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岡本桂多のKill them All!第11回デッキを、作る(《黒薔薇のマルチェッサ/Marchesa, the Black Rose》編) 
 
text by Keita Okamoto 

お久しぶりです!
統率者戦担当の岡本です!


ニクスへの旅の発売、BigMagicOPENのデュエルコマンダー杯、そしてコンスピラシー発売と統率者戦/デュエルコマンダー関連の出来事がいくつかありましたが、皆さんは統率者ライフを楽しんでいますか?



今回の記事は、コンスピラシーの新規カード《黒薔薇のマルチェッサ/Marchesa, the Black Rose》を統率者として統率者戦デッキを組もう!という内容になります。







では、今回もいつものルーチン通りにデッキを考えていきましょう。

1.統率者or固有色を決める
2.どういうコンセプトのデッキにするかを考える(無限コンボか、統率者ダメージか、普通にライフを削るか)
3.統率者の特徴を細かく見ていく→統率者と相性の良いものを探し出す



1.統率者を決める
コンスピラシーの新統率者でデッキを組む事からスタートしました。
今回の新統率者は5種類いますが、(ボックスのイラストだけは)美麗だと評判の《黒薔薇のマルチェッサ/Marchesa, the Black Rose》さんでデッキを組んでみる事にしました。


2.どういうコンセプトのデッキにするかを考える
《黒薔薇のマルチェッサ/Marchesa, the Black Rose》は廃位を持っているとはいえ、自身で積極的に殴るにはサイズが少々心もとありません。統率者ダメージでの勝利はあまり狙えないでしょう。
今回は青黒赤という無限コンボを組み込みやすい+揃えやすい色なので無限コンボを採用しつつ、統率者ダメージでなく普通にライフを削りきるもしくは「毒殺」により勝利するような形をまず目指します。


3.統率者の特徴を細かく見ていく→統率者と相性の良いものを探し出す

それでは、《黒薔薇のマルチェッサ/Marchesa, the Black Rose》の特徴を見ていきましょう。

コスト:4マナ
比較的軽いので出し直しもしやすく、無理にマナアーティファクトを詰め込まなくても問題無い→必要最低限のマナアーティファクトのみで良い


色:青黒赤
青の打消し呪文で《黒薔薇のマルチェッサ/Marchesa, the Black Rose》を守る、黒の除去呪文で盤面をコントロールする、赤のコンボパーツを組み合わせて無限コンボを採用する等々、割と自由度の高い色の組み合わせなので、デッキを構築する人の構築力が非常に問われます。

また、この色の組み合わせのデッキを組む時に一番注意したいのは、「エンチャントに触れない」 という問題です。
デッキの動きを完全に妨害してくるエンチャントが無いような統率者であれば問題ないのですが、今回は後述しますが《安らかなる眠り/Rest in Peace》《虚空の力線/Leyline of the Void》の二大墓地対策がバッチリと刺さってしまう構成になります。
なるべく意識して《白鳥の歌/Swan Song》《無効/Annul》などを採用するようにしましょう。

クリーチャータイプ:人間・ウィザード
人間サポートは数が少なく、更にこのデッキの動きにかみ合いそうなものは残念ながらありません。一方、ウィザードサポートはそこそこの枚数があります。

《巻物の君、あざみ/Azami, Lady of Scrolls》
《激浪の研究室/Riptide Laboratory》
《寓話の賢人/Sage of Fables》

は少しゆったり気味になりそうなこのデッキの動きにかみ合いそうですね。
もしデッキをウィザードだらけにするのであれば

《石ころ川の旗騎士/Stonybrook Banneret》
《ヴィダルケンの霊気魔道士/Vedalken AEthermage》
《非凡な虚空魔道士/Voidmage Prodigy》
《守護ウィザード/Patron Wizard》

