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ライターレポート:GP北九州前編 スタンダード本戦 坂本力祐 
 
text by Ryousuke Sakamoto 

 GP北九州に参加された皆様、お疲れ様でした!

 ISD-RtR期のスタンダードは個々のカードパワーが高く、かつ多種多様なアーキタイプが乱立してしのぎを削っているということもあって、非常に面白いものでした。

 私は個人的に「GPに行くときは絶対に本戦に出る」というのをモットーにしており、いかにサイドイベントのレガシー選手権が本番だと思っていても、いかに本戦が不慣れなフォーマットだったとしても、いかに付け焼刃だったとしても、そこは崩さずやってきたつもりです。

 しかし今回はそういう訳ではなく、純粋に「スタンダード構築のGPで結果を残す!」ということを目標にひたすら調整を繰り返し、結局レガシー用のデッキは前日の晩になるまで放置…といった具合でした。
それもこれも、繰り返しになりますが今回のスタンダード環境の面白さ故だったと思っています。



 そんないつもとは違う気持ちで臨んだGP北九州13。

 これまたいつもとは一味違う記録的豪雨の中、長い長い戦が始まる。

Deck Name:Junk Aristocrats
25land
4《草むした墓/Overgrown Tomb》
4《寺院の庭/Temple Garden》
4《神無き祭殿/Godless Shrine》
4《陽花弁の木立ち/Sunpetal Grove》
3《孤立した礼拝堂/Isolated Chapel》
3《森林の墓地/Woodland Cemetery》
2《ガヴォニーの居住区/Gavony Township》
1《沼/Swamp》

23creature
4《宿命の旅人/Doomed Traveler》
2《若き狼/Young Wolf》
4《スカースダグの高僧/Skirsdag High Priest》
4《カルテルの貴種》
4《復活の声/Voice of Resurgence》
3《縞痕のヴァロルズ/Varolz, Scar-Striped》
3《冒涜の悪魔/Desecration Demon》

12spell
3《未練ある魂/Lingering Souls》
4《悲劇的な過ち/Tragic Slip》
2《化膿/Putrefy》
2《情け知らずのガラク/Garruk Relentless》
15sideboard
3《強迫/Duress》
2《脳食願望/Appetite for Brains》
3《漁る軟泥/Scavenging Ooze》
2《ゴルガリの魔除け/Golgari Charm》
2《ヴィズコーパの血男爵/Blood Baron of Vizkopa》
3《突然の衰微/Abrupt Decay》
 従来の赤白黒アリストクラッツとは異なり《ヴァロルズ》を2種類目の「サクり台」として利用したジャンク・アリストクラッツ…
 なのですが、そのままではトップメタであるジャンドに対してあまりにも分が悪く、テストプレイで得られた結論は「相性差1-9」という悲惨なもの…

 そこを何とか解消する為に至ったのが上記のデッキです。

 あまりにもジャンドに対し《血の芸術家/Blood Artist》が弱く、毎回サイドアウトされていた為、そこを4枚目の《スカースダグ》、3枚の《冒涜の悪魔》で補った形ですね。
 早い段階で生成される空の巨大クロック、これこそがジャンドの牙城を崩す鍵だと信じていました。



 この構築は功を奏したのか?
 実際の試合を見てみましょう。



GP北九州本戦、参加者1207名。初日9ラウンド

第1回戦 BYE


第2回戦 青黒コントロール ○○

G1

こちら先手でタップイン処理してエンド。
返す相手は初動《沼》で「ゴルガリコンか?厳しいなぁ…」といったところ。
しかしとりあえず無難に《復活の声》を置いてみると、今度は《島》エンド。

LSVの青黒コンか? なら何もおそるるに足らず!と《声》《声》連打。
本当にこのカードは赤くないデッキに対して馬鹿げた強さである。
そのまま6点6点6点、でおしまい。


G2
後手。今度は頼みの《声》は見当たらず、とは言えスカースダグ、冒涜の悪魔、未練ある魂といった《破滅の刃/Doom Blade》が効かない連中が揃っているのでキープ。

