大地への縫い止め/Pin to the Earth》
2《運命の泉/Font of Fortunes》
1《神託者の眼識/Oracle's Insight》
1《永遠の罠/Eternity Snare》
1《太陽の勇者、エルズペス/Elspeth, Sun's
Champion》
1《無効/Annul》
1《無効化/Nullify》
1《航海の終わり/Voyage's End》
1《落星/Starfall》 |
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なんという逆三角形のマナカーブ・・・!!なんだこの糞デッキはと今見返しても驚くばかりです。
まずは1手目、初手は《トラクシーズの落とし子/Spawn
of Thraxes》から。あまり赤はやりたくありませんが流石にこのレベルになると別格、赤単色気味に行きたいところ。と思ったのも束の間、2手目は赤いカードは特に無く《急流のナイアード/Whitewater
Naiads》。
その流れからズルズルと青赤方向に、青はある程度流れてくるが赤はさほど・・・とかなり雲行きが怪しい感じ。
それはBNGが終わるまで続き、いよいよ最終パックのTHSに・・・「頼む・・・・レア・・・!!」と願いを込めて開けたら
《太陽の勇者、エルズペス/Elspeth, Sun's
Champion》がこんにちは。
違う!!と心の中で叫びながらもこれは取るのか、取らないのか、いや、そもそも赤いカードがそれほど取れていないし、ここから白に参入しても間に合うのではないか・・・!!
と、葛藤した結果この有様です、カードが足りず《はじけるトリトン/Crackling
Triton》と《落星/Starfall》のタッチとかなり苦しい形に。
ですが結果は、
1R WB ○××
2R WB ○○
3R GU ○×○
と何とか2勝1敗でまとめることに成功。
どうにも卓全体がグチャっていたようで、当たるデッキ(もちろん自分のデッキもですが)みんな弱く、お互いに悲壮感を漂わせながらのゲームばかりでした。
10.Day1/構築ラウンド
ドラフトは弱デッキながらも勝ち越しという幸福の最大値を叩き出すことに成功しました。これはこの流れに乗って構築ラウンドも勝ち星を伸ばしていきたいところです。
ですが・・・
4R 緑白黒リアニメイト ××
5R BUGコントロール ×○×
良い所も何にも無く2連敗。
構築1回戦からナヤが滅法苦手としている緑白黒リアニメイトを踏んでしまい、次のラウンドのBUGコントロール戦は《クルフィックスの狩猟者/Courser
of Kruphix》で土地が4連続めくれないかと思ったら《クルフィックスの狩猟者/Courser
of Kruphix》が3枚めくれる不運っぷり。
正直精神的にかなりキていて、初日落ちも覚悟していました。ただ、何としてもここで25位以内に入らないとまたPTQとプロツアーの往復を繰り返すことになる、との思いからとにかく初日はここから3連勝して終わろうと気持ちを切り替えました。
6R 青白英雄 ○○
7R 青白英雄 ○○
8R ナヤミッドレンジ ○×○
何とか3連勝、青白英雄戦はどちらも《岩への繋ぎ止め/Chained
to the Rocks》、《払拭の光/Banishing
Light》の追放除去を重ね引き勝利、ドローも戻ってきました。
構築ラウンドは3勝2敗、ドラフトラウンドと合わせて初日は5勝3敗で折り返しです。2日目を6勝1敗1分以上で25位以内に入れるので、それを目指します。
11.Day2/ドラフト
1手目はゴッドレアの《黄金の呪いのマカール王/King
Macar, the Gold-Cursed》から、2手目も《闇への投入/Cast
into Darkness》で黒を固めます。3手目は環境トップコモンの《印章持ちのヒトデ/Sigiled
Starfish》が!これで青黒に一直線、出来たデッキが以下になります。
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sample
deck |
17land
1《悪意の神殿/Temple of Malice》
8《沼/Swamp》
8《島/Island》
12creature
1《印章持ちのヒトデ/Sigiled Starfish》
1《前兆語り/Omenspeaker》