等も採用すると部族デッキっぽくなってシナジーデッキになりますが、今回はこの4枚は採用しない方向で進めてみます。




次に能力2つを紹介していきますが、今回のデッキで最も重要視する部分になるので、能力2の方を先に紹介します。

能力2:「あなたがコントロールする+1/+1カウンターが置かれたクリーチャー1体が死亡するたび、次の終了ステップの開始時に、そのカードをあなたのコントロール下で戦場に戻す。」

個人的な趣味趣向のお話になりますが、僕は「墓地から戦場に戻る」動きが大好きです。それも、大型クリーチャーを釣り上げるリアニメイトではなく、小型~中型のクリーチャーが戻ってくる事の方が好みです(笑)
と、それは置いておいて・・・

この能力はいくつか見るべき所があります。

まずは+1/+1カウンターが乗っているクリーチャーならなんでもいい事。
どうやってそのカウンターが乗ったかには関係ありません。もちろん廃位で乗っても良いですし、カウンターが乗った状態で場に出ても良いですし、カウンターを乗せかえても問題ありません。
→「+1/+1カウンターが乗った状態で戦場に出るカード」

個人的に最も相性が良いと思うのは不死持ちのクリーチャーです。
何しろカウンターが乗っていない状態で死亡したら不死の能力でまた戦場に戻り、不死の能力で戻ってきたクリーチャーがまた死亡したら今度は《黒薔薇のマルチェッサ/Marchesa, the Black Rose》の能力のおかげでまた戦場に戻ってくるのです。
→「不死」

不死持ちのクリーチャーではありませんが、不死を持たせる事で有名な《不浄なる者、ミケウス/Mikaeus, the Unhallowed》は恐らく入りそうですね。
マルチェッサに不死を持たせられないのが唯一の懸念ですが、そこだけを気にしすぎて《奸謀/Conspiracy》まで入れてデッキを歪ませるのはあまり得策ではないでしょう。
もちろん、《奸謀/Conspiracy》でゾンビを指定すれば《屋根の上の嵐/Rooftop Storm》や《ゾンビの黙示録/Zombie Apocalypse》などでゾンビデッキにする事も可能ですが、今回はその方向には進まないようにします。
《不浄なる者、ミケウス/Mikaeus, the Unhallowed》が入るということは、採用出来る無限コンボは・・・


・《不浄なる者、ミケウス/Mikaeus, the Unhallowed》+《トリスケリオン/Triskelion》
+1/+1カウンターが乗った状態で戦場に出る《トリスケリオン/Triskelion》は単体でもそこまで仕事をしないわけではなく、マルチェッサが戦場に出ていれば「どこかに1点ダメージを飛ばし、《トリスケリオン/Triskelion》自身に1点ダメージを飛ばす」事により、毎ターンどこかに1点ダメージを飛ばし続ける事が出来る地味すぎるコンボが成立します(笑)


《トリスケリオン/Triskelion》を採用するのであれば《壊死のウーズ/Necrotic Ooze》と《Phyrexian Devourer》のコンボまで採用するのも良いかもしれません。


・《不浄なる者、ミケウス/Mikaeus, the Unhallowed》+《残忍なレッドキャップ/Murderous Redcap》+生け贄手段
無限生け贄コンボですね。《残忍なレッドキャップ/Murderous Redcap》を始めとする頑強持ちクリーチャーは廃位とそこそこ相性が良く、一旦頑強して戻ってきた後で攻撃に参加すれば-1/-1カウンターと+1/+1カウンターが相殺してまた頑強出来るようになります。
→「頑強」


生け贄手段としては《ゴブリンの砲撃/Goblin Bombardment》《爆破基地/Blasting Station》《ファイレクシアの供犠台/Phyrexian Altar》《落とし子の穴/Spawning Pit》などが良いでしょう。これらはコンボしない時でもマルチェッサの効果を能動的に誘発させるために使う事もあるので、気持ち多めに採用しても問題ないと思います。
→「生け贄手段」


