2015.06.09 text by Ishida Hiroshi タイニーリーダーズやっとる？ このフォーマット、でら面白いんだわ！ まだやっとらんの？ ほんとかしゃん！？ まーいっぺんやってみやー！ でら面白いでよ！ というわけでついつい名古屋弁が出てしまいました。 今回は、『黒に染まりゃいいんだよ！』(リンク)でも特集しました“タイニーリーダーズ”についての特別記事です。
●タイニーリーダーズとは？ 本編に入る前に、まずはおさらいです。改めてタイニーリーダーズという特殊フォーマットについてご紹介しましょう。ザックリと説明するなら… ・50枚のデッキ・25点のライフで戦う、1対1のゲーム ・使用できるカードプールはレガシーに近い(このフォーマットならではの禁止カードも多数あり)。最新セットから22年前に印刷されたカードまで幅広く使用できるのが魅力。 ・ただし使用することが出来るカードは「3マナ以下」限定。全体的なカードパワーは低め。 ・さらに、デッキには基本土地以外の同名カードを入れることが出来ない。 ・統率者(ジェネラル、リーダー、etc.)と呼ばれる、伝説のクリーチャー1体を選んでこれを中心にデッキを作製する。 統率者戦と呼ばれる多人数フォーマットの亜種として登場したもので、ルールも似通った部分が多数あります。もし統率者のデッキを持っている方がいれば、簡単にタイニー仕様に造り替えられると思いますよ！あるいはまったくのゼロからのスタートでも、デッキが50枚というのもあってハードルは低いと思います。マジックの基本的な呪文やクリーチャーが大半を占め、ルール的にややこしいカードも少ないのでマジック初心者でも楽しめるフォーマットです。 そもそも統率者戦がわからない、という方はコチラを →岡本桂多のKill them All！ 第1回 統率者戦の基本その1 タイニーリーダーズについてもっと詳しく、という方はコチラを →岡本桂多 「“タイニー”って、誰のことだ?」第1回：タイニーリーダーズ導入編 名古屋は新栄の東桜会館にて、東雲東さん（※1）とyasuさん（※2）の主催で、第一回タイニーリーダーズ交流会が開かれました。 ※1 名古屋のレベル1ジャッジ。http://azumagic777.diarynote.jp/ ※2 当サイトでのライター経験もある名古屋のプレイヤー。http://faerie.diarynote.jp/ おそらくは名古屋（愛知？）で初のタイニーリーダーズのトーナメントですが、20名ものプレイヤーの参加となりました。 フォーマットの性質上、非公認大会でしたが…結論から言いますと、これが非常に盛況で、主催者も今後定期的に行っていきたいとの事。自分としてもとても楽しめましたので、今後の発展に大いに期待しています。 さて今回はこの大会のレポート、及び大会全体の分析記事となります。 各プレイヤーの使用していたジェネラルやカラーに関しても分析していきます。 まだまだタイニーリーダーズは始まったばかりのフォーマットです。 このレポートで、このフォーマットの持つ独自の魅力が伝えられれば…という思いの元、今回はこのような形で記事を書かせていただきました。
●各リーダーのデータ 各プレイヤーが選んだリーダーを、人気順に紹介します。 使用者数3名：《聖トラフトの霊》
青白の統率者候補筆頭、《聖トラフトの霊》が一番人気となりました。 《聖トラフトの霊》は3マナクリーチャーとして破格の打撃力を誇り、呪禁という除去耐性から信頼性が高いクリーチャーです。
このトラフトを装備やカウンターでバックアップして殴り切る、いわゆるクロックパーミッション的なデッキは、デュエルコマンダー(※)同様、タイニーリ－ダーズでは有力なアーキタイプでしょう。 (※先にあげた統率者戦の変形フォーマット。簡単に言うとタイニーリーダーズの「3マナ以下」という制限がないもの) さらに青白には数々の強力なスペルが存在し、特に《スフィンクスの啓示》に代表されるドロー呪文に関しては他の追随を許しません。
こうした呪文でコントロールしきる青白コントロール型のトラフトデッキも存在しました。 このデッキの強みは、コントロールデッキだからといってクリーチャー対策を抜いてしまうとトラフト１枚にやられてしまい、かといってトラフト対策のカードはデッキ全体に通用しない……といういやらしい二律背反にあります。 シナジーなど考慮せずとも単純に強力なカードな上に、複数のデッキの組み方が存在する《聖トラフトの霊》。 人気なのも頷けます。 使用者数2名：《メリーキ・リ・ベリット》