1《血に狂った重装歩兵/Bloodcrazed Hoplite》
1《蒸気の精/Vaporkin》
1《ニクス生まれの幻霊/Nyxborn Eidolon》
1《ティマレットの召使い/Servant of Tymaret》
1《潮流の合唱者/Chorus of the Tides》
1《黄金の呪いのマカール王/King Macar, the
Gold-Cursed》
2《スフィンクスの信奉者/Sphinx's Disciple》
1《記憶の壁/Mnemonic Wall》
1《牙海岸のセイレーン/Siren of the Fanged
Coast》
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11spell
1《大地への縫い止め/Pin to the Earth》
1《闇への投入/Cast into Darkness》
2《ファリカの療法/Pharika's Cure》
1《屍噛み/Necrobite》
1《骨読み/Read the Bones》
1《航海の終わり/Voyage's End》
2《捕海/Griptide》
1《突然の嵐/Sudden Storm》
1《悪意ある一撃/Spiteful Blow》 |
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9R WRg ○○
10R UW ○○
11R WB ×○○
デッキも強く、事故も無くきれいに回ってくれて3勝。こういう構成だと《スフィンクスの信奉者/Sphinx's
Disciple》が非常に強く運用出来ます。クリーチャーはやや少ないですが、序盤を支えるスペルも多いのでそこで補填が出来ています。
目標に向けてあと3勝1敗1分。
12.Day2/構築
12R 緑白黒”《開花の幻霊/Eidolon
of Blossoms》”ミッドレンジ ×○○
13R 緑白黒”《開花の幻霊/Eidolon of Blossoms》”ミッドレンジ
○○
14R 緑白黒”《開花の幻霊/Eidolon of Blossoms》”ミッドレンジ
×○○
15R BUGコントロール ○○
16R ナヤミッドレンジ - (ID)
なんとか25位以内に・・・・と思っていたらまさかのトップ8!!!
2日目はやや有利なデッキと当たることが多くて助かりました、ドローも良く、非常に運が良かったと思います。初日2勝3敗から始まったことを考えるとまさかの10連勝、いやはや自分でもびっくり。
13.シングルエリミネーションとまとめ
QF BUGコントロール ○○
SF 緑白黒”《開花の幻霊/Eidolon of Blossoms》”ミッドレンジ
××
と、言うことで私のプロツアーはトップ4という成績で幕を閉じることになりました。
惜しくも負けてしまった緑白黒”《開花の幻霊/Eidolon
of Blossoms》”ミッドレンジデッキはメインに《責め苦の伝令/Herald
of Torment》を入れていて、このカラーリングの弱点であった決定力の無さを埋めていました、見事な構築力と言えます、完敗。
プロツアー25位以内の特典としてプロツアー基本セット2015の権利を獲得。またプロポイント22点を獲得、元々持っていたプロポイントと合わせて31点。
次のプロツアーに出ると最低3点は貰えるので、そのプロツアーか、7月末に行われるグランプリ台北のいずれかで1点上乗せすることが出来れば、プロプレイヤーズ・クラブのゴールドレベルになり、翌シーズンのプロツアー全ての参加権利を得ることが出来ます。
プロツアーへの継続出場は競技プレイヤーを志してからの一つの目標でした。この目標を達成するべく、あと二つのプレミアイベントで何としても勝ちたいところです。
今回のプロツアーから初めて日本勢の調整チームに加わり、本格的な調整に参加しました。ひとえに今回の結果はこれに参加された皆様方のお蔭かと思います、ありがとうございました。
ですが個人的には反省点も多く、調整過程も含めて、結果には反し課題の残るプロツアーでした。次のプロツアーでは今回の成績に慢心せず、より良い結果が出るように頑張る所存です。
いかがでしたでしょうか、最後まで読んでいただきありがとうございました、また次の機会にお会いしましょう。
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