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安田マサユキの“実物提示教育致します”~Eternal Partyへの誘い~ 
 
text by Yasuda Masayuki

 2014年もいよいよ終わりですね。皆さんレガシー納めの準備はいかがでしょうか?
そう、Eternal Party’2014がついに明日開催です!

えっ? 予約を忘れた? 大丈夫です。当日受付もやっています!

Eternal Party’2014 開催案内


 また、サイドイベントにもスタンダード・レガシー・ヴィンテージのフォーマットの大会をそれぞれ用意しています。これで本選で負けても………ゲフン、ゲフン

Eternal Party’2014 サイドイベント


いや、出るからには優勝! ただその二文字を目指しましょう。
そのためにやることといえば、メタゲーム理解と警戒すべきデッキの把握!



 まずは国内の大会から。10月に行われたBIGMAGIC OPEN Legacyではタルキール覇王譚参入直後の環境でした。

「BIGMAGIC OPEN Vol.2 特設ページ」

さて、レガシーにおけるタルキール覇王譚の顔といえばこのカード。




 前回ご紹介したこのカードですが、BIGMAGIC OPEN Legacyではどのような立ち位置だったのでしょう。


BMOvol2メタゲームブレイクダウン







 下馬評通り《宝船の巡航》を使用したデッキが大人気で、URバーンやBUG Delverなど始め幅広い範囲で採用されました。その数なんと255枚!一つのデッキに4枚~3枚入れるパターンが多く、積極的に採用されていました。

 中でも《宝船の巡航》をふんだんに使えるURバーンの使用者は多く、28名にも及び2番目の使用率でした。URバーンは発売当初こそ目新しいデッキでしたが、この2ヶ月ですっかり定番になりましたね。

 また今やスタンダード・モダンでも幅広く使われている、《時を越えた探索》も奇跡コントロールとSNTで支持されました。こちらは《宝船の巡航》と違って2枚~1枚の採用が多かったです。
とはいえ、プレイヤーの中ではこの枚数でも十分な強化に値すると判断したのでしょう。奇跡コントロールは最多の36名、SNTは21名にものぼりました。

私自身《時を越えた探索》を2枚使用したSNTを使い二日連続でベスト8進出を果たしました。


BMOLegacyTOP8デッキリスト

Bazaar of MoxenTOP8デッキリスト





 BIGMAGIC OPEN Legacyのメタゲームはこれらの「探査」を中心に展開されました。

 全ての順位を通して見てみるとデスブレード、SNT、Omunitellは全体的に順位が良く上位で頻繁に見かけました。逆に上位に見かけなかったのがリアニメイトやドレッジといった墓地を利用するデッキ、ゴブリンやマーフォクといった部族デッキ。これらが苦戦している様子が伺えました。

各デッキごとの特徴は以下の通り。

・URバーン
4積みの固定パーツをきっちり取った一般的な形が支持されていました。
数も多く上位に残りましたが平均順位は並でした。やはり警戒されていたのでしょう。


・奇跡コントロール
上位から下位まで万遍なくいました。特段勝ち組というわけでもないですが、負け組とも言えない立ち位置でした。上位に残った奇跡コントロールは《時を越えた探索》を採用したタイプが多かったです。


・BUG Delver
URバーンと同じぐらい《宝船の巡航》の採用率が高かったです。ほとんどのリストで《宝船の巡航》が4枚使用されていました。平均順位もよく、勝ち組と言ってよいと思われます。


・SNT
《時を越えた探索》を2枚使用した形が多く、上位で最もよく見かけたデッキタイプです。
BMO LegacyではOmunitellと1、2を争うほど平均順位が良かったデッキタイプです。


・エルフ
ベスト8に一名残りましたが、中堅から下位でよく見かけるデッキタイプでした。大量にいた奇跡コントロールに苦戦した様子が窺えます


・RUG Delver
ベスト16の進出者が最も多く、優秀なデッキでした。
《宝船の巡航》なしで、他の巡航デッキを倒すことからこのデッキのポテンシャルの高さを感じます。まだまだ戦えるデッキタイプのようです。


・ジャンド
RUG Delverに次いで《宝船の巡航》環境に適応したデッキでした。盤面を作る能力の高さと《罰する火》で《宝船の巡航》の海を焼き切ったデッキです。3枚カードを引かれても引いたカードを全部対処出来れば問題ないということを証明しました。
《ゴブリンの熟練扇動者》を採用したタイプが多く見受けられました。


・デスブレード
アドバンテージ源を《精神を刻む者、ジェイス》から《宝船の巡航》に代えることによってよりスピーディーな構成になりました。
デッキパワーも申し分なく、BMOの王者に輝きました。


・Omunitell
数は少ないものの、軒並み順位が良くBMO.vol2の勝ち組と言えました。
勝ち手段を《無限への突入》から《引き裂かれし永劫、エムラクール》に完全にシフトしたものが多かったです。



 結果を纏めると、タルキールの2トップがあちらこちらで火を噴いていたのが本当に良くわかります。




そしてエターナルフェスティバル2014を挟み、Commander2014の発売。
ここで新しいカードが登場しました。



 リアニメイト、エルフ、霊気の薬瓶デッキ、そしてSneakShow。
メタの上位に入りうる数多くのデッキに、痛恨の一撃を食らわしてくれました。

 特にSneakShowはこれ一枚で完封と言っても過言ではありません。それ故《封じ込める僧侶》が使用可能になった後の各トーナメントをチェックすると、Omnitell型にシフトしています。


 ではCommander2014の発売後の、GPニュージャージーの情報もお届けしましょう!
4003名ものプレイヤーが参加したこのグランプリを制したのは、Jeskai Stoneblade!