《スカースダグ》は《歪んだ体形》で処理されるものの、相手はマナが伸びずに苦しそうな様子。
表裏の《魂》でビートダウンしつつ、手札破壊を織り交ぜて勝ち。
流石にデッキ相性というものを感じる。

先ずは幸先よく通算2-0。



第3回戦 ジャンド ○○

早速現れた天敵。しかしこのデッキを倒せずしてGP北九州13に参加する資格はない。

G1
ショックイン《狼》から《カルテル》《カルテル》と連打するスタート。
早々に奇跡X=2の《かがり火》に襲われるが、《狼》を2回生贄に捧げてこちらの損失を最小化する。

次のターンに再び手札からX=2《かがり火》が襲ってくるのだが、これは事前に準備していた《魂》トークンを生贄に捧げてしのぎ、追加で出てきた《高原の狩りの達人》には即座に《ガラク》の格闘能力を当てていく。

着々とライフを削っていき、ジャンドキラーこと《冒涜の悪魔/Desecration Demon》が着地。もう後がない相手のトップは…

3枚目の《かがり火》!

しかしX=5が限界であり《悪魔》だけがこちらの戦線に生き延びる。
1回殴って相手のライフは1、単体除去が来ないことを祈って…通じた!


G2
まずはサイドインした《強迫/Duress》で相手の《火柱/Pillar of Flame》を抜くところから。
こちらは2ターン目の《カルテル》3ターン目《ヴァロルズ》。

《オリヴィア》は《化膿/Putrefy》で撃退し、またまた《狩りの達人》が出てくるのだが、こちらも負けじと《悪魔》で応戦。

勿論アタックにいけば狼トークンが「やめて!」と止めにくるのだが、これで陰鬱が誘発し、残っていた《達人》本体に《悲劇的な過ち/Tragic Slip》を打ち込んでブロッカーを排除。残り全軍でアタックして相手のライフは0に。


怨念のジャンド殺しが実って通算3-0。



第4回戦 ジャンド ○×○

まだまだ続くジャンドタイム。だがもう怖くない。


G1
《旅人》+《スカースダグ》+《ヴァロルズ》=デーモン。
ジャンドを速度で殺すための「もう一つのデーモン」が早々に場に舞い降りる。

これが決まれば後は信じて殴るだけ。
デーモンが落とされれば陰鬱達成、その場で2体目が舞い降りる。それ故《スカースダグ》を処理しなければ埒が明かないのだが、そのためにターンを使ってくれるならグッと勝利が近づくのだから。

途中《スラーグ牙》が登場するが、「こっちの」デーモンはそんなものを気にしない。


G2
開幕《強迫》で《原初の狩人、ガラク/Garruk, Primal Hunter》を抜くが、おかえしに《生命散らしのゾンビ》で《ヴァロルズ》を抜かれる。

それはそれとしてもとにかく相手の《軟泥》が強い。
そこかしこで生物が死にまくるこちらのデッキを前にしてまさに「もう食べられないよ」状態である。

何とかチャンプブロックでしのぎつつ、すり抜けてくる《ゾンビ》は《過ち》で処理するのだが…そこに《オリヴィア》まで投入されては戦線が持たず敗北。


G3
序盤はお互い除去と妨害の応酬で、盤面だけが静かなままターンは過ぎていく。
高マナ域のパワーカード合戦になればこちらが不利なのは明白なのだが、今回は《ゾンビ》に奪われず無事着地した《血男爵》、加えてそれを強化する《ガヴォニーの居住区》が場にある。

《スラーグ》が出て止まりそうなところを一旦構えて《血男爵》の成長を待ち、6/6に到達した瞬間に攻撃開始。
6/6絆魂。もはや常識のライフレースでは処理できない化け物を前に、すれ違いの殴り合いが続く。