この能力2は残念ながら戻ってくるタイミングが即時ではなく終了ステップ開始時なのでこれだけで無限コンボには使えません。
無限ではありませんがコンボとしては、全体リセットとの組み合わせ、特に赤の《ジョークルホープス/Jokulhaups》のような、クリーチャーだけでなく土地なども一緒に洗い流してしまうリセットとの組み合わせがあります。
もちろんクリーチャーだけをリセットする呪文も、その後に自分のコントロール下にのみ軍勢がよみがえってくるので強力です。
→「リセット呪文」

(編注:死亡した時点で《黒薔薇のマルチェッサ》の誘発能力がチェックされるので、リセット呪文で《黒薔薇のマルチェッサ》が墓地に置かれてもターン終了時に効果は誘発する。同様に《黒薔薇のマルチェッサ》も死亡した時点で+1/+1カウンターが乗っていれば、自分自身の能力で戦場に戻る。)


能力2をよく見てみると、不死などとは異なり、「あなたのコントロール下で戦場に戻す。」と書いてあります。
つまり、一時的にコントロールを奪ったクリーチャーに+1/+1カウンターを乗せてから死亡させればあなたのコントロール下で蘇ってくるのです!
→「一時的にコントロールを奪うカード」
「+1/+1カウンターを乗せるカード」
「生け贄手段」



生け贄手段は上記の《不浄なる者、ミケウス/Mikaeus, the Unhallowed》無限生け贄コンボの際にも必要になってくるので、特にパーツを余分に付け足しすぎる事なく、スムーズにデッキに組み込む事が出来ます。





ということでこの段階で大体のデッキのコンセプトが定まってきました。

「無限コンボを狙いつつ、+1/+1カウンターの乗ったクリーチャーを並べて、全体リセット呪文を撃って更地に自分の軍勢だけという状況に持っていく」

軽く撃つ事の出来る《毒の濁流/Toxic Deluge》や《滅び/Damnation》などのリセット呪文を採用出来、自分の周りのメタゲームに応じて《紅蓮地獄/Pyroclasm》なども採用出来るため、マナクリーチャー戦略をとってくる相手にもナチュラルに耐性を持たせる事が出来、そこまで悪くは無いコンセプトだと思います。

また、大型クリーチャーで殴ってくるようなデッキ相手でももともとの黒の単体除去だけでなく、一時的にコントロールを奪うカードと《黒薔薇のマルチェッサ/Marchesa, the Black Rose》のプチコンボにより自らの軍勢とすることが出来るので、呪禁持ちでなければいくらでも対処できるような形に出来そうです。





能力1:「廃位」「あなたがコントロールする他のクリーチャーは廃位を持つ」

つまりあなたのクリーチャーはみんな廃位を持ちます。
廃位はコンスピラシーから導入された新しい能力で、「このクリーチャーが最多あるいは最多と同点のライフを持つプレイヤーを攻撃するたび、これの上に+1/+1カウンターを1個置く。」というものです。
ですから、自分のライフが最も多い時は誘発しません。したがって、適度にライフを支払うカードを入れるようにしましょう。
→「ライフを支払うカード」

残念ながらこの色の組み合わせでは対戦相手にライフを得させるカードで有効なものはあまりありませんでした。

ライフを減らす事なく勝利する方法として、感染持ちのクリーチャーで「毒殺」する方法があります。
相手のライフを減らす事無くこちらの感染クリーチャーを強化していく事が出来るため、非常に相性が良いですね。
→「感染」


また、+1/+1カウンターを扱うという事は非常に重要です。
何度か同じことを記事で言ってきたかもしれませんが、長いマジックの歴史の中で+1/+1カウンターをフィーチャーしたカード、能力は非常に多く存在します。
→「カウンターを取り扱うカード」




では、とりあえずいくつか役割をあげてきたので、それぞれの役割を果たせるカードを羅列してみましょう。
とりあえず採用に値しそうなものは全て書いてあるので、下記のカード全てをデッキに入れる必要はまったくありません。

