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石田弘「黒に染まりゃいいんだよ!」第1回
 

text by Ishida Hiroshi




今宵もまた闇の宴へようこそ、黒き盟友よ!
悪魔使いdds666こと石田弘です。

前回黒への讃歌に留まりましたが、この第1回からは本格的な戦略記事になります。

今回からはGP京都へ向け、レガシーでの「黒」について書いていこうと思います。
第1回は黒のみに許された、黒だけの特権にして黒の代表的ギミック……「手札破壊」についてです。




・レガシーにおける黒と手札破壊
レガシーにおいて、黒は青に次ぐ強力なカラーと言われています。各種デュアルランドのシングルとしての価格もそれを示しています……が、実際には黒が最強なのは説明するまでもありません(第0回もそうでしたが、この記事は黒のみを礼賛する記事であります。)

その理由として、今回紹介する「低コストの手札破壊カード」の存在があります。
特にレガシーでは、相手の手札を確認して好きなカードを捨てさせることの出来る《思考囲い》タイプのカードが強力です。

皆様ご存知の通り、やはりレガシー環境は早く、序盤の数ターンで決着がついてしまうこともしばしばです。
それは1枚1枚のカードが強力ということもありますが、2枚以上が組み合わさるとそれだけでゲームが終わってしまうようなカード群……いわゆる「コンボ」の存在が大きいです。

例えばレガシーでも最も凶悪かつお手軽な瞬殺コンボカードの1つ、《実物提示教育》。
色々なデッキの名前の元にもなっていますが、わずか2、3枚のマナソースから《全知》なり《グリセルブランド》なりが出てしまえばほぼゲームセットです。

他にも即死コンボとまでは行きませんが、組み合わせで強烈なシナジーを発揮する「相殺独楽」(《相殺》×《師範の占い独楽》)や、1枚でも大きな効果を発揮するキーカード……例えば《垣間見る自然》や《血染めの月》、《虚空の杯》など、それだけでゲームの流れを決めるような低コストカードは多数存在します。

そういったカードが効果を発揮する前、まさしくゲームの1ターン目にも捨てさせてしまえる低コストの手札破壊は、レガシーでも最強の1枚となっています。

また逆に、その「コンボ」デッキ側が、相手の対策カードをあらかじめ排除 するために使う手札破壊も強力です。
とりあえず手札確認してカウンターや対策カードを捨てさせ、それで必ずコンボが通るようなら勝利確定ですし、まだ相手の手札に妨害カードがあったとしてもまずは1:1で1番厄介なカードを捨てられるので自分が優位に立てます。

デッキの特性上打ち消し呪文が使えない(搭載できない)「ANT」や「ドレッジ」などが、それでもレガシーでやっていけるのはこの手札破壊によって妨害突破ができるからです。

もちろん、コンボデッキ以外……いわゆるフェアデッキ相手だとしても手札破壊は有効です。
相手のキープ基準であった主軸のカードを捨てさせたり、そうでなくても1番厄介なカードを必ず1:1で処分できるのですから当然ですね。
また対戦相手の手札を見ることにより、今後の展開を予測できるのも、レガシーでは他の環境以上に大きい意味を持っています。

いずれにせよ手札破壊というものがレガシーで大きな意味を持っていることは疑いの余地がありません。

手札破壊カードの弱点として、すでに相手の手札が無かったり、終盤トップした場合に弱い、という事があります。
ですがレガシー環境では、こういった事態が起きないとは言いませんがそう危惧するほどではありません

スタンダードではデッキ内全てのカードをパワーカードで固めているデッキが多く、どれだけ手札破壊しても捨てさせたものと同レベルのカードが手札に残ってしまったり、あるいはトップからパワーカードを叩きつけられて結局無意味……という事態も多いのですが、レガシーではフェアデッキでも役割特化しているカードが多く、その中から選んで捨ててしまえるのはゲーム上で非常に有利に立てます。




もちろん、カード間の有用性が大きく偏っているコンボデッキ相手ならそれ以上に有利です。
さらに言えば手札破壊を使う側もデッキ自体の速度が速ければ、ここで危惧しているような事態はさらに起きづらくなります(ゲームが早く終わるということは、ドロー回数が少ないという事で、つまりトップデッキされる確率が減るわけですから)。

