|
text
by Ishida Ryuichiro
|
|
この記事が掲載されているのは予定通りならば3/26、『タルキール龍紀伝』の発売日前日になります(編:無事、予定通りの公開となりました)。皆さん、スタンダードのデッキ調整は捗っているでしょうか?
前回は新カードの《卓絶のナーセット/Narset
Transcendent》を中心に考察していきましたが、それ以外にも《揺るぎないサルカン/Sarkhan
Unbroken》など、新しいカードの中でデッキの軸として新しく据えてみたいカードは他にもあります。
コンセプトについてピックアップしてみると、個人的には以下の3つが気になるところ。
・《龍詞の咆哮/Draconic
Roar》をはじめとしたドラゴン公開サイクル
・《死霧の猛禽/Deathmist
Raptor》&《棲み家の防御者/Den Protector》による墓地活用型変異
・各種ダブルシンボルクリーチャー増量による信心システムの強化
これら新カードを軸に新しいデッキを組んでいくのも良いですが、既存のデッキを新カードでチューニングするというのも新環境の楽しみの一つ。新しいデッキについてはPTの結果を見てからということで、今回は『タルキール龍紀伝』発売前のスタンダードの環境のおさらいと、新カードについて考察していきたいと思います。
|
|
―――――――――
――タルキール龍紀伝発売前の環境上のデッキについて
Tier1.0
緑白信心《見えざるものの熟達/Mastery of
the Unseen》
赤単アグロ
アブザンミッドレンジ
Tier1.5
ジェスカイテンポ
スゥルタイコントロール
アブザンアグロ
赤白ミッドレンジ
青黒コントロール
大雑把にはこの辺りが遭遇率の高いアーキタイプと認識しています。特にMagic
Onlineでは「緑白信心」と「赤単アグロ」にはよく遭遇する印象です。この二つのアーキタイプはGPマイアミ後に数を増やしており、環境末期でもここまで多様性を保ちつつも変化があるのは珍しいと思います。
|
|
最近は「アブザンアグロ」と「青黒コントロール」は「緑白信心」に相性が悪いために数を減らしており、速度勝負の「赤単」か、やや低速で受けにまわり過ぎないデッキが主流といった印象です。
まだ挙げようと思えばあるのですがキリが無いので、今回はこれらの上から5つ(「緑白信心」「赤単アグロ」「アブザンミッドレンジ」「ジェスカイテンポ」「スゥルタイコントロール」)のデッキで得たものについて纏めていこうと思います。
|
|
――緑白信心《見えざるものの熟達/Mastery
of the Unseen》
得たカード
・《龍王ドロモカ/Dragonlord Dromoka》
・《ドロモカの命令/Dromoka’s Command》
|
元リスト:Grand Prix Miami 1位 |
24land
8 《森/Forest》
2 《平地/Plains》
4 《吹きさらしの荒野/Windswept Heath》
4 《豊潤の神殿/Temple of Plenty》
1 《花咲く砂地/Blossoming Sands》
1
《精霊龍の安息地/Haven of the Spirit
Dragon》
4 《ニクスの祭殿、ニクソス/Nykthos, Shrine
to Nyx》
29creature
4 《エルフの神秘家/Elvish Mystic》
4 《森の女人像/Sylvan Caryatid》
4 《旅するサテュロス/Voyaging Satyr》
4 《起源のハイドラ/Genesis Hydra》
4 《クルフィックスの狩猟者/Courser of Kruphix》
4 《世界を喰らう者、ポルクラノス/Polukranos,
World Eater》
4 《囁きの森の精霊/Whisperwood Elemental》
1
《龍王ドロモカ/Dragonlord Dromoka》
7spell
4 《見えざるものの熟達/Mastery of the
Unseen》
2
《ドロモカの命令/Dromoka's Command》
1 《精霊龍、ウギン/Ugin, the Spirit
Dragon》 |
|
|
|
緑系の信心デッキは基本《女王スズメバチ/Hornet
Queen》くらいしか飛行クリーチャーの選択肢がありませんでした。各種龍王の中でも《龍王ドロモカ/Dragonlord
Dromoka》は出して除去されなければ勝てる《悪斬の天使/Baneslayer
Angel》を彷彿とさせるカード。5/7・飛行・絆魂に加えて打ち消されない&《堂々たる撤廃者/Grand
Abolisher》能力は強力で、相手にとってソーサリータイミングでしか除去できないため相当厄介なカードです。
それと《ドロモカの命令/Dromoka’s Command》については同型戦でマナクリーチャーや《クルフィックスの狩猟者/Courser
of Kruphix》を倒せる万能カード。クリーチャーデッキ全般に対して腐りにくく使い勝手の良いカードという印象です。
あとは《精霊龍の安息地/Haven of the Spirit
Dragon》も1枚だけ採用。こういった無色土地を採用できるのも2色デッキの利点なので、《精霊龍、ウギン/Ugin,