項目ごとに上に行くにつれ採用優先度が高くなっています。


「+1/+1カウンターが乗った状態で戦場に出るカード」
《トリスケリオン/Triskelion》
《カルデラの乱暴者/Caldera Hellion》
《墓所の裏切り/Grave Betrayal》
《オパールの宮殿/Opal Palace》

他にもデッキの方向性によって採用に値するものが変わってくる場合があります。
トークンをもっと扱うカードを入れるのであれば貪食持ちのクリーチャーを、アーティファクトクリーチャーで攻めていくなら接合持ちのクリーチャー(そして《エネルギー室/Energy Chamber》)を入れていくと良いでしょう。

《オパールの宮殿/Opal Palace》は僕は普段は酷評しているのですが、1マナ追加するだけで《黒薔薇のマルチェッサ/Marchesa, the Black Rose》が除去耐性を持った状態で戦場に出るのであれば文句なしに採用出来ると思います。


「不死」
《不浄なる者、ミケウス/Mikaeus, the Unhallowed》
《憎悪縛りの剥ぎ取り/Flayer of the Hatebound》
《死せざる邪悪/Undying Evil》
《ゲラルフの伝書使/Geralf's Messenger》
《紅蓮心の狼/Pyreheart Wolf》
《グールの解体人/Butcher Ghoul》

《不浄なる者、ミケウス/Mikaeus, the Unhallowed》はコンボパーツとしても採用出来るのでほとんどの《黒薔薇のマルチェッサ/Marchesa, the Black Rose》デッキで採用される事になると思います。

《憎悪縛りの剥ぎ取り/Flayer of the Hatebound》は、自身だけでなく他のクリーチャーが墓地から蘇った時にも誘発するので、例えば《黒薔薇のマルチェッサ/Marchesa, the Black Rose》、《憎悪縛りの剥ぎ取り/Flayer of the Hatebound》、他の+1/+1カウンターが乗ったクリーチャーと並んだ時に全て生け贄に捧げたり全体リセットを放ったりすると、一気に大量のダメージを与える事が出来ます。


「頑強」
《残忍なレッドキャップ/Murderous Redcap》
《エレンドラ谷の大魔導師/Glen Elendra Archmage》
《魂の大鍋/Cauldron of Souls》
《川のケルピー/River Kelpie》
《くぐつ師の徒党/Puppeteer Clique》
《雷叫び/Thunderblust》

どれも何度も再利用出来れば強力なクリーチャー陣ですね。
《魂の大鍋/Cauldron of Souls》は無限コンボは出来ないものの、仮に+1/+1カウンターを乗せる事が間に合わなくてもクリーチャーを守る事が出来るので、少しマナコストは重いものの、オススメなカードです。

《川のケルピー/River Kelpie》は《黒薔薇のマルチェッサ/Marchesa, the Black Rose》の効果を誘発させながらドローが出来るだけでなく、不死持ちのクリーチャーと組み合わせるだけでもドローが出来るので、《黒薔薇のマルチェッサ/Marchesa, the Black Rose》に依存しすぎない良いカードです。


「生け贄手段」
《ゴブリンの砲撃/Goblin Bombardment》
《爆破基地/Blasting Station》
《屍肉喰らい/Carrion Feeder》
《アシュノッドの供犠台/Ashnod's Altar》
《落とし子の穴/Spawning Pit》
《ファイレクシアの供犠台/Phyrexian Altar》

どれもマナコストを必要とせず、何度でも生け贄に捧げる事が出来るパーマネントです。
《ゴブリンの砲撃/Goblin Bombardment》《爆破基地/Blasting Station》は無限頑強からすぐに勝ちに直結するため、是非とも入れましょう。
《屍肉喰らい/Carrion Feeder》はすぐに勝ちに直結はしませんが自身に+1/+1カウンターが乗るため、各種+1/+1カウンターシナジーとよく馴染みます。
《アシュノッドの供犠台/Ashnod's Altar》は色マナを出せないので普段は優先度を少し低めに評価しているのですが、今回は