このジェネラルはエスパーカラー(青白黒)のジェネラルというだけでも大きな価値があります。 この3色は、単純なカードパワーで言えば圧倒的なものがあります。
トラフトと同じく《スフィンクスの啓示》に代表されるドロースペルに、リリアナやアショクといった強力なプレインズウォーカー、何度も使いまわせる《～の太陽の頂点》サイクル、打ち消しにハンデスに除去呪文に……パーマネントにもスペルにもハンドにも墓地にも何にでも対応できる万能さを誇ります。 さらにこのメリーキもただの色合わせの置物、というわけではなく、クリーチャーのコントロールを奪い、さらには条件付きで破壊するという強力な能力の持ち主。
《千年霊薬》などシナジーを形成するカードも多く、この統率者自体もコントロールデッキに向いています。 使用者数2名：《裏切り者グリッサ》
黒緑はタイニーリーダーズにおいて破壊のチャンピオンと言うべきカラーです。
《突然の衰微》《破滅的な行為》《花崗岩の凝視》等など……あらゆるパーマネントはその破壊力の前に全て崩れ去ります。 グリッサはこの万能の破壊力を活かしながらアーティファクト回収能力によってアドバンテージを得やすく、更に本人も戦闘では先制攻撃＆接死という最強の能力を誇る使いやすいジェネラルです。 黒緑には他にもジェネラル候補はいますが、素直なボードコントロールならこのグリッサが一番組みやすいでしょう。 使用者数2名：《鐘突きのズルゴ》
今回の交流会の優勝者も使っていた赤単の統率者。現状のタイニーリーダーズ環境ではかなり人気があり、トラフトと並んでトップメタに位置するジェネラルです。 ライフを削り切る事を目的とするビート／バーン系のデッキとして、1ターン目に必ずプレイできる2/2生物の素晴らしさは説明するまでもないでしょう。統率者はマナさえあればいつでもプレイできる、言わば8枚目の手札。ズルゴは1マナなので、確実に1ターン目に出てくるというわけです。
そしてハイランダー構築(デッキに同名1枚)とはいえ1枚で3点以上の直接ダメージを叩き出せる火力カードは、実はいくらでも存在します。タイニーリーダーズはライフが25点なのですが、このジェネラルによる恩恵や対戦相手が4マナ以上の呪文を使用してこないことを考えれば、通常構築のモダンやレガシーで20点削るよりも相対的に容易い、といえるかもしれません。 さらに統率者に関するルールと、このカードの持つ能力“疾駆”は面白い相互作用を発揮します。通常、統率者と呼ばれるカードを用いるフォーマットでは、統率者に指定したクリーチャーが戦場を離れる際に、本来そのカードが移動する領域の代わりに“統率領域”へ移動させることが出来ます。この領域にある限り、前述のように手札にあるかのように唱えても良いのですが…統率者は、唱える度にそのコストが2マナずつ重くなっていきます。例えばズルゴの場合、最初はR(赤マナ1つ)で唱えられますが、2度目は②R。3度目は…という具合に重くなっていくのです。 疾駆でのコストも、また統率者を唱える際の影響を受けますが、何度も倒されてコストが重くなってしまっても、一度疾駆でプレイしてターン終了時まで生き残ればあら不思議。ターンエンドに誘発して戻った手札からは、通常のコストで唱えることができるのです！ そもそもレガシーレベルでの使用カードを考えても赤単のバーン系スペルは殆どが3マナ以下なわけで、タイニーリーダーズの制約の影響が少ないと考えられます。 特別な小細工なく素直にタイニーリーダーズのルールに従って構築できる、強力なデッキと言えそうです。 使用者数2名：《背教の主導者、エズーリ》
統率者自体がコンボパーツ・フィニッシャーであるという構造を持つ、強力なリーダーです。 当然、緑単デッキになりますがエルフで組むなら何の問題もありません。
レガシーのエルフデッキとほぼ変わらないメンツと、各種コンボが出来ますので、その爆発力は強烈無比。しかもゲームを決めるフィニッシャーはドローしてくる必要すらない(統率領域にいる)ので、その精度はある意味構築以上です。 無抵抗な相手への3ターンキルだとか、ライフが満タンでも一撃で持っていかれることも少なくありません！ 使用者数2名：Sultai
