include $_SERVER['DOCUMENT_ROOT']."/js/prepend.php"; ?>
2015.06.26 text by Iwa-Show
「Ignite your spark/内なる灯の目覚め」というキャッチコピーが、いかにもマジックらしい。2015年7月17日に発売される『マジック・オリジン』。22年の歴史を持つマジックの、最後の基本セットである。 最後にして、そのタイトルは起源/Origin。ゲームと背景世界の両方で活躍し愛される5人のプレインズウォーカー。彼らがいかにしてプレインズウォーカーという多元宇宙における至高の存在となったのか、その過程をメインストーリーに据えた、終わりにして始まりのセット。 ストーリー展開も気になるところだが、プレイヤーとしてはどんなカードがお目見えするのか・環境に与える影響はどんなものか、そこが楽しみでしょうがない。このプレビュー期間が、ある意味一番楽しい時期なのかもしれない。 というわけで、今回も当サイトにて『マジック・オリジン』のカードをプレビューさせていただくことに。サイト冥利に尽きる、これも日頃の皆様のサポートあってのこと。改めて、感謝の言葉を。 ●キテオン・イオラとテーロス 『テーロス』は2013年9月に発売された、全く新しい次元・テーロスを舞台にしたセットだった。
古代ギリシアをモチーフとし、神々が住まう次元でのエルズペスらの冒険を描いた。エンチャントをテーマとして扱い、このテーロス・ブロックからはスタンダードのトーナメントシーンで活躍したエンチャント・クリーチャーも多数現れた。
『ニクスへの旅』にて《神送り》登場時には、エルズペスが幼少時にプレインズウォークしたのはテーロスであり、その時に手に入れた今でも彼女の得物となっている剣はパーフォロスが錬成したものであった、というエピソードが判明。 それから1年…今年
4月に、テーロスという次元にゆかりのある人物がもう一人、判明した(家庭用ゲーム「マジック・デュエルズ・オリジン」の先行情報にて)。白のプレインズウォーカー、ギデオン・ジュラ。彼の出身次元がテーロスであり、その幼名がキテオン・イオラだったということが判明。この幼き日の彼の名は、既にカード上に登場していたという事実に多くのマジック・ファンが驚きと興奮を隠せなかった。
『マジック・:オリジン』は5人のプレインズウォーカーの起源を描く、と前述したが、今回その過去が明かされる白のプレインズウォーカーこそ、ギデオン・ジュラ/キテオン・イオラ。となれば、『マジック・オリジン』ではテーロスの世界に住まうクリーチャー・そこで飛び交う呪文が収録されているだろう、ということだ。
●エンチャント推しは続く?《神々の兜》 さて、少々勿体ぶったが、今回プレビューを依頼されたカードをご紹介。お待たせしました、《神々の兜》をご覧あれ!
未だかつてない、エンチャントを参照する装備品がお出ましだ。『ミラディン』にて登場した装備品、かつてはクリーチャーが除去されても戦場に残る点から「オーラの上位互換」とよく言われたものだ。 実際に、軽い装備品達はオーラの立場を奪い、しばらくはクリーチャーを強化するものは装備品一択、そんな時代が続いた。近年では逆に装備品が重めに設定され、強力なオーラが登場して立場は逆転か、というところ。そして、『マジック・オリジン』にて長年比較されてきた両者が、まるで歩みよったかのような1枚が此度登場。
《神々の兜》は、戦場に出ているエンチャント1つにつき+1/+1修正を、これを装備しているクリーチャーに与える。この、エンチャントをカウントしてクリーチャーのサイズを上げるというのは古くから存在する能力で、特に緑がその役割を与えられることが多かった。 これを最大限に活かしたのが「アデプトグリーン」と呼ばれたデッキ。序盤からエンチャントを展開して、《祖先の仮面》をつけたクリーチャーか《ヤヴィマヤの女魔術師》で殴り勝つ。シンプルながら強力、これまでにないアプローチで組まれたこのデッキは、多くの人々にとって忘れられないデッキとなった。
最近登場したカードだと、《天上の鎧》がスタンダードとモダンで大活躍。軽量の呪禁持ちクリーチャーにオーラをベタベタと貼って、そして《天上の鎧》で打撃力を一気に倍増させる。これが非常に強力で、簡単に二桁パワーを持つ小さな大怪獣を生み出すことが出来てしまう。 《神々の兜》、気になるマナコストも唱えるのに1マナ・装備に1マナと超軽量。《天上の鎧》のあの活躍を見ていると、同等の修正値を持ちコストも近いこのカードもひと暴れしそうな、そんな予感がする。
テーロス・ブロックが生み出したニクス生まれ=エンチャント・クリーチャー達が多数いる今、ただクリーチャーを展開しこの兜を装備させるだけで、かなりの打撃力を叩き出すことだろう。同ブロックのエンチャント猛プッシュにより生み出された数々のカードがその真価を発揮するのは、実はここからなのかもしれない。 あるいは、『マジック・オリジン』にて強力なエンチャントが複数登場するかもしれない。エンチャント推しだったテーロス・ブロックに限らず、最近のセットでは「壊されやすい」という弱点を持つエンチャントにその弱点を補って余りあるカードパワーが与えられている。
《神々の兜》と同期で、これらのような恐ろしい能力を持ったエンチャントが複数現れれば、現スタンダードのメタゲームを塗り替えてしまう全く新しいデッキが登場する可能性がある。果たして、エンチャント推しはまだ続くのだろうか?『マジック・オリジン』の全てのカードが公開されるのが待ち遠しい。皆に、神々の祝福があらんことを。
《狂暴ウォンバット》君は今、星になったのだ…。