まとめますと、レガシーでの手札破壊は環境の後押しもあり、スタンダードのそれよりもずっと強力で、かつ重要だということです。




・レガシーならではの手札破壊の弱点
このように強力なレガシーでの手札破壊ですが、逆にレガシーならではの対策法もあります。
ずばりいってレガシーでの使用率ナンバー1、青の代名詞とも言える憎っくき《渦まく知識》がそれです。
こちらの手札破壊にスタックして《渦まく知識》がプレイされ、重要カードが山札の上に隠されてしまうと、さしもの《思考囲い》でもどうにもなりません。
《陰謀団式療法》だと、なんとも言いがたい読み合いが発生します(しかしどう考えても手札破壊側が不利です(笑))。

そして当然ですが、手札にないカードには手が出せません。
プレイされる前に処理するカードなので当然の話なのですが、相手が手札以外の領域に蓄えているカードには手が出せないのです。
トップデッキは仕方ありませんが、例えば墓地からでも働く《罰する火》や《炎の中の過去》には効果が薄いわけです。

また滅多にあることではありませんが、相手側先手の1Killには対処できません。ここは《Force of Will》なら対処できてしまう部分なので、悔しいですがこの点では劣っていると言わざるを得ません。




またレガシーだけではありませんが、《神聖の力線》は天敵です。捨てさせる前に場に出てしまうのがインチキです。




・手札破壊系カード紹介
レガシーでよく使われる手札破壊カードについて、個別に紹介します。


《思考囲い》



様々なデッキで、よく採用されているもっとも代表的な手札破壊でしょう。
僅か2ライフと引き換えに、相手の手札を見て、その中から好きなカードを1枚捨てさせることができます。
僅か1マナで可能なアクションでありながら、ゲームの流れを大きく変えることが出来ますし、その軽さからキープ基準にもなります。

スタンダードでは必ずしも1ターン目にプレイするのが最良とは限らない《思考囲い》ですが、レガシーではできるだけ早くプレイしたいことが多いでしょう。特に後手の場合は、自分の場の展開よりもこちらを優先したほうがいい事が多いです。

先述したように、レガシーでは、序盤から致命的なカードが多いですからね。逆に言えばそれを未然に潰せる手札破壊はそれだけ強力ということです。

相手のキープ基準を破壊出来てしまうのは素晴らしいことですし、相手のハンドからデッキタイプや今後のプランを一方的に見透かせるのは大きなアドバンテージです。

対策カードを先に叩き潰す事が出来るのも大きく、打ち消しを持っていないのに「ANT」や「ドレッジ」といったデッキがレガシーで行きていけるのも手札破壊呪文のおかげというのは先ほども述べた通りです。後述の《陰謀団式療法》と《思考囲い》を合わせれば、ほとんどの対策カードを突破してしまいます。

この使用方法で使う場合も、必ずしも1ターン目にプレイするのが最良とはなりませんね。コンボ始動前に安全確認して、という使い方が安定です。
もっとも、先に戦場に出すタイプの対策カードもありますから、この辺りはケースバイケース、経験と知識が物を言います。




《思考囲い》の欠点としては、《誤った指図》や《方向転換》といったカードで返されると大きくアド損してしまうことです。
これは逆に言うと、これらの呪文で曲げられるということは自分を対象にしてもプレイできるということですので、「リアニメイト」デッキで手札からクリーチャーを捨てるのにも使えます。




類似カードに《強迫》や《コジレックの審問》があります。
どちらも強力な手札破壊カードであり一長一短ですが、やはり汎用性の高さから《思考囲い》が1番使用率が高いようです。

以前は《コジレックの審問》もかなり強力だったのですが、最近では「実物提示系デッキ」に対して無力な場合が出てしまうのであまり良い選択とはいえません(相手のハンドが《実物提示教育》2枚、《引き裂かれし永劫、エムラクール》1枚……ああ、これが《思考囲い》だったら!)




とは言え、相手にした時《思考囲い》の2点ライフルーズが重くのしかかってくるデッキタイプも一定数は存在します。「デルバー系クロックパーミッション」や「バーン系デッキ」などですね。そういう相手には審問のほうがいいと感じることもあります。

《強迫》は《誤った指図》や《方向転換》を受けないという明確な強みがあります。
コンボデッキに対してはかなり有効なカードですし、逆にコンボが対策カードを引き抜く際にも頼りになるカードで、サイドボードではよく見るカードです。
弱点はそのままで、クリーチャーを捨てさせられないことですね。
コンボを阻害する“ヘイトベア系生物”や《ザンティッドの大群》など、クリーチャー系の危険なカードも多いですし、やはりメインに入れるには思考囲いのほうが信頼できるでしょう。