黒緑の破壊力に加え、青のドローとカウンターが組み合わさった万能カラーです。 スペルの強力さに関してはエスパーカラーに勝るとも劣らないカラーパイですが、実はこのカラーには対応するレジェンドクリーチャーが存在しないという欠点があります。 この点はルール上で補完されていて、3マナ2/2バニラ(何も能力を持たない)のSultaiというカードとしては存在しないクリーチャーを統率者に指定することが出来るようになっています。 しかしこのSultai、言ってみたらただの《スケイズ・ゾンビ》。流石にひ弱すぎます。 というわけでこのカラーは統率者に頼らない構築を求められるわけですが、前述の通り他の面々がデッキの中心として活躍する中でこれは大きなハンディキャップになります。 でも逆に、これは一番「タイニーリーダーズらしい」とも言える遊び方かもしれません。存在しない架空のカードを使用できる、例えそれがバニラであっても、どこかワクワクしませんか？せっかくなのでやってみたいという、人気があるのも頷けます。 これ以降は1名ずつの使用となった統率者です。 《死に微笑むもの、アリーシャ》
マルドゥ(赤黒白)カラーの統率者。 タイニーリーダーズでは、自然とデッキに採用されるクリーチャーの多くのがアリーシャの能力の対象となります。 《電位式の天才、シドリ》
これもエスパーカラーの統率者ですが、メリーキとはかなり毛色の違うクリーチャーです。 能力は全てアーティファクトに関連したものなので、シナジーを重視した専用の構築が求められます。 その分、統率者と他のカードの連繋を活かした、このフォーマットらしいデッキ構築になるでしょう。 《戦争のアスラ、ジェナーラ》
バント(白青緑)カラーのジェネラルで、本人自体も高い戦闘能力を持ちます。 軽く、打撃力があり、アタッカーとしても申し分なく、どんなデッキを作っても使いやすいジェネラルです。
ですがそれ以上にバントカラーというカラーの柔軟性は眼を見張るものがあり、スペルに関しては若干エスパーには劣りますが、エンチャントやクリーチャーに関してはかなりの曲者ぞろいです。
最近のモダンやスタンダードで注目されているバントオーラのようなデッキも組めますし、その他のクリーチャー・置き物系のコンボも組みやすいです。 《三日月の神》
青単色のジェネラルですが、こいつは元祖統率者戦やデュエルコマンダーでも活躍しているかなりのクセモノです。 必ず2ターン目にはキャスト出来るドローエンジンであり、ライブラリー枚数の少ないタイニーリーダーズではライブラリー破壊補助としての役割も馬鹿に出来ません。 《現し世の裏切り者、禍我》
私が選んだジェネラルです。 詳しい解説は、くろそま(※)第7回で行っていますのでそちらを参照して下さい。 (※石田弘 aka dds666氏の当サイト連載記事「黒に染まりゃいいんだよ！」のこと。毎回黒一色への熱い思いを記している。) 《通行の神、エイスリオス》
テーロス・ブロックの神々は、エンチャントではありますが同時にしっかりとクリーチャーでもありますので、3マナ以下なら統率者に指定することが出来ます。 エイスリオスはクリーチャーデッキのバックアップ・息切れ防止にピッタリの性能で、信心達成でクリーチャー化出来れば本人も5/4破壊不能と強烈な戦闘力を誇ります。 ジェネラルはハンドを減らさずにキャスト出来るので、普通のルールよりもクリーチャー状態を達成・維持しやすいでしょう。
エイスリオス以外にも《海の神、タッサ》《苦悶の神、ファリカ》も面白いテーマデッキが組めると思います。 《沈黙の大嵐、シュー・ユン》
トリコロール……いや、彼の出自を考えればジェスカイ(青白赤)カラーと呼ぶべきでしょう。 このカラーリングも様々な強力カードが使え、特に軽量スペルの優秀さには眼を見張るものがあります。 コントロールからビートダウンまで様々なデッキ構築が可能ですが、シュー・ユン本人もトラフトに勝るとも劣らない打撃力を持っています。 軽量スペルでバックアップしながら強力な二段攻撃を叩き込んでくる、油断のならない統率者……狡猾にして自制を持つジェスカイらしいジェネラルです。。
