text by Okamoto Keita
お久しぶりです!統率者関係記事担当の岡本です!
『運命再編』も発売され、「タルキール龍紀伝」も発売間近となりましたが、皆さんは統率者ライフを楽しんでいますか?
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『運命再編』でもまた新たに統率者候補が多数登場して、皆さんのプレイされている環境も再編されてきたのではないでしょうか?
今回は「タルキール龍紀伝」発売直前に、にわかに話題になっている「タイニーリーダーズ」(外部リンク)を紹介したいと思います。
関連公式記事:“あなたが(たぶん)知らない5つのフォーマット”(外部リンク)
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「タイニー」=「とても小さい」…チビって、誰のことだ? |
タイニーリーダーズとは、
①.基本的に1対1の統率者戦
②.初期ライフは25(統率者ダメージによる敗北条件は無し)
③.統率者を含む全てのカードの点数で見たマナコストは3以下
④.デッキ枚数は統率者を含めて50枚
以上のようなフォーマットになっています。
①と②から、削るべきライフがたったの25点で良く、④からデッキの密度が非常に濃くなっているため、ゲームスピードが非常に早い環境になる事が予想されます。
また、③のルールから土地を伸ばして大きなスペルを撃つ事が出来ない(Xスペルを除く)ので、マナランプ系のデッキもほとんど存在しないでしょう。
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禁止リストもまた、通常の「統率者戦」「デュエル・コマンダー」とは別に、新たに設定されています。
WotC公式サイト“あなたが(たぶん)知らない5つのフォーマット”で紹介されていた禁止リストはタイニーリーダーズ公式サイトのものと違うものが掲載されてしまっています。
タイニーリーダーズ公式に問い合わせた所、タイニーリーダーズ公式サイトに掲載されている禁止リストが最新のものである、との返事をいただいたため、そちらに準拠したいと思います。
その禁止リストの内容はコチラ
タイニー・リーダーズ禁止リスト
《Ancestral Recall》
《天秤/Balance》
《Black Lotus》
《黒の万力/Black Vise》
《チャネル/Channel》
《相殺/Counterbalance》
《Demonic Tutor》
《大地の知識/Earthcraft》
《トレストの密偵長、エドリック/Edric, Spymaster
of Trest》
《Fastbond》
《ゴブリン徴募兵/Goblin Recruiter》
《隠遁ドルイド/Hermit Druid》
《伝国の玉璽/Imperial Seal》
《Library of Alexandria》
《Karakas》
《Mana Crypt》
《Mana Drain》
《魔力の櫃/Mana Vault》
《金属細工師/Metalworker》
《精神錯乱/Mind Twist》
《Mishra's Workshop》
《Mox Emerald》
《Mox Jet》
《Mox Pearl》
《Mox Ruby》
《Mox Sapphire》
《ネクロポーテンス/Necropotence》
《絵描きの召使い/Painter's Servant》
《Shahrazad》
《頭蓋骨絞め/Skullclamp》
《太陽の指輪/Sol Ring》
《露天鉱床/Strip Mine》
《適者生存/Survival of the Fittest》
《肉体と精神の剣/Sword of Body and
Mind》
《Time Vault》
《Time Walk》
《Timetwister》
《トレイリアのアカデミー/Tolarian Academy》
《梅澤の十手/Umezawa's Jitte》
《吸血の教示者/Vampiric Tutor》
《Wheel of Fortune》
《ヨーグモスの意志/Yawgmoth's Will》
統率者に指定禁止
《上位の空民、エラヨウ/Erayo, Soratami
Ascendant》
《ラノワールの使者ロフェロス/Rofellos, Llanowar
Emissary》
《浄火の戦術家、デリーヴィー/Derevi, Empyrial
Tactician》
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勿論、これに加えてアンティカードや物理的な工程が必要なカードも禁止になっています。
これが正式なリストですが、僕自身もそうですが統率者戦のデッキを作り変える時に見づらいため、普通の統率者戦で使えてタイニーリーダーズで使えないもののうち3マナ以下のものをリストアップした方が分かりやすいと思い、まとめたものが以下の通りです。
白
該当カード無し
青
《相殺/Counterbalance》
《Mana Drain》
《Timetwister》
黒
《Demonic Tutor》
《ネクロポーテンス/Necropotence》
《伝国の玉璽/Imperial Seal》
《吸血の教示者/Vampiric Tutor》
《ヨーグモスの意志/Yawgmoth’s Will》
《精神錯乱/Mind Twist》
赤
《Wheel of Fortune》