思考囲い系カードの弱点として、先手後手で強さがかなり変わってしまうと言う事が挙げられます。
先手1ターン目のアクションとしては最強レベルの思考囲いですが、後手だと先に1マナクリーチャーを展開されてしまっていたり、あるいは渦まく知識を構えられてしまっていたりと、少し裏目が発生しやすくなります。
フェアデッキ相手でも、先に場に出てしまっている脅威に対処している間に、プレイするタイミングを逃してしまう事があります。

また単純なアドバンテージの面では1:1取引しているだけですし、ライフルーズというコストもあります。
例えば相手が「URデルバー」で、《思考囲い》を打ったら「《秘密を掘り下げるもの》《僧院の速槍》《稲妻》《稲妻》《渦まく知識》土地*2」のような場合だったら、殆ど意味がありませんよね。
頼り切るのではなく、相手によってはサイドアウトする事も考慮されるカードです。

とは言え、それでも強力なカードに変わりはありません。
プレイするタイミング、ディスカードの選択など、経験と知識を積むほどに強くなるカードです。
黒使いとして、是非、使いこなしたいカードの代表です。


《陰謀団式療法》



かなり独特なテキストを持つ手札破壊呪文で、使いやすさでは《思考囲い》に劣りますが、その分使いこなした時の強力さは凄まじい物があります。
これを上手く使えるようになると、黒使いとして習熟したなぁ、と実感できます。

カード名の指定が必要ですが、打ち消す場合には気をつけてください。カード名指定はカードの効果の一部なので、それを聞いてからの打ち消しは出来ません
使用する際には「《陰謀団式療法》プレイします。打ち消しますか?」→「では解決します」→「カード名指定します」という段階を踏めばコミュニケーションエラーは発生しません。いきなり「陰謀団式両方プレイ、指定は◯◯!」と先走らないように。
黒使いは紳士なのですよ、フフフ……。

さてそのカード名指定ですが、ある程度環境になれて来れば意外と当てられるようになってきます。特に相手がフェアデッキの場合は、自然とハンドに残っているカードは限られてくる(マナカーブに沿ってクリーチャーを展開するのが基本ですから)ので読みやすいです。
そのためには相手のデッキ構成を予測……その元となるデッキタイプや代表的レシピの把握といった知識が必要です。
とりあえず青ければ《渦まく知識》や《Force of Will》を指定するのもありですが、後半になってくれば相手が手札に抱えているカードは自然と搾られてきます。
それらのカードが何かわかるには…これはもう、実戦経験で磨き上げるしかありません。

また、持たれていたら一番イヤなカードを指定するのも単純ですが有効です。
特にこちらが優勢の時や、コンボデッキの始動前には有効ですね。「あのカードさえ持たれていなければ勝てる」という状況なら、そのカードを指定すれば外れても持っていないのだから問題ないわけです。

さて、ここまでは前座です。

《陰謀団式療法》には、確実にヒットさせる方法が幾つかあるのです。
と言っても何も難しいことはなく、要は相手の手札がわかっていれば絶対にヒットさせられるので、先に相手の手札を覗いておけばいいわけです。
前述した《思考囲い》などとの併用がこれに当たり、黒いデッキでの露払いとして有効な戦術です。過去には《強迫》4枚とこれ4枚の採用を「8 Duress」などと呼ばれていました。
また最近の流行が《ギタクシア派の調査》との併用です。Φマナの使いやすさもあって、これも有効な組み合わせです。




また、相手がサーチカードを使った後ならば必ずヒットさせることが出来ます。
例えば《石鍛冶の神秘家》のサーチ後などは、よくある状況でしょう。

《陰謀団式療法》のもう1つの特徴が、フラッシュバックです。
マナを必要とせず、クリーチャーの生贄をコストとしているのが、いかにも黒らしいデザインです。
そのまま使ってもアドバンテージにはなりませんが、通常プレイで外してしまった場合のフォローとして、あるいは手札に想定外の強力カードがあった場合の緊急対処としても有効です。マナを必要としないのが非常に強力ですね。

このフラッシュバック、使いこなせるデッキではメインギミックになるほどの強力さを秘めています。
複数体のトークンを生み出すようなカードと併用すれば、コストが簡単に用意できるというわけです。
特に有力なのは《若き紅蓮術士》との併用で、猛烈な勢いでアドバンテージを稼ぐことが出来ます。




その他では、ドレッジ系デッキでの使用が有名でしょうか。墓地に落としてからのノーコストの使用、生贄用意の潤沢な手段、そしてクリーチャーを墓地に落とすこと自体に意味があるなど、このカードを1番使いこなしているデッキと言えるかもしれません。