●カラー別のデータ 使用者の多い順に、カラー別で分析してみます。 3：青白 3：エスパー 2：緑黒 2：赤単 2：緑単 2：スゥルタイ 1：黒単 1：青単 1：白黒 1：マルドゥ 1：ジェスカイ 1：バント まずはデッキカラーでの分類。青白とエスパーが同率の一番人気となりました。 当然ですがエスパーカラーは青白を含んでいますし、他の青白絡みのカラーも加えると青白を含むカラーは8名と全体の3分の1以上を占めています。 単純に考えて青白のカードは強力なものが多く、《スフィンクスの啓示》や《青の太陽の頂点》といったXドロー呪文の強力さは言うまでもありません。 軽いカードしか入れられないタイニーリーダーズでは手数勝負になりやすく、自然と大量ドロー呪文は他の環境よりも強くなります。 後はやはり、トラフトというリーダーの強力さによるものでしょうか。すでにデュエルコマンダーでも名を馳せているカードで、その強さは有名ですし、かつわかりやすいのでデッキを組みやすいという事もあったでしょう。 まぁ後は……昔から「名古屋は青い」と言われていますが全くその通りで、青が好きなプレイヤーが多いというのはあったでしょうね(笑) 続いて構成色別に見てみましょう。 白：10 青：11 黒：10 赤：4 緑：7 青白とエスパーが一番人気なので青と白が多いのは当然ですが、黒もまた多いことがわかります。
この三色は単純な強力カードが多く、グッドスタッフが組みやすいのが魅力でしょう。 特にこれらのカラーはX呪文系が強力で、各色の頂点はどれもオーバーパワーなカードですし、他にも《軍部政変》や《荒野の確保》、《天才のひらめき》や《死の雲》など、一枚でゲームを決定づけるカードも多く存在します。 とりあえずデッキを組む上でも選択しやすいカラーと言えるでしょう。 また数自体も少ない赤と緑は、その内ほぼ半数が単色による構築です。 これは面白い結果と言えそうで。統率者込みで考えても、他のカラーのサポートを必要としないまっすぐな戦略を持っているがゆえの結果といえるのではないでしょうか。
即ち、優勝デッキでもあるズルゴは素直なスライ＆バーンデッキで、これは赤単でまったく事足ります。 準優勝だったエズーリはエルフだけに拘らず、クリーチャーを起点として様々な無限コンボを織り込んだ瞬殺タイプでした。緑は単色でも《緑の太陽の頂点》や《召喚の調べ》などのサーチカードも十分あり、他のカラーを混ぜなくてもクリーチャー起点のコンボは十分な精度を持っています。 カラーを増やせばそれだけ便利で強力なカードを使えるようになりますが、一点特化型のデッキならその必要もなく、当然単色ゆえ色マナ事故が起きないという安定性もあります。
これの心配をあまりせずに強力な特殊土地を採用できるようになるのも無視できない利点でしょう。当然、対戦相手が用いてくる土地対策にも引っかかりにくくなります。 今回は上位3デッキがすべて単色という結果になりましたが、まだまだ未知の環境です。 まだ見ぬ新戦略や新カードが、いくらでも眠っています。 あなたも自分だけのお気に入り統率者で、自分だけのデッキを組んでみてはいかがでしょうか？
●大会レポート 普段の構築では組めないような自分だけのデッキ…と言ってもやっぱり、自分が選んだのは黒単色！！上述したように《現し世の裏切り者、禍我》でデッキを組みました。
自分なりに色々と考えて調整していったこのデッキ、どこまで通用するか…… いやぁ、やっぱり未知の環境に自分が1から作ったデッキで乗り込むのはワクワクしますね！こういう、マジックを長い間プレイするうちに忘れてしまった感覚を思い出させてくれるということだけでも、こういった特別フォーマットの魅力と言ってしまって良いでしょう。 ・R1 《聖トラフトの霊》 ◯×◯ 《聖トラフトの霊》デッキのオーソドックスとも言える、リーダー自身を装備でバックアップし、カウンターや除去で対戦相手の対抗策を潰していくクロックパーミッションデッキです。 正直、メタの一角として意識していたデッキタイプです。 黒の力、見せてやるぜ！ G1 黒単色なのに無色しか出ずにマリガン……ですがデッキ内の様々な除去はすべてトラフトに有効です。
相手の繰り出すトラフトや《真の名の宿敵》を除去し続け、厄介な《金輪際》も《選別の秤》で破壊。 最後はたっぷり育った禍我で殴り倒して勝利です。 G2 悪くないハンドですが土地2で止まってしまい、一度はトラフトを除去するものの再度キャストされたトラフトに対処できず惨敗。 まぁ土地事故は仕方ありません！それに相手のデッキは土地事故した相手には超強く、立て直す隙を逃さない構成ですからね。そういった点もアグロ(前のめり)なトラフトデッキの強みですね。 G3 今度は、相手が敢えて何も動かずにひたすら構えてきます。