《寓話の賢人/Sage of Fables》+不死持ちのクリーチャー+《アシュノッドの供犠台/Ashnod's Altar》





で無限ドローコンボとなります。また、不死持ちのクリーチャーが戦場に出た時に誘発する能力が無限に誘発するコンボになるので、もし《ゲラルフの伝書使/Geralf's Messenger》と《憎悪縛りの剥ぎ取り/Flayer of the Hatebound》を両方とも採用するのであれば少し優先度を高めにしても良いと思います。



「全体リセット呪文」
《滅び/Damnation》
《毒の濁流/Toxic Deluge》
《ジョークルホープス/Jokulhaups》
《抹消/Obliterate》
《壊滅/Devastation》
《苦痛の命令/Decree of Pain》
《残酷なハイソニア/Hythonia the Cruel》
《生命の終焉/Life's Finale》
《天を支える者/Bearer of the Heavens》

上の方のカードは「全体リセット呪文」という項目よりは「色が合っていたらとりあえず入れるカード」に近いですが、このデッキの動きにもかみ合っているので普段以上に迷わずに入れて良いでしょう。
全体リセット呪文とはいえ墓地に落ちない《黙示録/Apocalypse》や《滅殺の命令/Decree of Annihilation》は残念ながら採用できません。



「一時的にコントロールを奪うカード」
《反逆の印/Mark of Mutiny》
《ボーラスの奴隷/Slave of Bolas》
《攻撃的な行動/Act of Aggression》
《士気溢れる徴集兵/Zealous Conscripts》
《捕縛の言葉/Word of Seizing》

《反逆の印/Mark of Mutiny》は+1/+1カウンターを乗せる所までやってくれるので、後は生け贄手段を用意しておくだけで良い便利カードです。《ボーラスの奴隷/Slave of Bolas》は逆に生け贄に捧げる所をやってくれるので、+1/+1カウンターを乗せる手段を別に用意しておく必要があるカードですが、仮に乗せる手段が無かったとしても単体除去+αとしてカード1枚分の仕事はしてくれます。



「ライフを支払うカード」
単にライフを支払うカードと言ってもその用途は様々です。

《夜の囁き/Night's Whisper》
《月光の取り引き/Moonlight Bargain》
《ファイレクシアの闘技場/Phyrexian Arena》
《テゼレットの計略/Tezzeret's Gambit》
《血の署名/Sign in Blood》

この5種類はライフを支払いながらアドバンテージを稼ぐ事が出来るので、廃位を誘発させつつ攻撃するにはうってつけでしょう。
上の3種類はライフを支払うという目的が無いデッキであっても是非採用するべきカードです。
《テゼレットの計略/Tezzeret's Gambit》は他にくらべると見劣りしますが、増殖が+1/+1カウンターと相性が良いので採用に値するでしょう。
《血の署名/Sign in Blood》は色拘束が少し厳しいので、マナベースにちゃんとお金をかける事が難しい場合は採用しなくても良いと思います。

《呪文滑り/Spellskite》
《インプの悪戯/Imp's Mischief》

この2種類は相手の除去を弾くために必要になります。
特に《呪文滑り/Spellskite》は必要であれば(大抵の場合)好きなだけライフを支払うことが出来るので、確実に廃位の条件を達成させられますが、そこまで無理して廃位をすることはあまり無いでしょう。

《攻撃的な行動/Act of Aggression》
《四肢切断/Dismember》
《殺し/Snuff Out》
《血の復讐/Vendetta》
《はらわた撃ち/Gut Shot》

除去枠です。ライフを支払いつつブロッカーをどかす動きは廃位と非常にかみ合っているので便利です。
《攻撃的な行動/Act of Aggression》は「一時的にコントロールを奪うカード」でも登場しましたね。
《四肢切断/Dismember》《殺し/Snuff Out》は特にライフを支払う目的でなくとも採用に値するカードです。