GRAND PRIX NEW JERSEY 2014 優勝
18and
3 《Volcanic Island》
3 《Tundra》
4 《溢れかえる岸辺/Flooded Strand》
4 《沸騰する小湖/Scalding Tarn》
2 《乾燥台地/Arid Mesa》
1 《平地/Plains》
1 《島/Island》

10creature
4 《若き紅蓮術士/Young Pyromancer》
4 《石鍛冶の神秘家/Stoneforge Mystic》
2 《真の名の宿敵/True-Name Nemesis》

32spell
1 《殴打頭蓋/Batterskull》
1 《梅澤の十手/Umezawa's Jitte》
4 《ギタクシア派の調査/Gitaxian Probe》
4 《渦まく知識/Brainstorm》
4 《思案/Ponder》
4 《宝船の巡航/Treasure Cruise》
4 《Force of Will》
2 《呪文貫き/Spell Pierce》
2 《紅蓮破/Pyroblast》
3 《稲妻/Lightning Bolt》
3 《剣を鍬に/Swords to Plowshares》
15sideboard
1 《紅蓮破/Pyroblast》
3 《翻弄する魔道士/Meddling Mage》
1 《水流破/Hydroblast》
1 《ヴェンディリオン三人衆/Vendilion Clique》
2 《狼狽の嵐/Flusterstorm》
1 《至高の評決/Supreme Verdict》
1 《議会の採決/Council's Judgment》
1 《墓掘りの檻/Grafdigger's Cage》
1 《摩耗/損耗/Wear/Tear》
2 《封じ込める僧侶/Containment Priest》
1 《電謀/Electrickery》

  さて、Jeskai Stonebladeと言えば日本ではパトリオット、トリコ石鍛冶、Uwr Delverと様々な呼ばれ方をしていますが、概ね「青赤白カラーの《秘密を掘り下げる者》を使ったテンポデッキ」というのが共通の認識なのではないでしょうか?
 ですが、このリストを見ると………肝心のデルバーがいない…だと…

 《宝船の巡航》をそのまま既存のパトリオットのリストに入れてしまっても十分強かったのですが、これはより深く踏み込んだ形になっています。《秘密を掘り下げる者》を抜いて《若き紅蓮術士》を入れることによりURバーンとしての動きも獲得しています。
更には《不毛の大地》も入っていません。ですから、パトリオットの亜種というよりはURバーンにタッチ白をしたという見方が正しいのかもしれません。

 白をタッチすることにより《石鍛冶の神秘家》や《剣を鋤に》と言った強力な呪文を獲得できたのでカードパワーが飛躍的に上昇しました。また、サイドボードにも《摩耗+損耗》や《議会の採決》と言った、盤面に触れるカードが入ったことは、URバーンに比べて大きな進化でしょう。

 パトリオットとURバーンの長所を上手くまとめ上げて、《宝船の巡航》をより強く使っています。

 そしてメインの《紅蓮破》。昔は奇跡コントロールでときおり見かける程度だったのですが、今や当たり前になってしまいましたね…。まあ、3ドロー/7枚サーチがバーゲンセールしている今の環境では致し方ないのかもしれません。




さて、メタゲームの方に目を向けてみましょう。


引用元:GRAND PRIX NEW JERSEY 2014


二日目進出の上位5つのデッキは以下のようになりました。
1位 URバーン
2位 Jeskai Stoneblade
3位 Death&Taxes
4位 奇跡コントロール
5位 ANT

 日本のメタゲームと違って目を引くのはDeath&TaxesとANTの存在感でしょうか。海外は未だにストームの人気が根強く、デッキパワーもあるのでしばしばメタゲームの上位に現れます。
日本ではストームコンボは人気があるとは言えませんが、私は一級線のデッキだと思っています。

・・・というわけで、Jeskai StonebladeとANTも仮想敵に追加しましょう。




よし、候補が絞られたぞ!
皆さん週末に向けて思い思いのデッキを練り上げるに当たり、チェックすべきデッキはこいつらだ!

刮目 せよっ!!!!

・URバーン
・BUG Delver
・RUG Delver
・Omunitell
・奇跡コントロール
・デスブレード
・Jeskai Stoneblade
・ANT


いや、勝ってるやつ上から並べただけやん(爆)

しかし見事に青いですね・・・やっぱり巡航&探索がいけないんや…




安田真幸
主な戦績
レガシー選手権2011 優勝
レガシー選手権2012 5位
プロツアーオースティン2008 出場
プロツアー名古屋2011 出場”
プロツアー“ドラゴンの迷路” 参加未遂

フォーマットを問わずプレイするオールラウンダー。レガシー選手権優勝、3度獲得したプロツアーの権利もすべて違うフォーマットというところからも、その器用さが伺える。
海外でのプレイ経験も豊富なベテランプレイヤーである。

本人のブログ:MTG戦歴を報告致します

過去の記事
「Modern Deck Tech このデッキを実物提示教育致します(Trico Traft)」

Deck Tech: 安田 真幸(大阪)の「ずっと俺のターン!」


「安田マサユキの “実物提示教育致します”」
第1回
第2回
第3回
~Legacy Analyze~


「勝手に挑戦・PTQタルキール覇王譚~
Journey into Honolulu~」

その1
その2
その3
その4
 
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