《遁走の王笏》や《思考の粉砕》、《ヴェールのリリアナ》という青に有効なカードも全てカウンターされ、盤面はゆっくりと相手のペースに。 しかしこちらも除去はたくさん入っています。除去連打でカウンターを消耗させ、必殺の死の雲が……通った！ これでマナ基盤がズタズタになった相手はトラフトの再キャストも難しくなり、後はゆっくりと土地を揃えたこちらが禍我を繰り出し勝利しました。 ・R2 《メリーキ・リ・ベリット》◯◯ 多くのプレインズウォーカーを備え、またクリーチャーアタックよりもライブラリーアウトに重点を置いたデッキでした。 その分、カウンターはあまり入っていない様子です。 G1 初動相手のリリアナに対し、こちらは《選別の秤》。これを除去できない相手は動きが止まります。
その間に土地を揃え、変成カードも使ってコンボパーツを集め、無限マナコンボからの禍我で1ショットキルとなりました。 G2 G1とほぼ同じ展開です。 アショクを出されると辛いのですが、黒単色でどんなパーマネントにでも対応できる《選別の秤》のありがたさが身にしみます。 最後はやはり、無限マナコンボで勝利です。 ・R3 《戦争のアスラ、ジェナーラ》 ◯◯ 普段からよく一緒に遊ぶプレイヤーで、タイニーリーダーズも一緒に調整などしています。 なのでデッキはお互いわかっているのですが……相手のデッキは「バント・エンチャントレス」です。
こちらはパーマネントをあまり出しませんので《気流の言葉》のコンボを決められると厳しく、また《独房監禁》は一枚で投了まで追い込まれかねません。 反面、エンチャントレス系生物は簡単に除去れますし、手札破壊や《選別の秤》がよく効く相手です。 がっぷり4つのプロレスマジック……勝つのはどっちだ！？ G1 相手はゆっくりとエンチャントを場に並べていきますが、エンチャントレスさえ除去ればさほどのアドバンテージは取られません。 《思考の粉砕》で手札を空にした後、さらに《死の雲》を叩き込んで盤面も壊滅させ、その後は禍我を繰り出して勝利しました。 G2 必殺のサイドカード、《Dystopia》が炸裂！(タイニーでは10枚のサイドボードが使えるんです) 更には《虚空の盃》で締め上げ、変成でカードを探して無限マナからの禍我で勝利しました。 ・R4 《背教の主導者、エズーリ》×× エルフシナジーを重視したオーソドックスなエズーリです。 これもトラフト同様仮想敵として想定していたジェネラルで、正直相性は一番いい。 ピン除去全除去全てが刺さる上にサイド後は《非業の死》や《仕組まれた疫病》などさらにデッドリーなカードがあります。 まぁ負けんでしょ！ G1 マナフラッド G2 マナスクリュー いかんｗｗｗおわっとるｗｗｗｗ事故には勝てんがやｗｗｗｗｗ ま、まぁその後のフリープレイでは相性通りの結果になったので良しとしましょう！ ここで階段が崩れて（R3終了時、自分含めて全勝は3人だけだったので）大会は終了となりました。 最終的な順位は一位ズルゴ、二位エズーリ、三位禍我という事で、単色デッキが上位を独占するという…会場にいた多くのプレイヤーの予想外の結果となりました。 これらのデッキはすべて統率者が重要な位置にあり、タイニーリーダーズというフォーマットのルールを活かしたものになっています。 また《火と氷の剣》などの各種「剣」や《スフィンクスの啓示》などの、いわゆる「ただツヨ」カードを使わず、それぞれ尖った戦略を徹底しているのも特徴です。 これは一見すれば、多色でのパワーカードによるグッドスタッフが有力そうなフォーマットの印象に対し、しっかりと単色での特徴を活かした構築でも勝てるという証明でもあります。 自分含む各プレイヤーのデッキの選出基準が「好きな色」が最も大きなファクターだったのも、面白いなぁと思いましたし、この結果に繋がったのかもしれません。 最後に、お待たせしました。気になる全勝優勝者のデッキレシピは以下になります。
タイニーリーダーズはデッキ構築のハードルが低くお手軽で、かつとてもやりがいのあるフォーマットです。 そして、まだまだ始まったばかりの環境でもあり、今回の結果もあくまで一つの結果・指標に過ぎません。 自分だけのリーダーで、自分だけのデッキを作っていく楽しみや、まだ発見されていないこの環境ならではの強カードを発掘する楽しみもあります。 興味を持たれた方は、ぜひ小さな勇者たちが火花散らす戦場に参戦してみてください！