《ファイレクシアの変形者/Phyrexian Metamorph》

2点しか支払えないのでライフを支払う事をメインに据えてこのカードを採用するわけではありませんが、《黒薔薇のマルチェッサ/Marchesa, the Black Rose》の能力で戦場に蘇ってきた時にまたコピーするものを選び直せる点も含めて、非常に便利なクリーチャーです。

《背信のオーガ/Treasonous Ogre》

ライフを支払いつつマナ加速が出来ます。
《黒薔薇のマルチェッサ/Marchesa, the Black Rose》を出すために無理してマナ加速をする場面はあまりないかもしれませんが、いつでも何度でもライフを支払えるカードは中々ありません。

《語られざる印/Unspeakable Symbol》

ライフを支払いつつ+1/+1カウンターを乗せる事が出来ます。
3点も支払って1個しか乗せられないので効率的には少し悪く見えますが、この色の組み合わせでインスタントタイミングで+1/+1カウンターを乗せることが出来る実用的なカードは少なく、《黒薔薇のマルチェッサ/Marchesa, the Black Rose》デッキには必須に近いカードと言えるでしょう。




「感染」
《ファイレクシアの十字軍/Phyrexian Crusader》
《荒廃のドラゴン、スキジリクス/Skithiryx, the Blight Dragon》
《汚れた一撃/Tainted Strike》
《荒廃の工作員/Blighted Agent》
《肉食いインプ/Flesh-Eater Imp》
《生体融合外骨格/Grafted Exoskeleton》
《堕落した良心/Corrupted Conscience》
《墨蛾の生息地/Inkmoth Nexus》
《ファイレクシアの槽母/Phyrexian Vatmother》
《黒割れのゴブリン/Blackcleave Goblin》
《核をうろつくもの/Core Prowler》
《胆液爪のマイア/Ichorclaw Myr》
《疫病のマイア/Plague Myr》
《疫病のとげ刺し/Plague Stinger》
《病毒のドレイク/Viral Drake》

感染持ちのクリーチャーだけ見ると数多く存在しますが、実用的なスペックのものとなると一気に少なくなってしまいます。
ですが、今回は廃位のおかげで育ちやすいので、多少スペックが低くとも採用に値するものが多いでしょう。
感染を主体に据える場合は感染を持たないクリーチャーを極力入れないようにして、どっちつかずにならないように注意しましょう。



「カウンターを取り扱うカード」
一言に取り扱うと言っても様々な能力があるので、細分化して紹介していきます。

「カウンターを取り除いて何かをするカード」
《寓話の賢人/Sage of Fables》
《トリスケリオン/Triskelion》
《シミックの干渉者/Simic Manipulator》
《ノヴィジェンの賢者/Novijen Sages》
《電離の嵐/Ion Storm》
《愚鈍な自動人形/Mindless Automaton》
《魔力の導管/Power Conduit》
《シミックの変転魔道士/Simic Fluxmage》
《刻まれた巫女/Etched Oracle》
《アカデミーの精鋭/Academy Elite》


もうすでに何度か登場したカードもありますね。基本的にはドローに変換したりダメージに変換したりするものです。
そうそう何度も廃位が誘発できるわけでは無い上に、カウンターが全部取り除かれてしまうと《黒薔薇のマルチェッサ/Marchesa, the Black Rose》の能力の恩恵を受けられなくなってしまうため、あまり多く採用する必要は無いでしょう。
何度も不死を誘発させるために使う場面もあるかもしれません。


「カウンターを乗せるカード」
《語られざる印/Unspeakable Symbol》
《血の長の刃/Blade of the Bloodchief》
《屍肉喰らい/Carrion Feeder》
《ヴァルカスの指輪/Ring of Valkas》
《死滅都市の執政/Necropolis Regent》
《雄牛のやっかいもの/Taurean Mauler》
《マルコフの刃の達人/Markov Blademaster》
《残酷なハイソニア/Hythonia the Cruel》
《死体生まれのグリムグリン/Grimgrin, Corpse-Born》
《イーヴォ島の指輪/Ring of Evos Isle》
《ザスリッドの指輪/Ring of Xathrid》
《イロアスの武器庫/Armory of Iroas》
《臓物にかぶりつく者/Entrails Feaster》