《ゴブリン徴募兵/Goblin Recruiter》
緑
《大地の知識/Earthcraft》
《適者生存/Survival of the Fittest》
《隠遁ドルイド/Hermit Druid》
多色
《トレストの密偵長、エドリック/Edric, Spymaster
of Trest》
無色
《Mana Crypt》
《魔力の櫃/Mana Vault》
《太陽の指輪/Sol Ring》
《黒の万力/Black Vise》
《金属細工師/Metalworker》
《頭蓋骨絞め/Skullclamp》
《梅澤の十手/Umezawa’s Jitte》
《肉体と精神の剣/Sword of Body and
Mind》
土地
《露天鉱床/Strip Mine》
《Mishra's Workshop》
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高額カードや強力なサーチカードが禁止になっている部分はデュエル・コマンダーの禁止リストと似ていますね。
《肉体と精神の剣/Sword of Body and
Mind》が一際目を引きますが、これは49枚(と統率者で合計50枚)というデッキ枚数の制限のあるフォーマットで、これだけの量のライブラリー破壊を継続的に行える可能性があるカードは危険だという判断だったのでしょう。
逆に統率者戦で禁止されていて、タイニーリーダーズでは使用可能なカードは以下の通りです。
《限りある資源/Limited Resources》
《ラノワールの使者ロフェロス/Rofellos, Llanowar
Emissary》(非統率者)
《上位の空民、エラヨウ/Erayo, Soratami
Ascendant》(非統率者)
《繰り返す悪夢/Recurring Nightmare》
《修繕/Tinker》
《企業秘密/Trade Secrets》
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《繰り返す悪夢/Recurring Nightmare》と《修繕/Tinker》は特に大きな影響を与えそうですね。
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次に、実際にどんな統率者が使えるのか分からない!という方のために使える統率者リストもまとめてみました。
白
《オレスコスの王、ブリマーズ/Brimaz, King
of Oreskos》
《八ツ尾半/Eight-and-a-Half-Tails》
《今田家の猟犬、勇丸/Isamaru, Hound
of Konda》
《戦争の報い、禍汰奇/Kataki, War’s Wage》
《王の摂政、ケンバ/Kemba, Kha Regent》
《笑む猫、憲太郎/Kentaro, the Smiling
Cat》
《隊長補佐カーター/Lieutenant Kirtar》
《果敢な勇士リン・シヴィー/Lin Sivvi, Defiant
Hero》
《コロンドールのマンガラ/Mangara of Corondor》
《生真面目な君、昌子/Masako the Humorless》
《月皇ミケウス/Mikaeus, the Lunarch》
《今田の用心棒、乳眼/Opal-Eye, Konda’s
Yojimbo》
《サマイトの癒し手オアリム/Orim, Samite
Healer》
《サマイトの守護者オリス/Oriss, Samite
Guardian》
《鳳雛 ホウ統/Pang Tong, "Young
Phoenix"》
《遊牧の民の長ピアナ/Pianna, Nomad Captain》
《上位の狐、呪之尾/Rune-Tail, Kitsune
Ascendant》
《金之尾師範/Sensei Golden-Tail》
《Soraya the Falconer》
《スレイベンの守護者、サリア/Thalia, Guardian
of Thraben》
《茨の騎士ティヴァダール/Tivadar of Thorn》
青
《ラクァタス大使/Ambassador Laquatus》
《練達の魔術師バリン/Barrin, Master
Wizard》
《熟達の魔術師アーテイ/Ertai, Wizard
Adept》
《三日月の神/Kami of the Crescent
Moon》
《大いなる玻璃紡ぎ、綺羅/Kira, Great Glass-Spinner》
《孫夫人/Lady Sun》
《先見的設計家、ムッツィオ/Muzzio, Visionary
Architect》
《アカデミーの事務局長レイン/Rayne, Academy
Chancellor》
《奪い取り屋、サーダ・アデール/Thada Adel,
Acquisitor》
《海の神、タッサ/Thassa, God of the
Sea》
《ヴェンディリオン三人衆/Vendilion Clique》
《呉の策士 諸葛瑾/Zhuge Jin, Wu Strategist》
黒
(《ストロームガルドの災い魔、ハーコン/Haakon,
Stromgald Scourge》)
《夜の華、切苦/Kiku, Night's Flower》
《上位の大峨、苦御/Kuon, Ogre Ascendant》
《現し世の裏切り者、禍我/Maga, Traitor
to Mortals》
《朝の歌のマラレン/Maralen of the Mornsong》
