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2015.9.4
text by Hayashi Shoya
次元ゼンディカーの世界を、再び楽しめる。
失われていた“同盟者”、パックを剥く楽しさを何倍にも増幅させる“トレジャーカード”、そして絶賛大暴れ中の“エルドラージ”を新しく引っ提げて。
最近色んな次元に再帰する事の多いマジック。この10月発売の新セットは、背景世界に興味のある方ならずっと、ずーっと気になっていたであろう、次元ゼンディカーのその後がついに明かされます。
以前の『ゼンディカー』の時もそうだったのですが、ゼンディカーを舞台としたブロックは3色をメインテーマにしたブロックの次に顔を出す傾向がありますね。アラーラしかり、タルキールしかり。
『エルドラージ覚醒』にて同盟者という部族も消え、多元宇宙最悪の脅威・エルドラージも文字通り覚醒し、後は次元を食い荒らされて終わり…なのかと思っていましたが、『戦乱のゼンディカー』では新たな同盟者も存在するようで、まだ抵抗中なようです。
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大地は度重なる“滅殺”により生気を失い真っ白に朽ち、
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この地の住人達は捕えられ、汚染され、エルドラージとしての二度目の生を吹き込まれ、かつての友の眼前に敵として現れます。
それでも生き残った抵抗者達は、次元の未来に希望を見出すために日々の苦難を切り抜け、前へ歩もうとするのを辞めません。
味方が少しの原型を留めながら全く別のものに作り変えられている、と言うのはミラディンの傷跡・ブロックでもあった展開ですが、ファンタジーの王道にしてストレートに恐ろしいものがありますね。
全体的に『新たなるファイレクシア』っぽい雰囲気になってきましたが、何故だか元ミラディン次元(現:新ファイレクシア)に比べると希望が見出せそうな、なんとなく、なんとなくですが勝利への糸口があるように見えます。
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既にウラモグが公開され、タイタンと呼ばれる超巨大エルドラージがこの次元にまだ合計3体いるとの情報が明かされました。はっきりと、唯々絶望的なのですが…それでも希望が垣間見える理由は、この地に住む者達が諦めていないだけでなく、次元そのものも成されるがままになるのを拒み、エルドラージに抗っているから、でしょうか。
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元ミラディンは、次元の保護者と言えるカーンが精神を乗っ取られたのもあってか、次元そのものは何の抵抗もなく荒廃した世界に造り変えられていましたが、ゼンディカーは違います。
この次元は、元々侵入者に対しては厳しく、それを追い払おうと全力でした。その防衛本能がエルドラージに対しても働いているのです。
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ゼンディカーの混沌の具現とされるオムナスは完全にお怒りモードで、元々は緑マナにしか関与していなかったのに「憤怒」の色である赤マナの力も備え始めました。
次元総出で厄介者のエルドラージを追い払うために動いているわけです。
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『戦乱のゼンディカー』のさらに次のエキスパンションで大逆転は起こるのでしょうか、結末がとても楽しみです。
では、ワンゲル部らしい話をぼちぼち。
ゼンディカー次元のアクーム大陸には多くの山岳地帯が存在し、それらは地表のクレバスから覗くマグマによって輝いて見えます。
昼間は焼けるように熱く、夜間は凍傷にかかる程の寒さを誇っており、その地面からはいつガスが噴き出すかわかりません。
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ガスどころか稲妻が噴き出したり、
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岩が降ってきたりもします。なんなんだこの次元は。
見た目としては、ぷかぷかと浮く面晶体がとてもユニークで可愛らしいですね。
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いつ何時落ちてくるかわかりませんが。
さて、当コラム恒例の、ピックアップした山を我々の世界の山に準えるシリーズ、始めたいところですが…「面晶体の浮いた山」はさすがに現実には存在しません。なので、今回は山の中に存在する遺跡を紹介したいと思います。面晶体=古代の人工物、古代の人工物=遺跡という発想からチョイスしました。
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「ネムルート山」はトルコにある世界遺産の古代遺跡です。トルコ国内で最大の標高であり、冬期から4月までは雪の影響で登山は困難とされています。
夏ごろの日の出や日没が美しいらしいので、興味のある方は、まだ間に合うのではないでしょうか。お早目に。
それでは、また次回。
※編注:記事内の画像の一部は、以下より引用させて頂きました。
『マジック:ザ・ギャザリング 日本公式ウェブサイト』
http://mtg-jp.com/
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製作者pixabay様
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