the Spirit Dragon》などのフィニッシャーの割り増し要因として採用するのはマナベースが許すのであれば積極的に使いたいですね。
色は変わりますが緑信心タッチ赤なら《龍王アタルカ/Dragonlord
Atarka》も魅力的。《女王スズメバチ/Hornet
Queen》と違い予示から表替えししても強いので《歓楽者ゼナゴス/Xenagos,
the Reveler》と併用したタッチ赤型の信心も考慮したいところ。
|
|
《死霧の猛禽/Deathmist Raptor》も優秀な信心のタネになるカードですが、ある程度墓地を肥やすか《囁きの森の精霊/Whisperwood
Elemental》以外の変異か予示のクリーチャーを用意したいと思い今回は不採用です。
|
|
――赤単アグロ
得たカード
・《稲妻の狂戦士/Lightning Berserker》
・《鐘突きのズルゴ/Zurgo Bellstriker》
・《ドラゴンの餌/Dragon Fodder》
|
元リスト:Grand
Prix Miami 5位 |
21land
21 《山/Mountain》
18creature
4 《鋳造所通りの住人/Foundry
Street Denizen》
4 《僧院の速槍/Monastery Swiftspear》
4
《稲妻の狂戦士/Lightning Berserker》
2 《鐘突きのズルゴ/Zurgo Bellstriker》
2 《ゴブリンの熟練扇動者/Goblin Rabblemaster》
2 《ゴブリンの踵裂き/Goblin Heelcutter》
21spell
4 《乱撃斬/Wild Slash》
4 《稲妻の一撃/Lightning Strike》
4 《灼熱の血/Searing Blood》
3
《ドラゴンの餌/Dragon Fodder》
2 《軍族童の突発/Hordeling Outburst》
4 《かき立てる炎/Stoke the Flames》
|
|
25land
2 《森/Forest》
2 《平地/Plains》
2 《コイロスの洞窟/Caves of Koilos》
2 《ラノワールの荒原/Llanowar Wastes》
4 《砂草原の城塞/Sandsteppe Citadel》
4 《疾病の神殿/Temple of Malady》
4 《静寂の神殿/Temple of Silence》
4 《吹きさらしの荒野/Windswept Heath》
1 《ヨーグモスの墳墓、アーボーグ/Urborg, Tomb
of Yawgmoth》
11creature
4 《包囲サイ/Siege Rhino》
4 《クルフィックスの狩猟者/Courser of Kruphix》
2
《龍王ドロモカ/Dragonlord Dromoka》
1 《黄金牙、タシグル/Tasigur, the Golden
Fang》
24spell
1 《太陽の勇者、エルズペス/Elspeth, Sun's
Champion》
1 《世界を目覚めさせる者、ニッサ/Nissa, Worldwaker》
1 《真面目な訪問者、ソリン/Sorin, Solemn
Visitor》
1 《精霊龍、ウギン/Ugin, the Spirit
Dragon》
2
《究極の価格/Ultimate Price》
4 《アブザンの魔除け/Abzan Charm》
4 《英雄の破滅/Hero's Downfall》
3 《悲哀まみれ/Drown in Sorrow》
2 《対立の終結/End Hostilities》
1 《完全なる終わり/Utter End》
1 《骨読み/Read the Bones》
3 《思考囲い/Thoughtseize》
|
|
|
|
《ドロモカの命令/Dromoka’s Command》も良いですが、軽量クリーチャーの数が取れてこそのカードなのでコントロール型では不採用。代わりと言っては十分すぎる除去の《究極の価格/Ultimate
Price(RTR)》を採用。「アブザンアグロ」のクリーチャーを除く大抵のクリーチャーに効く汎用性の高い除去で、特にアブザンが苦手としていた《嵐の息吹のドラゴン/Stormbreath
Dragon》への対抗策が増えたことは喜ばしいことです。
|
|
最適な枚数については吟味する必要はありますが、まずは2枚なら問題ないかと思えます。環境によっては3枚目もあり得るところ。
そしてここでも採用なのが《龍王ドロモカ/Dragonlord
Dromoka》。
「アブザンミッドレンジ」ならば絆魂の能力がビートに対して役に立ちます。その点では信心以上に「アブザンミッドレンジ」の方が合致しているのでより強力に運用できるでしょう。《龍王ドロモカ/Dragonlord
Dromoka》については過大評価気味ですが、自分としては一押しのカードです。
できれば擬似《前兆の壁/Wall of Omens》である《オジュタイの語り部/Orator
of Ojutai》も採用したいところなのですが、流石にドラゴンの数が足りないですね。
|
|
目安としてドラゴン公開系カードを4枚入れるなら最低でも8枚、できれば10枚くらいで運用したいところです。
|
|
――ジェスカイテンポ
得たカード