《梅澤俊郎/Toshiro Umezawa》
《魏の参謀 荀イク/Xun Yu, Wei Advisor》
赤
《初めて欲したもの、仇麻呂/Adamaro, First
to Desire》
《巡礼者アシュリング/Ashling the Pilgrim》
《頑強なるバルソー/Balthor the Stout》
《山崎兄弟/Brothers Yamazaki》
《第三の道のフェルドン/Feldon of the
Third Path》
《悪忌の撃ち手、イシイシ/Ishi-Ishi, Akki
Crackshot》
《特務魔道士ヤヤ・バラード/Jaya Ballard,
Task Mage》
《熱を帯びた夢、萬迩智/Mannichi, the
Fevered Dream》
《二の足踏みのノリン/Norin the Wary》
《ゴブリンの修繕屋スロバッド/Slobad, Goblin
Tinkerer》
《ゴブリンの太守スクイー/Squee, Goblin
Nabob》
《ラースのスターク/Starke of Rath》
《探検家タクタク/Tuktuk the Explorer》
《罰する者、ゾーズー/Zo-Zu the Punisher》
緑
《迷える探求者、梓/Azusa, Lost but
Seeking》
《落葉の道三/Dosan the Falling Leaf》
《葉の王エラダムリー/Eladamri, Lord
of Leaves》
《背教の主導者、エズーリ/Ezuri, Renegade
Leader》
《名医 華佗/Hua Tuo, Honored Physician》
《悟りの武士、勲雄/Isao, Enlightened
Bushi》
《シルヴォクののけ者、メリーラ/Melira, Sylvok
Outcast》
《猫族の戦士ミリー/Mirri, Cat Warrior》
《マナの座、オムナス/Omnath, Locus of
Mana》
《神河の歴史、暦記/Reki, the History
of Kamigawa》
《上位の大蛇、ささ弥/Sasaya, Orochi
Ascendant》
《クローサの庇護者シートン/Seton, Krosan
Protector》
《秋の呼び手、しず子/Shizuko, Caller
of Autumn》
《放浪の吟遊詩人、イーサーン/Yisan, the
Wanderer Bard》
《嘲笑する仙人 左慈/Zuo Ci, the Mocking
Sage》
白青
《メレティスのダクソス/Daxos of Meletis》
《聖トラフトの霊/Geist of Saint Traft》
《成金、グヮファ・ハジード/Gwafa Hazid,
Profiteer》
《川の案内者、シグ/Sygg, River Guide》
《航行長ハナ/Hanna, Ship's Navigator》
青黒
《川の殺し屋、シグ/Sygg, River Cutthroat》
黒赤
《地下牢の管理人、グレンゾ/Grenzo, Dungeon
Warden》
《血の魔女リゾルダ/Lyzolda, the Blood
Witch》
《殺人王、ティマレット/Tymaret, the Murder
King》
赤緑
《ケルドの後継者、ラーダ/Radha, Heir to
Keld》
緑白
《ガドック・ティーグ/Gaddock Teeg》
《贖われし者、ライズ/Rhys the Redeemed》
《サッフィー・エリクスドッター/Saffi Eriksdotter》
《帰還した探検者、セルヴァラ/Selvala, Explorer
Returned》
白黒
《通行の神、エイスリオス/Athreos, God
of Passage》
《オルゾフの御曹子、テイサ/Teysa, Orzhov
Scion》
白赤
《アナックスとサイミーディ/Anax and Cymede》
青赤
《ギトゥのジョイラ/Jhoira of the Ghitu》
《苦痛の芸術家、ニン/Nin, the Pain Artist》
青緑
《育殻組のヴォレル/Vorel of the Hull
Clade》
黒緑
《裏切り者グリッサ/Glissa, the Traitor》
《苦悶の神、ファリカ/Pharika, God of
Affliction》
《放浪者ライズ/Rhys the Exiled》
《歩く墓場、髑髏茨/Skullbriar, the
Walking Grave》
《ヘイヴンウッドのセロン/Thelon of Havenwood》
《縞痕のヴァロルズ/Varolz, the Scar-Striped》
白青黒
《Lady Evangela》
《メリーキ・リ・ベリット/Merieke Ri Berit》
《電位式の天才、シドリ/Sydri, Galvanic
Genius》
青黒赤
《Tetsuo Umezawa》
黒赤緑
《Adun Oakenshield》
《ジラ・エリアン/Xira Arien》
赤緑白
《野生の意志、マラス/Marath, Will of
the Wild》
《アニマのメイエル/Mayael the Anima》
緑白青
《Angus Mackenzie》
《戦争のアスラ、ジェナーラ/Jenara, Asura
of War》
《Ragnar》
白黒赤
《死に微笑むもの、アリーシャ/Alesha, Who
Smiles at Death》
青赤緑
《精霊の魂、アニマー/Animar, Soul of