向こうにも《ケッシグの狼の地/Kessig Wolf Run》があるのだが、パワーを上げて打ち取ろうにも《血男爵》の成長は止まらない。
そのまま吸血鬼vs野獣&竜という大怪獣バトルは吸血鬼の勝利で終了。



今まで葬られ続けてきた《未練ある魂/Lingering Souls》たちの怨嗟の声を聴け、
とばかりにジャンドを2連続で打ち倒し、通算4-0。



第5回戦 呪禁バント ○×○

遂に登場、スタンダードの非常識デッキ代表である。

G1
あちらは《巡礼者》、《トラフト》から《天上の鎧/Ethereal Armor》&《高まる残虐性/Increasing Savagery》で4ターン目にパワー8、先制攻撃、アタックすると天使が出るという非常識な化け物が完成。

だがこちらも負けてはいない。
3ターン目に《スカースダグ》の悪魔召喚プログラム完成。
続いて《冒涜》も登場し、4ターン目にしてクロックは1+1+2+5+6=15。
双方非常識である。

いかにバケモノ化した《トラフト》と言えど、本体の攻撃はデーモンによるチャンプブロックと陰鬱による再召喚で完全に止まり、天使の攻撃は《冒涜》がキャッチする。

《ひるまぬ勇気》を引かれるとツラいところではあるが、こちらのデーモン量産計画の方が先に完遂。


G2
振り返るのも恥ずかしいプレイミス。
またまた逞しく育った聖人が襲い掛かり、手なりでスピリットトークンのみでチャンプブロック。

飛んでくるのは《セレズニアの魔除け/Selesnya Charm》

トランプル付与だって?よしよし次の試合に行こう。


G3
初手に《旅人》《スカースダグ》そしてエンチャント破壊用の《ゴルガリの魔除け/Golgari Charm》とある悪くない手札。早めにサクり台を引きたいね。

相手は《巡礼者》スタート。
2回連続で《トラフト》に繋がれているので少し憂鬱になるが、他に出来ることもないので静かに《旅人》を送り出す。

すると相手の2ndアクションは…追加の《巡礼者》、透明人間こと《不可視の忍び寄り》だって!?

計画変更して《魔除け》をマイナス1モードで使用。2ターン目にしてまさかの1-3交換を叩き込み、そのままデーモン量産につなげて勝ち。



通算5-0。良いね、このままいきましょう。



第6回戦 ドムリ・ナヤ ×○○

G1

相手の《東屋》を《過ち》で潰しつつ、《声》を展開する良い出だし。
3ターン目に出てきた《ボロスの反攻者》も《カルテル》で陰鬱達成した《過ち》で処理し、《ヘルカイト》を警戒しての表のみ《未練》で攻めていく。

5ターン目にその通り空の王者が舞い降りてスピリットを2体失うが、裏面展開&2枚目の未練で攻守を固めていく。

…はずだった。


そこは相手が1枚上手、4ターン目のアタックが通ったことで《修復の天使/Restoration Angel》はいないと油断していたところに突如舞い降り、ちらつくのは当然《ヘルカイト》。

こちらの薄い壁を一瞬にして突破され、あっというまにライフは溶けてなくなった。


G2
相手の方マリガン事故。緑の土地が全く引けず、早々に次のゲームへ。


G3
相手の方はM10ランドばかりでどうにも速度が得られない様子。
とは言えこちらも《旅人》《カルテル》でちくちくと殴るほかにできる事がない。

双方、黙々と盤面に生物を並べていく。

こちらは《カルテル》、《ヴァロルズ》、《冒涜の悪魔》。
あちらは《強打者》《ヘルカイト》

こちらはこちらでチクチク攻撃が功を奏して相手のライフはもう折り返し地点。

しかし追加で投入したマナクリーチャー2体を順番に《悪魔》に献上しつつ、《ヘルカイト》に攻めらるのは明らかなのでもう後はない。
なんたってノーガードで2回攻撃され、こちらのライフだってもう8しかないのだ。


マズいかな、と脳裏に過ぎったところで盤面を見渡す。
…ん、待てよ?


