2015.9.25 text by Hayashi Shoya マジックで遊んでいると、特定の“好きな種族”が自分の中で定まってくると思います。それはエルフやゴブリンなど、強くて構築シーンでよく見るから&使うからいつの間にか好きになっていたと言うものや(勿論、強さ以外の魅力もタップリです)、リバイアサンなど種族そのものがマジックならではのロマン的な存在だから……など、好きになる切欠は色々あると思います。 勿論、そもそもマジックに関係なく元からその種族が好きな場合もあるでしょう。僕にとっての吸血鬼がそれで、『戦乱のゼンディカー』の公式カードギャラリーに吸血鬼が公開されるのを日々楽しみに待っています。
まあ、吸血鬼と言えばどの次元のものが一番かと聞かれると、ゼンディカーではなくイニストラードなのですが。
この次元には比較的よく見るクリ―チャー種族代表であるゴブリンやエルフはおらず、代わりにモンスターもの・ホラー作品で頻出するゾンビや狼男等にスポットが当てられています。吸血鬼もそれら西洋モンスターの内の一つで、『イニストラード』は赤単色の吸血鬼が初めて出たセットでもあります。 次元イニストラードの吸血鬼は太陽があまり姿を見せない、イニストラードで最も暗い地域であるステンシア州を特に住処として好みます。複雑な形で連なる山地、ガイアー岬が州の面積の大半を占めており、この山地が作る二つの長い谷はそれぞれ辺境の谷、内陸の谷と呼ばれています。
これらの地形を利用して吸血鬼は餌である人間を監視・支配しています。そんな状況でも、この地に住む人間は辛抱強く牧畜と採集を主とした生活を送っています。 ガイアー岬、通称“禿鷲の翼幅”は内陸部こそ森に覆われていますが、途中からは森林限界に至り樹木が消え剥き出しの岩地になります。山頂は雲によって遮られ、下から見上げるしかない人間にはその先に何があるか知ることが出来ません。 好奇心高くこの山地を踏破しようと考える事は可能ですし自由ですが、実際に成し遂げる事はほとんど出来ないでしょう。 そもそも山道と呼べる進路は限られており、それらの道にも復讐に燃える幽霊だの灰口の小悪魔だの吸血鬼だのが監視、闊歩しています。
ガイアー岬の中央には灰口と呼ばれる深い裂け目があり、文字通り、本当の意味で“地獄”へと通じています。 こんな危険な道を通ろうとすると、その人もそこらを彷徨う幽霊の仲間入りをしてしまうでしょう。 一応、ソンバーワルドと言う気高く清純なクリーチャー達の故郷である美しい森も、このステンシアの領地内です。狩人や狼男がケッシグ内で勢力を伸ばした結果、動物たちは吸血鬼によって狼男が容易に入ることのできないこの地へと逃げ延びました。
熊などの野生生物が出ますので人間にとっては相変わらず…… もっと深く、この世界の人間と吸血鬼の関係などについて掘り下げたいのですが、記事が変わってしまうので割愛させていただきます。あくまで、山記事。 上記は『イニストラード』時点でのステンシア州の状況を描いたものであり、『アヴァシンの帰還』後は次の《山》の通りです。光が…。
ステンシア州の山は霧が多くかかる、という事で今回は「霧の海」で有名な高谷山の紹介です。
九月から三月にかけて文字通り、霧の海が見えるようです。登るには良いタイミングですね。早朝にしか見られない現象とのことなので、早起きして臨みましょう。 それではまた次回に。