Elements》
《龍爪のヤソヴァ/Yasova Dragonclaw》
黒白緑
《先頭に立つもの、アナフェンザ/Anafenza,
the Foremost》
《包囲の搭、ドラン/Doran, the Siege
Tower》
赤白青
《沈黙の大嵐、シュー・ユン/Shu Yun, the
Silent Tempest》
緑青黒
該当カードなし(※後述の《Sultai》使用可)
単色に多いのは当たり前といえば当たり前ですが、相当選択肢に偏りがありますね。
白単色の統率者は数はいるものの、名前だけ聞いても能力が思い出せないようなものが数多く存在しており、実際「~~の方が強い」という結論に落ち着いてしまうものが多いです。
※緑青黒についてですが、該当する統率者が存在しないため、
「青1緑1黒1の2/2で、Sultaiという名前の能力を持たない伝説のクリーチャー」
を特別に使用しても良い事になっています。
今後使用可能な伝説のクリーチャーが登場してくれると良いですね。
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とりあえずは、まとめるべき情報は以上となります。
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実際に知人とこのフォーマットのデッキを複数構築して回してみた所、いくつか気づいた点がありました。
1.「マリガンルール」
初歩的な勘違いですが、統率者戦と同様の部分パリ式マリガン(※)だと思ってやっていたらライブラリーの少なさも相まって毎回似たような展開になってしまうため、従来のマリガン方式でマリガンしていました。
後でCRを読み直してみたら最初から部分パリ式マリガンの事など書いていなかったので、完全に僕たちの勘違いでした。
(※:統率者戦の基本的なマリガン方法。手札から不要カードを脇にどけ、どけた枚数-1枚のカードを引き、その後脇にどけたカードを山札に戻して切りなおす。)
2.「打消しはあまり強くない」
本来打消し呪文は相手の脅威となるカードを打ち消して、無かった事にするものです。
その反面、常に打消し呪文のために土地を立てて構え続けないといけないため自分の動きもおろそかになってしまいがちです。
従って、普通は打消し呪文よりもマナコストの重いカードを打ち消す行為が強く、「テンポアドバンテージを取れている」と言われる状態になります。
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タイニーリーダーズは(X呪文や超過呪文を除けば)3マナ以下のカードしかありません。
残念ながら1~2マナの打消し呪文でもって3マナの呪文を打ち消すのはあまりテンポアドバンテージを取れているとは言い難い行動です。
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もちろん相手が使ってくる除去呪文を打ち消したり、そもそも打ち消し以外で処理出来ないもの(呪禁持ちのクリーチャーや、色的に対処できないプロテクション持ちやエンチャント等)に対処したりするためには必要な場面もあります。
また、2回目以降に唱える統率者は大抵4マナ以上かかってしまうため、それを2マナ程度で打ち消せるのであれば悪くはないでしょう。
こういった仮説を証明するために僕はデッキを1つ作りました。
《龍爪のヤソヴァ/Yasova Dragonclaw》を統率者としたクロックパーミッション風のデッキです。
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急造のデッキで、リストは恥ずかしいので非公開とさせていただきますが、基本的にはレガシーに存在する「カナディアン・スレッショルド」や「RUGデルバー」と呼ばれるデッキとほとんど似たようなカード選択になっており、特に《龍爪のヤソヴァ/Yasova
Dragonclaw》の能力を強く生かす!と言ったコンセプトになっているわけではありません。
そのデッキで何度かプレイしていて気付いたのは
《精神的つまづき/Mental Misstep》
《呪文嵌め/Spell Snare》
《目くらまし/Daze》
《呪文貫き/Spell Pierce》
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の4種類は非常に使いやすく
《否認/Negate》
《対抗呪文/Counterspell》
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の2種類は非常に使い辛い、という事です。
使いやすかった4種類のうち《精神的つまづき/Mental
Misstep》と《呪文嵌め/Spell Snare》は、環境に0~3マナのカードしか存在しないためヒットする確率が高いから、という打消し呪文が強いかどうかという先述した仮説とはまた違った所で強かったので一旦置いておきます。
《目くらまし/Daze》《呪文貫き/Spell Pierce》は先述した仮説の通り、0~1マナで相手の2マナ以上のアクションを打ち消せるのが強かったですね。
《否認/Negate》《対抗呪文/Counterspell》は2マナを常に構えながら動かないといけないのが自分にとって非常に重い足かせとなってしまい、結局相手の軽いアクション連打に対抗できずに沈んでしまう事が多い結果となりました。