・《オジュタイの命令/Ojutai’s Command》
・《焙り焼き/Roast》
・《予期/Anticipate》
|
元リスト:SCG Standard Open Dallas 2位 |
24land
2 《山/Mountain》
2 《平地/Plains》
1 《島/Island》
4 《溢れかえる岸辺/Flooded Strand》
4 《神秘の僧院/Mystic Monastery》
4 《凱旋の神殿/Temple of Triumph》
1 《天啓の神殿/Temple of Epiphany》
3 《戦場の鍛冶場/Battlefield Forge》
3 《シヴの浅瀬/Shivan Reef》
15creature
4 《道の探求者/Seeker of the
Way》
3 《魂火の大導師/Soulfire Grand Master》
4 《ゴブリンの熟練扇動者/Goblin Rabblemaster》
4 《カマキリの乗り手/Mantis Rider》
21spell
3 《乱撃斬/Wild Slash》
2
《予期/Anticipate》
4 《稲妻の一撃/Lightning Strike》
3
《焙り焼き/Roast》
2 《オジュタイの命令/Ojutai's Command》
4 《かき立てる炎/Stoke the Flames》
1 《宝船の巡航/Treasure Cruise》
2 《前哨地の包囲/Outpost Siege》
|
|
こちらは赤白タッチ《カマキリの乗り手/Mantis
Rider》のタイプのリスト。2マナ域のクリーチャーが豊富なデッキでこそ《オジュタイの命令/Ojutai’s
Command》は輝く1枚で、ほぼ確実に1対2交換を望めます。
カウンターモードで唱えられれば大幅なテンポアドバンテージを得られ、《謎めいた命令/Cryptic
Command》と言っても差し支えない性能を遺憾なく発揮することができます。
|
|
また《焙り焼き/Roast》は赤い《破滅の刃/Doom
Blade》と言っても差し支えの無い優秀な除去カードで、特に《魂火の大導師/Soulfire
Grand Master》と併せると5点回復できるのは脅威の一言。6マナが揃うと地上クリーチャーは跡形も残らないでしょう。
また《予期/Anticipate》も《魂火の大導師/Soulfire
Grand Master》と相性がよい優秀なドロースペル。状況に応じて土地かスペルか必要なカードを小まめに集められるので、青いデッキでは今後も頻繁に見かけることになりそうです。
《雷破の執政/Thunderbreak Regent》も強力カードなのですが、単純なスペックだけ比較するとより長期的に残り易い《灰雲のフェニックス/Ashcloud
Phoenix》の方が強いと思います。
|
|
・ドラゴンシナジーや積極的にライフを削りたいなら《雷破の執政/Thunderbreak
Regent》
・《前哨地の包囲/Outpost Siege》などで中~長期で受けることもと考慮するなら《灰雲のフェニックス/Ashcloud
Phoenix》
…そんな具合で使い分けるべきでしょう。
|
|
――スゥルタイコントロール
得たカード
・《アンデッドの大臣、シディシ/Sidisi, Undead
Vizier》
・《龍王の大権/Dragonlord’s Prerogative》
・《究極の価格/Ultimate Price》
・《予期/Anticipate》
|
元リスト:SCG
Standard Open Dallas 3位 |
25land
4 《華やかな宮殿/Opulent Palace》
4 《疾病の神殿/Temple of Malady》
1 《欺瞞の神殿/Temple of Deceit》
2 《神秘の神殿/Temple of Mystery》
1 《ヨーグモスの墳墓、アーボーグ/Urborg, Tomb
of Yawgmoth》
4 《汚染された三角州/Polluted Delta》
3 《沼/Swamp》
2 《島/Island》
2 《ヤヴィマヤの沿岸/Yavimaya Coast》
2 《ラノワールの荒原/Llanowar Wastes》
6creature
1
《アンデッドの大臣、シディシ/Sidisi, Undead
Vizier》
1 《漂う死、シルムガル/Silumgar, the Drifting
Death》
4 《サテュロスの道探し/Satyr Wayfinder》
29spell
4 《時を越えた探索/Dig Through Time》
2 《究極の価格/Ultimate Price》
3 《軽蔑的な一撃/Disdainful Stroke》
3 《スゥルタイの魔除け/Sultai Charm》
2 《胆汁病/Bile Blight》
3
《予期/Anticipate》
4 《英雄の破滅/Hero's Downfall》
2 《命運の核心/Crux of Fate》
1
《龍王の大権/Dragonlord’s Prerogative》
2 《思考囲い/Thoughtseize》
1 《精霊龍、ウギン/Ugin, the Spirit
Dragon》
2 《頂点捕食者、ガラク/Garruk, Apex Predator》
|
|
|
|