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2015.10.09
Text by 森安元希
『ニュー・スタンダード!』
ついにこの季節がやってきました。
『運命再編』発売後から連載開始した “Damage
4 Wins!” が初めて迎えるローテーション期です。
『基本セット2015』とテーロス・ブロックが落ちて、戦乱のゼンディカー・ブロックの1セット目『戦乱のゼンディカー』が加わります。
6年ぶりにスタンダード環境に帰還したゼンディカー次元。久遠の闇から現出したエルドラージの脅威は、以前にも増しています。
その『戦乱のゼンディカー』のカードプレビューも9月18日、全てのカードのお披露目を行われ10月2日に無事発売されました。この期間に、次期環境のデッキを妄想・あるいは実際に構築されたプレイヤーも少なからず存在したことかと思います。
『カード・プールを確認する』
『マジック・オリジン』発売の際にも行なった、“高い打点”を持つカードを洗いだす作業から
『戦乱のゼンディカー』がどういったセットなのかを見てみましょう。
ただその前に、『基本セット2015』とテーロス・ブロックが落ちることで
どういったカードが落ちることで、それらが当記事が目標としている“4ターン・キル”に影響をおよぼすかの復習から入ってみましょう。
実際のスタンダードで4ターン・キルを構成していたカードたちを紹介します。
全て羅列すると枚数がふくれあがってしまうため、
実際にキーカードとなる「4T目までに6点以上を与えられるカード」にしぼってみます。
以下にカード名と解説、そして「最大打点」を記しています。
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《ゴブリンの熟練扇動者》の脱落がやはり顕著です。
また《アーティファクトの魂込め》もローテーション落ちということで、
現行のスタンダードは大きく環境を変えることが決定づけられています。
『戦乱のゼンディカー』
それでは次に「戦乱のゼンディカー」で得た4ターンキルカードを見てみましょう。
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12枚エントリーです。
枚数自体は意外と悪くないのではないでしょうか。
ただ《鋳造所通りの住人》からの《ゴブリンの熟練扇動者》のような”爆発打線”は見えにくいです。
欠色と上陸両方の役割である赤にキーカードは集中しているようにも見えます。
通常のプレイングで今回打点を想定できるカードをピックアップしてみましょう。
・《破滅を導くもの》
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・《マキンディの滑り駆け》
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・《噛み付きナーリッド》
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・《大群の殺到》
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2マナの上陸クリーチャー2体と無色ロード、そして全体強化です。
※ただし上陸はフェッチとサーチ2セットによって計4回誘発してることが前提。
《大群の殺到》も合わせてトークン含め4体のアタッカーを想定しています。
実は過去これまでDamage 4 Wins!ではデッキ構築の上で青色だけ使ったことがありませんでした。
(《アーティファクトの魂込め》デッキを紹介するタイミングが合わなかったのもありますが)
それは青が殴るのが得意な色ではないというのが大きい理由でしたが、
今回、欠色の導入によって多少なりとも色の格差が改善されてるようにも思えます。
まずは提案の意味合いでも《破滅を導くもの》をフィーチャーしたデッキリストを考えてみましょう。
※6マナ 5/5のレアカードの邦訳も《破滅を導くもの》と誤訳されています。
向こうの正式名称は《破滅の伝導者》となります。
『カードチョイス』
では《破滅を導くもの》フィーチャーデッキは何色が良いでしょうか。
白以外に欠色はありますが、緑は《地下墓地の選別者》を除いて軽いものが少ないようです。
ピックアップしたカードを使いつつ青黒赤で一旦まとめた形にしてみましょう。
テンプレートとして使っている「1マナ9枚、2マナ8枚、3マナ7枚、4マナ6枚、フリー枠6枚、土地24枚」を
適宜変形させながら当てはめていきましょう。
近回では省略していたところもあるので、少し細かくカードの採択を書いていこうと思います。
3マナ
4《破滅を導く者》
3《威圧ドローン》
《破滅を導くもの》は3マナの"無色ロード"ということで、1-2マナに無色のアタッカーを用意していきましょう。
また《威圧ドローン》が、"出て2点殴って3点"という形なので、6打点には足りない"5打点"ではあるものの、
4T目のプレイでもライフを狙えるのは非常に有意義なので、採用です。
2マナ
4 《殺戮の先陣》
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ラヴニカの回帰期スタンダードの赤緑ビート系に採用された《火打ち蹄の猪》を彷彿させるスペックのアタッカーです。
自身のみならず後続も速攻を付与して発射できるというのは軽く纏める上で安定をもたらすことでしょう。
特に3マナ域がどちらも速攻の対象にとれるため、3T目3マナ→4T目3マナ+速攻という動きを強く取れます。
2枚で既にタイトな3色なので出来るだけ白・緑の採用の優先度は落として考えていきましょう。
また他の2マナの無色のアタッカーが打点的に貧弱な為に一旦他の枠を埋めていきます。
1マナ
4 《泥這い》
欠色の1マナクリーチャーが青・黒・緑にいます。