結論としては
「打消しだけのカードはコストが非常に軽い(1マナ以下。ピッチも含む)ものは強く、コストが軽くない(2マナ以上)ものは打消し以外の使い道が無い限りは使わない方が良い」となりました。
3.「ただの脳筋でも十分強い」
3マナ以下のカードしか使えない、という制約があるためどうしても「マナ加速からデカブツを出して制圧」「全体除去を撃って、ゆっくりとフィニッシャーを出して勝つ」と言った戦略が取りづらいフォーマットなので、何も考えずにデッキを組むと自然とビートダウンデッキばかりになります。
基本的にはそれで全く問題ありません。
僕は脳筋デッキとして《オレスコスの王、ブリマーズ/Brimaz,
King of Oreskos》を作りました。
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適当にトークンを生み出すカードと白の優秀な軽量クリーチャー、《清浄の名誉/Honor
of the Pure》系のカードだけのシンプルな構成ですが、これでも十分勝てるという事が分かりました。
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やはり全体除去が環境に少ないという事がビートダウンデッキの存在を肯定していますね。
4.「除去コントロールが強い」
環境にビートダウンしかいないのであれば除去を多く使えるデッキが強いのではないでしょうか。
全体除去が少ないとはいえ、点数で見たマナコストが3以下の全体除去はあります。
《黒の太陽の頂点/Black Sun's Zenith》
《毒の濁流/Toxic Deluge》
《ミジウムの迫撃砲/Mizzium Mortars》(超過)
《Fire Covenant》
《悲哀まみれ/Drown in Sorrow》
《神々の憤怒/Anger of the Gods》
《花崗岩の凝視/Gaze of Granite》
《破滅的な行為/Pernicious Deed》
《地震/Earthquake》
《忌むべき者のかがり火/Bonfire of the
Damned》
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完全に黒と赤(と緑)に偏っていますね・・・
白と青で全体除去と呼べるのは
《Holy Light》
《サイクロンの裂け目/Cyclonic Rift》(超過)
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ぐらいでしょうか・・・
従って、コントロールを組むとなったら普通のフォーマットにありがちな「青白コントロール」「エスパー(青白黒)コントロール」などは少し難しいかもしれません。
僕はコントロールデッキ枠として《裏切り者グリッサ/Glissa,
the Traitor》でアーティファクトシナジーをフィニッシャーに据えた除去コントロールを作りました。
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《裏切り者グリッサ/Glissa, the Traitor》自身が戦闘においてはほぼ無敵のブロッカーでもあり、《危険なマイア/Perilous
Myr》《ツキノテブクロのエキス/Moonglove
Extract》《処刑人の薬包/Executioner's
Capsule》とのシナジーで全体除去を撃つまでも無く殲滅する事も出来ます。
アーティファクトのフィニッシャーとしては《ミミックの大桶/Mimic
Vat》《大蛇の孵卵器/Orochi Hatchery》を採用しており、ロングゲームに持ち込んでゆっくり勝利を掴む構成になっています。
5.コンボは出来るのか
3マナ以下のカードのみを使ったコンボは非常に数が限られています。
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「《飛行機械の鋳造所/Thopter
Foundry》+《弱者の剣/Sword of the
Meek》」
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所謂ソプターコンボです。
《クラーク族の鉄工所/Krark-Clan Ironworks》が使えないものの、《アシュノッドの供犠台/Ashnod's
Altar》《ファイレクシアの供犠台/Phyrexian
Altar》で無限コンボに達する事が出来ます。
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アーティファクトを探す手段も《修繕/Tinker》《作り直し/Reshape》《加工/Fabricate》《Transmute
Artifact》と多数使用可能なので比較的揃えやすいコンボと言えるでしょう。
普段はブロッカーを生成する事で延命しつつ、尚且つクリーチャー除去に対する耐性があるというのも良いですね。
唯一の難点は青白黒のデッキでしか採用できない点でしょうか。
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「《玄武岩のモノリス/Basalt
Monolith》+《ブライトハースの指輪/Rings
of Brighthearth》or《Power Artifact》」
