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『戦乱のゼンディカー』プレビュー 《連結面晶体構造》 
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ウラモグ。「無限に廻るもの」であり「絶え間ない飢餓」である、唯々圧倒的な存在。タイタンや三柱とも呼ばれる、エルドラージの血脈の頂点を司る3体。その内の、疫病・寄生者と宿主の見えない繋がり・有り余るもの、そういったものを象徴するのがウラモグである。


破壊と創造。相反する2つのものを、邪悪な調和の元に1つにまとめ上げた、破壊神とでも呼ぶべきエルドラージであり、カードとしてもそれを再現する、パーマネントやライブラリーを塵と化す能力を備えている超大型クリーチャーだ。塵、と言えば《全ては塵》を放ったのもこのウラモグだ。


外見上の特徴は、のっぺらぼうの頭蓋骨に覆われた頭部・肘から先が二股に別れた腕・タコのような、触手で構成された下半身。この怪物の血脈に属するエルドラージ達もこの特徴を受け継いでおり、イラストを一目見ればそれとわかるものになっている。それらウラモグの血脈に属するカードは、ヘビー級で破壊力に満ちたものが主となっている。

 このウラモグが、現時点でゼンディカーに跳梁跋扈するエルドラージの中でも最大の脅威となっている。同格の存在であるコジレック、エムラクールの姿は確認されておらず、彼らはゼンディカーを去った可能性もあるようだが、果たしてどうなるか…今後更新されてゆくストーリーを追っていくのが、今から楽しみだ。
いずれにせよ『戦乱のゼンディカー』において、エルドラージを代表してメインビジュアルに登場しているのはウラモグである。この巨大なる存在との戦いが、物語の中心となることだろう。




さて、今回もBIGMAGICにてプレビュー・カードをご紹介!10月2日(金)発売の『戦乱のゼンディカー』から紹介する1枚は、前述したウラモグと関わりの深いカードである。それでは、ご覧いただこう…













 今回ご紹介させていただくのは〈連結面晶体構造〉!文字通り面晶体が連結したものと、それにグルリと囲まれたウラモグの姿が描かれている。このアーティファクトは、これまでもカード化されてきた面晶体に関するカードの中でも、本格的に対エルドラージとしての機能を持っている1枚だ。かつてエルドラージを封印する際に用いられた面晶体、その本来の機能が、遂にカードとして示されたというわけだ。

 戦場に出ると誘発する、アーティファクトとしては珍しいタイプの能力を持っている。その能力は、パワー5以上のクリーチャーを追放するというもの。そして追放されたクリーチャー達は、このカードが戦場にあり続ける限り還ってくることはない。エルドラージを封印するというフレイバーが、カードとして見事に表現されている。

 4マナという現実的なコストで、無色のアーティファクトであるためどの色でも使えるエルドラージ対策、という点はカードとして魅力的だ。何もエルドラージに限らず、パワー5以上のクリーチャーを根こそぎ追放するのもポイント。自身もクリーチャーを展開するために純粋な全体除去を使えず、しかし巨大なクリーチャーを出されることが苦手、そういったデッキでサイドカードとして用いることが出来るだろう。

 タルキール・ブロックおよび『マジック・オリジン』におけるパワー5以上の有力なクリーチャーをまとめてみよう。

『タルキール覇王譚』
《真珠湖の古きもの》
《軍族の解体者》

『運命再編』
《グルマグのアンコウ》
《世界を溶かすもの、アタルカ》

『タルキール龍紀伝』
《龍王オジュタイ》
《龍王アタルカ》
《狩猟の統率者、スーラク》

『マジック・オリジン』
《森林の怒声吠え》
《ガイアの復讐者》



気持ちハードルを低めに設定したが、それでも少数となった。むしろ、パワー4以下に強いクリーチャーが固まっているイメージだ。《包囲サイ》《カマキリの乗り手》《黄金牙、タシグル》《雷破の執政》《死霧の猛禽》《囁きの森の精霊》…これらが引き続き主役クリーチャーとして暴れているならば、《命運の核心》《衰滅》なんかを使った方が良いかもしれない。



 やはり焦点となるのは、一体どれだけの数のパワー5を上回る新たな脅威=エルドラージが登場するかという点。幸いにも、破壊不能という絶対的除去耐性を備える〈絶え間ない飢餓、ウラモグ〉にも、フレイバー通り対処が可能だ。ウラモグは唱えられた時にパーマネントを2つ追放する。これで土地を2枚やられるだけで、こちらの対処手段が唱えられずに詰み、ということも考えられるが、〈連結面晶体構造〉は無色の4マナと唱えやすい呪文なのが有難いところだ。現実的であるか否か、こういう対策系カードにとっては大事なことだ。

 構築で活躍するかは、何かに対応するタイプのカードなので、対応されるカード・このカードの場合エルドラージを初めとする巨大クリーチャーがそもそもどの程度使われるかにかかっているので現時点では何とも言えない。
ただ、リミテッドならば「とりあえずデッキにいれておく」感覚で使って問題ない様に見える。〈軍団を破壊するもの〉〈エルドラージの壊滅させるもの〉と、アンコモン・コモンにも巨大なエルドラージが存在していることが判明している。


エルドラージのみならず、緑などの各色にもそういった連中はいるだろうし、レアともなれば言わずもがな。そういった連中を1枚で複数対処できるのだから素晴らしい。実際にウラモグを出されている状況でトップデッキした時には、この面晶体による拘束作戦に参加した者の気分が味わえるのではないだろうか。

 いかに複数のエルドラージを拘束して気分が晴れ晴れとしても、油断・過信は禁物だ。何故なら、拘束後にあなたはこの面晶体を護りつづけなければならない。これが戦場を離れるようなことがあったら…怪物たちはその構造物から解き放たれ、再び牙を剥くことになる。まるでゼンディカーの現状そのものではないか。封じたのなら最後まで護り抜くか、あるいは相手がこのカードに干渉してくる前にさっさと勝負をつけてしまうのが得策。結局、映画なんかでも封印はその場しのぎでしかないのはお約束だ。


アーティファクトによる効果範囲が限定された全体除去…今まででありそうでなかったカードを今回はご紹介させていただいた。ゼンディカーを救うため・あるいは侵略するためのカードはまだまだ登場してくる。エルドラージを使役する側もそれに立ち向かう側も、胸の高鳴りを抑えられない、プレビュー期間という二度と味わえない日々を楽しもう!


ところで、自身の《グルマグのアンコウ》と《絶え間ない飢餓、ウラモグ》を同時に追放して、その後〈連結面晶体構造〉が破壊されたとして…アンコウが無事に還ってくる気がしない。


「絶え間ない飢餓」×「アンコウ」なんて、もう鍋しか思い浮かばないってぇ!




岩Show&リュウジによるプレビュー動画も、合わせてご覧ください!


 
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