《悪魔》を生贄に捧げて《貴種》にプロテクション(緑)。
《ヴァロルズ》に与えられた力で墓地から活用される《悪魔》。
そして最後に《ヴァロルズ》によってプロテクション(赤)
ついでにダメ押しの追加スピリットでプロテクション(白)


8/8 プロテクション(ナヤ)の一撃が決まって勝ち。


勝ち確を見落とすなんて、と疲労を自覚しつつ通算6-0。
あと1勝すれば最低でも明日には進めるのだが、何より6連勝である。
もっと上が見えてきた。



第7回戦 キブラー・グルール ×○×
G1

先手を理由に除去、《ヴァロルズ》、《ガラク》という重めのキープ。

すると相手は…《絡み根の霊/Strangleroot Geist》、そして《絡み根の霊/Strangleroot Geist》!

あれよあれよという間にライフがすり減って、《ヴァロルズ》を再生するためのタネにも巡り会えず、《地獄乗り/Hellrider》が登場するにあたってはそのまま瞬殺されるほかに道はない。


G2
気を取り直してこちら先手。序盤を相打ち要因でしのぎつつ、《悪魔》まで繋がるハンドが見える。

スピリットトークンで2点削ってからは、何とかして《悪魔》の攻撃を通していきたいところだが、相手も負けじと《ヘルカイト》で攻めてくるのでなかなかの綱渡りである。


とは言え天秤の触れ方はまさに微妙なバランス。

相手がこちらの手札が1枚しか残っていないことを確認した上で、《悪魔》を寝かせて殴り切るプランに移行してきたところに、握りしめていた《化膿》を叩きつける。

これで相手の戦線が尽きて《悪魔》による重い重い一撃。


G3
初手を開いてみると…
《陽花弁の木立ち》
《森林の墓地》
《若き狼》
《復活の声》
《カルテルの貴種》
《化膿》
《冒涜の悪魔》

ショックランドが引ければ完璧なハンド。もしタップイン連続処理をすることになっても、2ターン目からはきっちり動いていける。


…相手はかのキブラー・グルール。
早々に飛び出してきた《火打ち蹄の猪/Flinthoof Boar》2体を前にこちらは完全に後れを取ってしまい、後悔の時間すら与えられないまま消し炭と化した。


遂にやってしまった1敗。これで通算6-1である。



第8回戦 青白コントロール ○××

G1

相手は島、平地と立ち上がり、こちらの《声》が着地する前に《アゾリウスの魔除け/Azorius Charm》をサイクリング。
この感じだとトリコロールではないようなので、かなり有利なマッチアップである。

もはや昨日のようにすら思える2回戦目を彷彿とさせる鹿・未練ビートで勝利。


G2
正直言って、ここで青と当たったことで少なからず緊張の糸が切れてしまったのは間違いない。

しかしそれは完全に裏切られる。
《評決》で《ガラク》以外のパーマネントが一度リセットされたものの、半ば勝利を確信して打ち込んだ《強迫/Duress》。
その手には《抑留の宝球》、《スフィンクスの啓示》、そして《テューンの大天使》が。

こちらの攻めは《ガラク》、そして墓地でFBを待っている《未練》にかかっている状態。
となると《宝球》は見逃せないのだが、やはり他2つがあまりにも強い。

たっぷり悩んだ結果、他のクロックを追加で引けることを祈って《啓示》を落とし、《ガラク》を除去されない為の撒き餌として《未練》をFBする。

返しに《宝球》でスピリットが飛んだまでは良かったのだが、次に現れたのは《ロウクスの信仰癒し人/Rhox Faithmender》…
これでダメージが通らなくなり、更には《テューン》も舞い降りる。

《ガヴォニーの居住区》で無理矢理ダメージレースを仕掛ければぴったり間にあうハズだったのだが、無情にも《幽霊街/Ghost Quarter》の前に水泡に帰して死亡。