廃位とは別に+1/+1カウンターを乗せる事が出来るカードです。自身にだけ乗せられるものもあれば、他のクリーチャーに乗せられるものもあります。もちろん後者の方を優先して採用した方が良いでしょう。


「カウンターが乗っているクリーチャーに影響するカード」
《ゴブリンの壊し走り/Goblin Razerunners》
《サファイアのドレイク/Sapphire Drake》
《憤怒の鍛冶工/Rage Forger》
《細胞質の操作者/Cytoplast Manipulator》
《ラクドスの血魔女、イクサヴァ/Exava, Rakdos Blood Witch》
《ウーナのうろつく者/Oona's Prowler》
《思考喰らい/Thought Gorger》
《ヴィグの移植術師/Vigean Graftmage》


あまり種類は多くないものの、カウンターが乗っているクリーチャーに恩恵をもたらすものが多くあります。
それらの多くは自力でカウンターを乗せる事が難しいものですが、《黒薔薇のマルチェッサ/Marchesa, the Black Rose》が与える廃位のおかげでそのハードルも低くなっています。

特に《サファイアのドレイク/Sapphire Drake》はカウンターを乗せるために攻撃しないといけないがブロッカーが並んでいて攻撃できない・・・と言うような良くあり得る状況において効果的です。



という事で《黒薔薇のマルチェッサ/Marchesa, the Black Rose》デッキに必要そうなパーツを一気に羅列してみました。

コンセプトを重視しすぎて、デッキとしての体裁をなさなくなってしまっては本末転倒です。汎用的なサポートカードやデッキの潤滑油となるカード(ドロー、サーチ、除去、カウンター、マナ加速等)もしっかり入れていきましょう。
この色の組み合わせは呪文が非常に強力で、入れようと思えばいくらでもサポートカードを入れられるので、バランスに注意しつつ構築する必要があります。


コンセプトを少し重視したサンプルレシピを組んでみました。


Sample Deck
General
《黒薔薇のマルチェッサ/Marchesa, the Black Rose》

35land
《激浪の研究室/Riptide Laboratory》
《オパールの宮殿/Opal Palace》
《湿った墓/Watery Grave》
《血の墓所/Blood Crypt》
《蒸気孔/Steam Vents》
《ダークウォーターの地下墓地/Darkwater Catacombs》
《シャドーブラッドの尾根/Shadowblood Ridge》
《地底の大河/Underground River》
《硫黄泉/Sulfurous Springs》
《シヴの浅瀬/Shivan Reef》
《水没した地下墓地/Drowned Catacomb》
《竜髑髏の山頂/Dragonskull Summit》
《硫黄の滝/Sulfur Falls》
《広漠なる変幻地/Terramorphic Expanse》
《進化する未開地/Evolving Wilds》
《古えの墳墓/Ancient Tomb》
《統率の塔/Command Tower》
《崩れゆく死滅都市/Crumbling Necropolis》
《反射池/Reflecting Pool》
《クローシスの地下墓地/Crosis's Catacombs》
3《山/Mountain》
6《沼/Swamp》
6《島/Island》