「ドレッジ」でもそうですが、フラッシュバックコストそのものを有効利用するギミックもあります。
生贄をコストとしてだけでなく、クリーチャーを墓地に置く手段とみなしての悪用ですね。コスト支払いなのでカウンターも出来ず信頼性が高いです。

「The Gate」という黒デッキで、《深淵の迫害者》を処分する手段として使用されていました。最近ではパワー不足からあまり見なくなりましたが、あれもいいデッキでしたねえ……。





《Hymn to Tourach》



これもレガシーならではの手札破壊で、かつては手札破壊の代名詞でした。
これまで紹介してきた手札確認型の手札破壊カードとは、似て非なる役割を持ったカードです。

僅か2マナで相手の手札を2枚も落とせるので、アドバンテージを簡単に得ることが出来ます。
ランダム・ディスカードなので確実性には欠けますが、その分土地でさえ落としてしまえる可能性があり、先手2ターン目のこれで土地が無くなってそのままGG(Good Gameの略。負けた側が投了の合図として用いるのが一般的)、という展開もありえます。
デッキ間の相性など無関係なゲームが発生してしまう可能性を考えれば、もっとも恐ろしいカードと言えるかもしれません。

やや重いのが難点で、特定カードを破壊する役目を負わせにくいのが弱点です。これらの要素から、アンフェアデッキ相手にはさほど効果が見込めないこともあります。

もちろん2枚ランダム・ディスカードはどんなデッキであれ喰らいたくはない効果。どんなデッキ相手でも完全に無駄になる事はないのですが、その特性上、ある程度の長期戦になる試合のほうが強く使いやすいでしょう。
反面、カード総枚数でのぶつかり合いになるフェアデッキ同士の対戦では特に強力です。
2ターン目Hymn、3ターン目Hymnで、もう殆ど手札が無くなってしまう○ソゲーもありえます。
カードの総枚数がそのままダメージに直結する「バーン」デッキ相手でも非常に頼りになるカードです。

また他の手札破壊と組み合わせることで、相手の選択肢を急速に狭めていく事が出来ます。1ターン目《思考囲い》2ターン目Hymn、という動きは相手の手札をズタズタにしてしまうでしょう。ああ、なんと美しい……。

このように強力なヒムも、1枚でこれ以上のアドバンテージを取られてしまう《宝船の巡航》によって一時期はほとんど絶滅していました。
今では巡航も禁止になったので、またその活躍を見られるようになりました。




個人的には大好きなカードで、デッキ相性差やプレイヤーの力量差も何も関係なく土地引き抜いてGG! という展開がありえるのが本当に好きです(笑)。

また絵柄がプロモ版も合わせると5種類もあり、しかもどの絵柄も魅力的です。
好きなカードで揃えたり、逆にデッキに1枚ずつ入れたりと、こだわってみるのもいいですね。




《カラスの罪》



特殊な手札破壊呪文で、相手が選んで1枚捨てるだけで、カードテキストとしては最弱レベルの手札破壊になります。
このカードの強みは“回顧”です。手札に土地がある限り連打できるので、これで一気に相手のハンドを0 枚にしてしまうのが狙いです。
《壌土からの生命》のシナジーとして、主に「ローム」系デッキで使われています。「ポックス」系デッキでもそのギミックを見込まれて採用される場合があります。





《ヴェールのリリアナ》


純粋な手札破壊カードではありませんが、手札破壊といえばこのカードは避けて通れません。
言うに及ばず、レガシー環境でも《精神を刻む者、ジェイス》と並び最強のPWの1枚とされるパワーカードです。
このカード自体について説明しだすとまた脱線してしまうので、今回は手札破壊機能に関して解説します。

《ヴェールのリリアナ》は戦場に出て以降、毎ターンお互いの手札をすり減らす事が出来ます。
1番どうでもいいカードを捨てられるだけなので、コンボデッキ相手にこれだけでは悠長ですが、他に手札破壊を挟むことにより加速度的に追い込んでいくことが出来ます。

特に「ANT」などのような、複数枚の手札を前提としたコンボデッキに対しては1枚だけでも強力です。
また「奇跡」のような、低速度のコントロールデッキに対しても、何枚も手札を捨てさせ続ける事が可能なので強力な支配力を発揮します。

そして、《ヴェールのリリアナ》の強みは汎用性の高さです。
手札破壊もできるのに、クリーチャー除去もでき、さらに奥義の影響力もあるので、どんなデッキ相手でも腐る事がありません。
効果の大小こそあれ、《ヴェールのリリアナ》が影響しないゲームはほぼ存在しません。