特に緑の《膨れ鞘》は場もちの上で優秀なのですが黒が唯一パンプアップ能力を持っています。
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それでも基本的に3打点という小さいサイズなので他のカードでサポートしてあげなければいけません。
1マナ
4 《結束した構築物》
1 《果てしなきもの》
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《結束した構築物》と《果てしなきもの》はそれぞれ無色のカードとして革新的なサイズ(マナレシオ)を持つカードです。
1マナ2/1のアーティファクト・クリーチャーは初出でしたし、条件のないXマナX/Xというのもシンプルかつ画期的です。
もちろん、現代の赤や白の一線級のタッカーたちと比べると落ちるところもありますが
3色デッキというなかで色拘束なくプレイできるというのは強みです。
ここで一旦、リストにまとめてみます。
また《殺戮の先陣》と《果てしなきもの》が特に顕著ですが、”プレイターン毎の打点”の動きが歪んでいるカードが何枚かあります。
1T目プレイ時の打点→2T目プレイ時の打点→3T目打点→4T目打点もそれぞれ記載してみましょう。
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4T目の(+X)は《殺戮の先陣》によって速攻が付与された場合です。
《結束した構築物》(0→0→2→2)→《殺戮の先陣》(0→0→3→3)→《破滅を導くもの》(0→0→2→6)→1~3マナの生物+速攻(0→0→0→最低2)で4+6+8+2で「4T目計20点超」になります。
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若干ギリギリですがメインとなる軸はこれでよさそうです。
4T目のアクションが《威圧ドローン》以外であれば土地が3枚で止まっても問題ありません。
(※4T目速攻のない《威圧ドローン》だとロード能力の計算の関係で1点足りません)
空いた枠はこれらのキーカードを引けなかった場合でも4ターンキルできるスペックのカードで埋めましょう。
具体的には2マナと4マナの空白欄に求められるスペックがここで割出されてきます。
「《泥這い》/《果てしなきもの》(3点)→***→《威圧ドローン》(5点)→***」の流れで20点の流れを作れるカードで、
2枚で残り12点。やはり1枚あたり6点であることが求められます。
2マナの無色のアタッカーは基準を満たすものがなかったので、
有色のカードにも目を向けてみましょう。
《破滅を導くもの》とは別のルートの為のカードなので無色であることが必須ではありません。
ただもちろん2T目有色のカードをプレイしたあと、3T目に《破滅を導くもの》しかないということも往々にして有ります。
その場合は《破滅を導くもの》で計算してる打点が2点下がる為、20点まで少しだけ点数が足りなくなります。
その為、この2マナのカードはその損失分もおぎなう「8打点」あることが最良です。
青赤黒でこの条件を満たすカードはあまり多くありません。
先日のゴブリンデッキでも採用した《満月を呼ぶ声》が9打点、
そして今回の《マキンディの滑り駆け》がフェッチ2回で8打点です。
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数字上は《満月を呼ぶ声》の方が高いのですが、これを2マナの動きとして換算してしまうと、
1マナのクリーチャーを引けなかった場合、展開が3T目からという著しく遅いものになってしまいます。
今求めている「8打点」をクリアしている《マキンディの滑り駆け》にしましょう。
2マナ
4 《マキンディの滑り駆け》
フリー
2 《満月を呼ぶ声》
その代わりに《満月を呼ぶ声》は本来動きのなかにはカウントしないフリー枠での採用をして、
そのトランプルの突破性能力に頼ってみます。
「《泥這い》→《マキンディの滑り駆け》→《威圧ドローン》→***」
現実的に3-4T目のセットランドが基本土地1フェッチ1だった場合、この組み合わせだと3T目までのカードで15点なので、
4T目のカードで「5点」与えることが求められます。
これは例えば、次ターンに加速度的に打点が高まるとしても、《大いなる狩りの巫師》の4打点では足りないということです。
この「4マナ4点(速攻・火力)」というのはデメリットなく達成できる点数の上限の一つで、
5点を目指すとなると多少なりとも使い方にクセのある能力と突き合さる形になります。
スタンダードでは《疾走する戦暴者》、《冷酷な軍族》の確定5点と《炎駆の乗り手》の3+α点の”疾駆”組に、
今回《塵の中を忍び寄るもの》が加わった形になります。
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単体であれば疾駆と同じ挙動なのですが、戻す戻さないをその場で選べないのは難点ですね。
今回は《炎駆の乗り手》を優先的に採用してみましょう。
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「《泥這い》→《マキンディの滑り駆け》→《威圧ドローン》→***」は今挙げたいずれでも20点を達成するのですが、
別パターンで2T目《殺戮の先陣》が初動となった場合、《破滅を導くもの》→《炎駆の乗り手》疾駆と繋げることで
3T目4点、4T目 5点+4点+4点+3点の16点で20点達成するのが唯一《炎駆の乗り手》だからです。
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残る2枚は《冷酷な軍族》にして、《マキンディの滑り駆け》→《冷酷な軍族》→《炎駆の乗り手》で20点コースを作っておきましょう。
4マナ(換算)
4《炎駆の乗り手》疾駆
2《冷酷な軍族》疾駆