22creature
《屍肉喰らい/Carrion Feeder》
《呪文滑り/Spellskite》
《寓話の賢人/Sage of Fables》
《ゲラルフの伝書使/Geralf's Messenger》
《雄牛のやっかいもの/Taurean Mauler》
《シミックの変転魔道士/Simic Fluxmage》
《残忍なレッドキャップ/Murderous Redcap》
《エレンドラ谷の大魔導師/Glen Elendra Archmage》
《ファイレクシアの変形者/Phyrexian Metamorph》
《背信のオーガ/Treasonous Ogre》
《細胞質の操作者/Cytoplast Manipulator》
《川のケルピー/River Kelpie》
《くぐつ師の徒党/Puppeteer Clique》
《カルデラの乱暴者/Caldera Hellion》
《雷叫び/Thunderblust》
《不浄なる者、ミケウス/Mikaeus, the Unhallowed》
《トリスケリオン/Triskelion》
《憎悪縛りの剥ぎ取り/Flayer of the Hatebound》
《残酷なハイソニア/Hythonia the Cruel》
《死滅都市の執政/Necropolis Regent》
《サファイアのドレイク/Sapphire Drake》
《天を支える者/Bearer of the Heavens》
42spell
《汚損破/Vandalblast》
《夜の囁き/Night's Whisper》
《強迫的な研究/Compulsive Research》
《反逆の印/Mark of Mutiny》
《毒の濁流/Toxic Deluge》
《滅び/Damnation》
《テゼレットの計略/Tezzeret's Gambit》
《ボーラスの奴隷/Slave of Bolas》
《ジョークルホープス/Jokulhaups》
《壊滅/Devastation》
《抹消/Obliterate》
《苦痛の命令/Decree of Pain》
《白鳥の歌/Swan Song》
《死せざる邪悪/Undying Evil》
《血の復讐/Vendetta》
《インプの悪戯/Imp's Mischief》
《否認/Negate》
《四肢切断/Dismember》
《殺し/Snuff Out》
《攻撃的な行動/Act of Aggression》
《月光の取り引き/Moonlight Bargain》
《仕組まれた爆薬/Engineered Explosives》
《師範の占い独楽/Sensei's Divining Top》
《太陽の指輪/Sol Ring》
《血の長の刃/Blade of the Bloodchief》
《落とし子の穴/Spawning Pit》
《魔力の導管/Power Conduit》
《イゼットの印鑑/Izzet Signet》
《ラクドスの印鑑/Rakdos Signet》
《ディミーアの印鑑/Dimir Signet》
《冷鉄の心臓/Coldsteel Heart》
《精神石/Mind Stone》
《天球儀/Armillary Sphere》
《アシュノッドの供犠台/Ashnod's Altar》
《爆破基地/Blasting Station》
《ファイレクシアの供犠台/Phyrexian Altar》
《彩色の灯籠/Chromatic Lantern》
《魂の大鍋/Cauldron of Souls》
《ゴブリンの砲撃/Goblin Bombardment》
《ファイレクシアの闘技場/Phyrexian Arena》
《語られざる印/Unspeakable Symbol》
《墓所の裏切り/Grave Betrayal》

 
紹介したそばからいきなり無限コンボを大幅カットしてしまっていますが、とりあえずのたたき台としてはそこまで歪では無いと思います。
また、《憎悪縛りの剥ぎ取り/Flayer of the Hatebound》などの普段使わないクリーチャーを入れてみたかったので感染持ちクリーチャーは入れない方向でデッキを構築しました。

今回も今までと同様に、値段が高いカードはあまり採用しないようにしてあります。
もちろんデッキコンセプト的にどうしても必要な高いカードなどは入ってしまっていますが、少なくとも1万円超えのカードは採用していないつもりです。

よりお金に余裕がある方であれば、色の安定だけではなくライフを支払う事にもつながるため、各種フェッチランドを揃えていくと良いでしょう。




コンスピラシーに収録されている他の伝説のクリーチャーもどれも個性的な能力を持っており、デッキの組みがいのあるものばかりになっています。
個人的には《永遠王、ブレイゴ/Brago, King Eternal》とどちらで記事を書くか非常に悩んだのですが、僕自身もマルチェッサでデッキを組んでみたかったのでこれで記事を書く事にしました。

 同じマルチェッサでもまた異なったコンセプトのデッキを組む事はもちろん可能なので、色々と模索してみましょう!



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