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by Iwa-Show
BMOの会場で密かに嬉しかったのが、恥ずかしながらインタビューを受けている際に「プロモアーカイブを楽しみにしている」という一言をいただけたこと。「プロモがあるのは知ってたけどなんのプロモかわからないものとか多くて、あれをまとめてくれているのは嬉しい」とのことで、あぁ、正にこのコラムで目指していることじゃないか…と、小さな感激に包まれたのでした。
その「何かわからないけど何かしらプロモ」の代表格と言うか、おそらく混乱の種になっているであろう集団が、このコラムでも何度も口酸っぱくそうだと言い続けている「WPN・ゲートウェイ」だ。そもそもの扱いが「マジックが盛り上がるように配布してあげてくださいね」というものだから、おそらく扱いに困ったお店もあったんじゃないかなと。
2010/??/??
投げ飛ばし
基本的に、これらゲートウェイは直近に発売された新セットのコモン・アンコモン…それも、どちらかと言えばトーナメントシーンを意識した構築のデッキには入らない、リミテッド向き・ファンデッキ向きのカードで構成されている。これは、名カードであればいずれ何らかの再録やプロモ化の機会はあるだろ、それよりもっと地味な子達に輝ける場を…という親心でプロモが選出されているに違いない。この《投げ飛ばし》なんてのもその典型だね。新規イラストで、元のカードよりもイラストとフレーバーが調和しているのが面白い。
森のレインジャー
こちらも同じく「基本セット2011」からチョイスされたコモンだ。これは構築でも使われた実績もある、優秀なエルフなので当時のFNMなどではデッキに入れている人を見る機会は多かったものだ。
疫病のとげ刺し
「ミラディンの傷痕」発売がもうそんなに前だったことにまずは困惑。同セットからは新能力、「感染」を持ったファイレクシアの尖兵がプロモに。これも全然実戦レベルで、ゲートウェイの選出良くなったよな~と当時思ったのも懐かしい。PT名古屋でレガシーのサイドイベントを観戦していた某LSVに「あれって?」と聞かれたのは良い思い出だ。
ゴーレムの心臓
逆にこういうカードがしっかりとゲートウェイになっているという事実に、何故か落ち着く。同セットから、ミラディン陣営に選ばれたのはこの1枚。なんか素朴で、味わい深い1枚だ。
皮裂き
出ました、本日の激レア。これは初見の方も多いでしょう。何故か英語版しか存在せず、アメリカ(他国も含むか?詳細は不明)のアドバンスド以上のレベルのショップにて扱われた、勝手に名付けてよいならば「ゲートウェイ・プレミア」とでも言いたくなる特別なプロモだ。しかもカードとして十分に強力な《皮裂き》とあれば、これは日本でも配って欲しかったなぁと思わずにはいられない。
2011/??/??
主の呼び声
翌年は最初のセット「ミラディン包囲戦」よりコモンがプロモに。このプロモは、マイアの頭部がここまで回転するということを世に知らしめた意味でも、非常に重要な1枚である(大袈裟)。
疫病のマイア
それまでのマイア像を一新する、スタイリッシュで有機的なデザインが目を引く1枚。こちらも感染デッキなどではよく採用されており、その姿を目にする機会は多かったものだ。
投げ飛ばし&森のレインジャー
そして《投げ飛ばし》と《森のレインジャー》、実に基本セットらしい1枚が…っていやいやいや。さっき書いたでしょ…と思われる方も多い事でしょう。僕も調べていて、あれミスかな?と思ってしまった。なんとこの2枚、昨年に続いての配布である。しかも、記載されている年代がしっかりと「2011」に変更されて。何故か妙にプッシュされた《投げ飛ばし》と《森のレインジャー》なのでした。コレクションされていて違いに気付いていなかった方は、是非とも確認してみよう。
大槌の接合者
「新たなるファイレクシア」では、配布されたプロモから遂にミラディン陣営のカードが消滅。物語の顛末を表しているかのようだ。同セットを代表すサイクルの1つである、「接合者」からは、緑のコモンが登場となった。性能はあくまでリミテッド止まりではあるが、ファイレクシアの浸食が完了した世界観をプロモという側面から広める一役を買った1枚ではある。
大霊堂のスカージ
そして、今週のトリは最も活躍した・今なお活躍し続けている「ゲートウェイ最強の1枚」の呼び声も高い、《大霊堂のスカージ》がお目見えだ。この不気味なイラストにFoil、そして《大槌の接合者》にも刻まれていたイラスト右下の「PLAY」ロゴが映える。このロゴが最初に刻印されたのがこのカードであり、これはゲートウェイのシンボル的存在としての血のカードに引き継がれてゆく(はずだった)。
日本語版では読み仮名が「だいれいう」と書かれていることでも有名になった。モダンでも現役バリバリの1枚なので、是非集めてみて欲しい。
今週はミラディンの傷痕ブロック周囲のプロモを、豆知識と共に紹介してきた。こうやって季節感と言うか、年代がわかるプロモの紹介は楽しいものである。プロモを知るは歴史を知る、う~ん良い言葉だ。というわけでまた次回、輝くプロモと共にお会いしましょう。
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