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無色無限マナを生み出すコンボです。
統率者戦ではいつも使っている《ゴブリンの大砲/Goblin
Cannon》が使えないため、《ラクァタス大使/Ambassador
Laquatus》や《現し世の裏切り者、禍我/Maga,
Traitor to Mortals》デッキで使ったり、《彗星の嵐/Comet
Storm》系のX点火力を採用したりと一工夫が必要になっています。
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「《暗黒の深部/Dark
Depths》+《演劇の舞台/Thespian's Stage》or《吸血鬼の呪詛術士/Vampire
Hexmage》」
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デプスコンボです。
普段の統率者戦では20/20のトークンを生み出した所で全員殴りきるのに相当時間がかかってしまうためあまり採用されていないコンボです。
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しかし対戦相手1人だけ、しかもライフ25点という好条件により実用的なコンボとして台頭出来ています。
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「《サッフィー・エリクスドッター/Saffi
Eriksdotter》+《忠臣/Loyal Retainers》」
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所謂「プロジェクトX」と呼ばれていたコンボですが、3マナ以下のカードのみだとコンボを揃えるのに相当の努力が必要になります。
《サッフィー・エリクスドッター/Saffi Eriksdotter》の能力を活用して無限ループを作り出す事が出来るのは恐らく《忠臣/Loyal
Retainers》だけかと思います。
これだけだとただ戦場と墓地を行き来するだけなので、他に《血の芸術家/Blood
Artist》等の、「クリーチャーが出入りするだけで何かが誘発するカード」が必要になってきます。
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「ストーム(《ぶどう弾/Grapeshot》、《嵐の精体/Storm
Entity》、《思考停止/Brain Freeze》)」
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ストーム系のデッキはデッキとして成立するのではないか、と考えました。
最初にWotC公式コラムで紹介されていた禁止リストだと《渦まく知識/Brainstorm》《思案/Ponder》も禁止のように書かれていたため断念していました。
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それでも何か作れるのでは、と考えて僕は《精霊の魂、アニマー/Animar,
Soul of Elements》を統率者にしてコストが軽くなった《フェアリーの大群/Cloud
of Faeries》で《シミックの成長室/Simic
Growth Chamber》や《イゼットの煮沸場/Izzet
Boilerworks》などの「お帰りランド」をアンタップしてマナ加速しつつストームにつなげるチェインコンボデッキを作りました。
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フォーマットの性質上《紅蓮術士の昇天/Pyromancer
Ascension》が全く誘発せず、《ライオンの瞳のダイアモンド/Lion's
Eye Diamond》はあるのに《炎の中の過去/Past
in Flames》が使えず、たどり着きたいカードは《世紀の実験/Epic
Experiment》と《紅蓮術士の刈り痕/Pyromancer's
Swath》だけ、と言った非常にコンボの決め辛いデッキになってしまいました。
《渦まく知識/Brainstorm》《思案/Ponder》《水蓮の花びら/Lotus
Petal》が使えない前提でデッキを組んでしまったためかとも思いましたが、決定力の部分が改善されていないため、引き続き厳しい状況は続くでしょう。
また、(多くの)ストームデッキの強みであるクリーチャー除去に強いという点も、《フェアリーの大群/Cloud
of Faeries》《ゴブリンの電術師/Goblin
Electromancer》にどうしても頼らざるを得ないため、弱まってしまっています。
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「《等時の王笏/Isochron
Scepter》+《オアリムの詠唱/Orim's Chant》」
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「セプターチャント」と呼ばれるロックコンボです。
毎ターン自分のマナを拘束されてしまう、インスタントタイミングでアーティファクト破壊をされるとロックが外れてしまう、等々いくつかの問題はありますが、相手の色によってはもう逃れる事の出来ないロックになってしまうケースもあるため、狙う価値は十分あります。