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残るはフリーの4枚枠だけになりました。
こうしてプレイターン毎の打点をつけると”空いてるターン”が分かりますね。
3T目は殆どのカードがプレイ出来るのでフリー枠をこのマナ域に用意しなくて良さそうです。
フリー枠の目線では、1マナクリーチャーしかいない1T目と、
《殺戮の先陣》の速攻付与を含めても3マナまでが多い4T目にそれぞれ1マナずつ空いています。
2T、3T目に空いていれば《搭載歩行機械》が取れたのですが、今回は一端見送りましょう。
選択肢が2つあります。
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1T、4T目それぞれのマナ域を埋める上に欠色とのシナジーがある《幽霊火の刃》と、
4T目5点が現実的に運用可能な《火口の爪》です。
獰猛の”種”は《マキンディの滑り駆け》4枚、《冷酷な軍族》2枚、《満月の呼び声》2の8枚あるので、
いわゆるドラゴンデッキにおける《龍詞の咆哮》とドラゴン・カードの枚数の比率と近く、最低限を満たしています。
《幽霊火の刃》によっても獰猛を達成するので、散らしても良いかもしれません。
2《火口の爪》
2《幽霊火の刃》
今回は暫定的に真ん中を取りました。
《爪鳴らしの神秘家》のようなマナ・クリーチャーが多いと感じればテンポを挫くためにも《火口の爪》を多く、
《包囲サイ》のような高タフネスが多いと感じれば突破力を上げるため《幽霊火の刃》を多くしてみましょう。
『土地配分』
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スペルが決まりました。
土地配分にうつりましょう。
モダンのゴブリン・カンパニーのときにも少し話させていただきましたが、
「どの色マナが」「いくつ」「何ターン目に」必要なのかを考えてみていきましょう。
今回はザックリ、ターン毎に枚数を書き出してみます。
1T目 黒4枚
2T目 赤黒4枚、①赤6枚
3T目 ②青4枚、②黒3枚
4T目 ②赤赤4枚、②黒黒 2枚、③赤 2枚
「黒→赤/黒→青→赤赤/黒黒」の順番で出れば問題なさそうです。
順番に「9枚→8枚/8枚→7枚→12枚/12枚」あれば最低限でしょうか。
第1ターンのアンタップインの黒マナ9枚から考えてみましょう。
タルキールフェッチと《沼》の組み合わせがあります。
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4《血染めのぬかるみ》
4《汚染された三角州》
1《沼》
第2ターンの黒マナ分はこれで確保できてる為、赤マナを考えます。
第3ターンの青マナと一緒に考えてみましょう。
《シヴの浅瀬》が赤・青マナをアンタップインで供給します。
青は最低限で良いので1《島》(+4《汚染された三角州》)で、5つ。足りない2つを補います。
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1《島》
2《シヴの浅瀬》
残る赤マナ2つは《山》で補うのですが、この地点では《山》《山》と引きたくない為、片方を《樹木茂る山麓》にします。
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1《樹木茂る山麓》
1《山》
第4ターン。そして今回の新しいデュアルタイプ・ランド、俗称「バトル(BFZ)ランド」の登場です。
ここまでで仮想的にセットランドしているのは《沼》《山》《島》のいずれか2枚と《シヴの浅瀬》なので、
アンタップインの条件を満たしています。
足りないのは赤/黒マナが4枚なので《燻る湿地》で埋まります。
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4《燻る湿地》
ここまでで18枚。残り6枚は脆そうなところを埋めていきましょう。
フェッチの枚数に対して《山》《沼》が少なく、3-4T目のフェッチ起動の際に枯れている可能性があるので
確実にアンタップインさせる為に《山》《沼》を足します。
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+1《山》→2《山》
+1《沼》→2《沼》
《血染めのぬかるみ》から青マナを持ってくるために島・沼のバトルランドも入れましょう。
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+1《窪み渓谷》
残る3枚ですが色は足りているので、色マナの更なる確保よりもスペル的な役割を持つ土地を採用し、
攻める体勢を取り続けましょう。
起動コストがかなりの重さながら、呪文1枚分の役割を持つ
《荒廃した山峡》
《荒廃した湿原》
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タップインというコストだけで済むものの展開が止まりえる
《そびえる尖頂》
《亡骸のぬかるみ》
《天空の滝》
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守りを硬くすることで攻める姿勢をより強められる
《精霊龍の墓》
あたりが選択肢です。
《龍王オジュタイ》《龍王ドロモカ》にも確実に対応できる《荒廃した湿原》は高評価です。
自分より攻めに特化したより軽い形への耐性は低いので
《荒廃した湿原》《精霊龍の墓》で合わせて3枚取るのをお勧めします。
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2《精霊龍の墓》
1《荒廃した湿原》
以上の24枚を採用してみました。
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Sample
Deck |