G3
事故で黒マナが出なかったこと以外、まるでG2の再現である。

細かい戦線で相手のライフを折り返しまで追い詰めたところで《評決》。
復活したスピリット達で更にライフを詰めるが、更に《瞬唱の魔道士/Snapcaster Mage》から《評決》が飛んでこんどこそ何もない場に。

やっとここで黒マナを引き込み、《脳食願望/Appetite for Brains》を打ち込んではみるのだが…

《テューン》《修復の天使》《信仰癒し人》が3つ揃えで控えた強力な手札。

相手のマナが少し詰まっていたので、5枚目を引かれないことを祈って《癒し人》を切り落とし、《ヴァロルズ》であと5点を削りにいこうとしたのだが…
5枚目の土地を引かれ遂に登場する《テューン》。

それでも《ガヴォニーの居住区》で復興した戦線を鍛えて殴れば逆転返し!と思ったのだが更に降りてきたのは《幽霊街/Ghost Quarter》。


あとは天使が空を舞うだけで、こちらの積み上げたものが崩れていく。



まさかの2連敗で後がなくなった通算6-2。
初日最終戦がバブルマッチになるなど、直前まで予想すらしていなかったのに。



第9回戦 ラクドス・アグロ ××

お互い疲弊しきった表情で席に着く。
しかしそんなことはお構いなしに”Now you may begin”はコールされる。

G1
それはもはや惨劇だった。
2ターン連続で繰り出される《悪名の騎士/Knight of Infamy》に全く触れられない《旅人》《声》軍団。

頼みの綱の《ヴァロルズ》は見事《生命散らし》に切り落とされ、ようやく《カルテル》で止めにかかればいつの間にか空を舞うのは《ファルケンラスの貴種》(6/3)


G2
今度はこちらもなかなか良いすべりだしで、狼、貴種とつないでゆく。

相手は土地1で一旦ストップしてしまい、2,3,4枚目をスムーズに引き込んだものの、そのころにはもはやライフは1ケタ。

相手の《ヴェールのリリアナ/Liliana of the Veil》、《悲劇的な過ち/Tragic Slip》によってこちらの盤面をリセットされ、お互いハンドも枯渇している。


そこに叩き込んだのは追加の《旅人》《貴種》。相手の手札は1。ライフも1。
絶対に負けるはずがない、そう思ってターンを返す。


リリアナの-2。おとなしく旅人を捧げる。
スピリットが帰還する前に《過ち》がこちらの貴種を処理。
そして…相手の最後の手札は2枚目の《ヴェールのリリアナ/Liliana of the Veil》…

予想だにしない方法でさばき切られ動揺が隠せない。

祈るように引いたのは土地。リリアナがもう1度忠誠値を貯める前に何か、何かを。

そして相手のトップから飛び込んでくる《ファルケンラスの貴種/Falkenrath Aristocrat》。
マズい。マズすぎる。

祈る、ドロー、土地。4点減ってまたドロー。冒涜の悪魔。だが黒マナが一つしかない。


儚い祈りは…届かず。



6連勝、そして3連敗。これでGP北九州、本戦終了である。





終わった瞬間、押し隠していた疲労が一気に押し寄せてきた。

重ね重ね、6-0からの3連敗。

一度はBest8まで突き進むことを夢に見、
対戦相手の「よし!抜けた!」という嬉しそうな顔を1つ、2つ見送って
そして3つ目を見送った瞬間の、言い表せぬ感情。
それはなんだったのだろうか。


今回ばかりは「明日があるさ」ではないのだ。

ISDブロックも、もうすぐ過去のものになる。「次があるさ」でもないのだ。

これで、本当に終わり。

しかし、悔いはない。悲しみもない。

ただただ、「スタンダード構築」というもっとも巨大なフォーマットに、真っ向から勝負を挑んだこのシーズン。



この中で得たすべてのものが、明日に、次に繋がる。

そんな満足感と、ひと匙の寂しさを残して、狂ったような雨の中開催されたGP初日は幕を閉じたのでした。



後編、レガシー選手権へ続く。

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