このコンボもまた普通の統率者戦では1人しかロック出来ないためにあまり採用される事の無いコンボですね。
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「《Demonic
Consultation》+《研究室の偏執狂/Laboratory
Maniac》」
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《研究室の偏執狂/Laboratory Maniac》による勝利のためなら何を使っても良いのですが、《Demonic
Consultation》が最もスマートじゃないかと思います。
また、ライブラリーが無くなるだけでは勝利出来ないため追加のドロー呪文や《師範の占い独楽/Sensei's
Divining Top》を戦場に置いておく等の工夫も必要です。
一応クリーチャー除去にも弱いので、各種打消し呪文等でのサポートも必要ですね。
色的にその辺りの妨害系のカードには恵まれているはずなので、フィニッシュ手段として十分採用に値するのではないでしょうか。
通常の統率者戦と違って1人だけを気にすればいいので打消し呪文だけでなく手札破壊でも安全確認が出来るのがコンボの成功率を高めていますね。
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「《汚染/Contamination》+《苦花/Bitterblossom》等」
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「汚染ロック」です。
ロックと呼ぶわりには黒マナはちゃんと出せていたり、クリーチャーを戦闘などで根絶やしにされると簡単に外れたりしてしまいますが、れっきとしたロックコンボの一つです。
通常の統率者戦と違う点は、マナアーティファクトの少なさです。
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普段は他のプレイヤーよりも早く、手数を多く展開するために各種印鑑やタリスマン等のマナアーティファクトを多数採用していますが、タイニーリーダーズではそもそもマナ加速をしても重いスペルを撃つ事がほとんど無いため、あまり採用される事はありません。
もちろん盤面をある程度均衡状態に保つ、相手がマナクリーチャーを採用していたらそれを潰しておく、等のサポートは必要です。
また、《苦花/Bitterblossom》で維持しようとすると初期ライフが25と少ないタイニーリーダーズでは少し維持をするのが難しいかもしれません。
しかし、土地からしかマナを出せないデッキに対してであればこの汚染ロックは絶大な威力を発揮するでしょう。
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「《シルヴォクののけ者、メリーラ/Melira,
Sylvok Outcast》+《台所の嫌がらせ屋/Kitchen
Finks》+生け贄手段」
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無限頑強コンボも一応健在です。
それだけでフィニッシュできる頑強持ち(要は《残忍なレッドキャップ/Murderous
Redcap》)が使えないため、しっかりと勝つためにはもうひと手間加える必要があります。
また、《シルヴォクののけ者、メリーラ/Melira,
Sylvok Outcast》の代わりにタルキール龍紀伝で登場する《族樹の精霊、アナフェンザ/Anafenza,
Kin-Tree Spirit》でもコンボ成立となります。
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「《羽軸トゲ/Quillspike》+《献身のドルイド/Devoted
Druid》」
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無限パンプできるコンボです。
これも他のいくつかのコンボと同様、対戦相手1人だけを屠れば良いので普段の統率者戦よりも活躍する即死コンボですね。
改めて見直してみると色々とコンボ自体は存在していますね。
クリーチャーベースのコンボはビートダウンデッキに自然に組み込む事が出来る反面、除去コンに対しては容易に妨害されてしまう点、非クリーチャーベースのコンボは除去コンに対して妨害されにくい反面ビートダウンデッキに入れてしまうとコンボパーツが単体で仕事をしない(場合が多い)のでコンボ成立しないときの弱さが目立ってしまう点など考慮すべき点はあります。
特有のコンボに特化させてデッキを組んでみるのも一つの手ではありそうですね。
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タイニーリーダーズ第1回目の記事ということで、今回は一般的なデータのまとめといくつかの考察事項という所にとどめておきます。
流行り始めのフォーマットですので、まだまだ模索できる部分や見落としている部分があると思います。
今後は試行錯誤や他の方のデッキリストや考察記事を読みつつ、次回の記事では具体的なデッキリストを掲載出来たらと思います。それでは、第2回でお会いしましょう。
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