手札破壊呪文そのものと《ヴェールのリリアナ》も、シナジーがあります。
手札破壊呪文は相手の手札が無くなってしまえば無意味ですが、そうなったらこちらはリリアナで捨てるカードにそれをあてればいいわけです。
また手札破壊呪文というものはカウンター呪文と違って手札に貯めこむものではなく、能動的にプレイしていき、お互いにリソースを削り合っていくものです。

MTGはドローフェイズに1枚しかカードが引けず、リリアナは毎ターンカードを1枚ずつ捨てさせるので、いずれ両者ともに手札が無くなります。
リリアナの能力に加え、他の手札破壊呪文をプレイすることでその枯渇状態に至るまでを加速させる事ができ、こちらのペースに引きずり込みやすくなります。

リリアナ様に関しては本当、書ききれません。
また次回以降でも触れることになると思いますので、軽いですがこの辺りで……。

ああ!そうだった!
マジック・オリジンでの登場や、RPTQでのプロモ化など、最近リリアナ様は大活躍ですね!
おめでとうございますリリアナ様!







~今週の「闇より這い出しもの」~
お題にしたテーマで黒いデッキを作るこのコーナー!(ノリで今決めました)
今日のお題はハンデスをテーマとしたレガシーデッキになります。
さて記念すべき第1回の黒デッキは……ずばりこれだ!!


Sample Deck:「黒単メガハンデス」
22land
11《沼/Swamp》
3《ヨーグモスの墳墓、アーボーグ/Urborg, Tomb of Yawgmoth》
4《不毛の大地/Wasteland》
4《古の墳墓》

38spell
2《コジレックの審問/Inquisition of Kozilek》
2《強迫/Duress》
4《思考囲い/Thoughtseize》
4《Hymn to Tourach》
4《小悪疫/Smallpox》
2《女王への懇願/Beseech the Queen》
4《罠の橋/Ensnaring Bridge》
4《Helm of Obedience》
4《虚空の力線/Leyline of the Void》
4《暗黒の儀式/Dark Ritual》
4《ヴェールのリリアナ/Liliana of the Veil》



大量の手札破壊で相手の自由を封じ、こちらからは「ヘルム・ヴォイド」コンボでトドメを指します。




メインの《虚空の力線》で墓地活用を許しません。憎い憎い《時を超えた探索》なんて打たせませんし、捨てたカードをリアニされる「友情コンボ」を食らう事もありません。
うまくすれば妨害しながら4キル程度を狙えます。レガシーなので安いカードばかりというわけではありませんが、黒単色なので比較的安価で組めると思います。




というわけで、長くなりましたがいかがでしたでしょうか。
《渦まく知識》のプレイングの難しさはレガシーでも随一、と言われていますが、手札破壊についても同様の深さがあります。
今回は、紹介程度の入門編です。

本当は手札破壊が生み出すテンポや、また失うテンポであるとか、公開させた手札からどれを抜くのが最適なのかとか、そもそも手札破壊だけじゃゲームには勝てないんだよとか、だから手札破壊の採用枚数は自分のデッキ速度によって繊細に調整すべきだよ、とか……話したいことはいっぱいあるんですが、とりあえず今回はここまでにします。

黒の深淵はあまりにも深い……
皆さんも、一緒に暗黒の最奥へと進みましょう。

それでは次回も……黒に染まりゃいいんだよ!




石田弘

自他共に認めるリミテッダーで、dds666のハンドルネームでおなじみである。
国内のリミテッドPEで2度の入賞、初出場のプロツアー“ギルド門侵犯”においても賞金圏内に入賞を果たすなど、その実力は確かなもの。

本人のブログ:ライフは一点あればいい


主な戦績
グランプリ神戸2011 Top8
The Limits2011 Top8
プロツアー“ギルド門侵犯” 出場

「黒に染まりゃいいんだよ!」
第0回
第1回

「カジュアルで遊ぼう」
第1回モミールベーシックで遊ぼう1
第2回モミールベーシックで遊ぼう2
第3回モミール戦略:構築編
第4回モミール戦略:戦術編

「ポックスリアニ」
その1~誕生編~
その2~デッキ解説編~
その3~サイドボード編~
その4~調整編~

「コンスピラシードラフトを楽しもう」
その1
その2

赤黒ゾンビデッキとの遭遇

「グランプリ静岡参加レポート」
 
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